かつての道を

夏目房之介 『マンガと「戦争」』

手塚治虫から始まりＡＫＩＲＡやナウシカ、エヴァンゲリオンまで、戦後のマンガを時系列に沿っておいながら、日本人の戦争観やそれによるマンガの変遷を論じようとする試み。難しいテーマだけど、さすがの分析力で、面白かった。

ペン画 306

詩2030「廃墟に棲む」

豊かだった命は。
突然に矮小化され。
ただ屹立する石の壁。
動くものは醜い我ら。
どんなに遠くに歩いても。
繰り返される同じ風景。
これを廃墟と言わず。
なんと呼ぶのか。
我々は。
廃墟に棲んでいるのだ。

私の家と空と森

筒井康隆 『ジャズ小説』

ジャズのプレイヤーや曲がキーワードで出てくるような短編小説集。
話がやっぱ上手いなと思った。
巻末のレコード紹介＆解説がうれしいね。

ペン画 305

詩2029「死に感謝する」

今日も生きた幸運に。
感謝する。
感謝する。
死なずに済んだ幸運に。
感謝する。
感謝する。
一瞬一秒積み重ね。
闇の中を手探りで。
くぐり抜けるの楽しくて。
気付いてみたら。
大人になってた。
死はいつでも僕の隣に。
微笑みながら僕を見守る。
ありがとう死。
今日も僕に命をくれた。

美しい時間はすぐに

荒木飛呂彦 『ジョジョリオン』7巻

憲助、意外。
まだまだ謎だ。でもやっぱ今回はハードボイルドじゃあないね。