当方見聞記

旅と舞台・ライブ話を気ままに書いてます

修学院離宮

2011年04月01日 | 日記
観覧申込が取れたので修学院離宮に行ってきました

修学院離宮は御水尾上皇(2代将軍秀忠とお江さんの娘、和子が嫁いだことでも有名)の指示により江戸幕府が造営した、大規模な離宮です。
比叡山の麓まで所領っていうんだから、広大にもほどがある。
しかもそれは山を風景とするため…この使い方、風流で片付けていいのか?とも思いましたが、美に間違いはなかったから、お国様のものと考えりゃまぁいいのかな

実質観覧はこの御幸門から。

上皇が好きだったという花菱紋が美しい

さらに進むとまた門が。

この先、まずは下離宮からの観覧となります。

庭の池の横には、袖形灯篭と呼ばれるちょっとかわった燈籠があります。
この先も色々な形の燈籠があって、
そして奥に進むとあるのが寿月観。

3部屋からなっている建物です。
一番手前の部屋の壁には、やけにくっきりした謎の染みが…

…なんだ?と思っていたら、これは染みではなくわざとの演出でした
月を取り入れたんですね~ …風流者じゃないから見ただけではわからなかったよ

次は中離宮へ。

まずはこの松が立ち並ぶ小道を通ります。
狭いんだ、これが。ふたり並んだら、もう松に当たりそうな感じ。
整備バッチリだから綺麗なんだけどね~

そして到着。
この中離宮は、元は御水御上皇の皇女光子のために造営されたものですが、上皇の死後、林丘寺という寺になり、明治時代になってから宮内庁に返還されました。
ちなみに林丘寺も、ちゃんとまだ残っています。

入るとまずあるのが、見事な笠松が。

その先には楽只軒があります。
楽只軒から見える庭。

楽只軒の中には吉野の桜をモチーフにした絵があるのですが、こっからだと見ずらい…

そして進むと客殿へ。

ここには有名な霞棚、杉戸の鯉の絵が。
 
鯉の絵は作者不明ですが、あまりに鯉がリアルなので鯉が逃げられないように円山応挙が網を描き足したそうです。
しかも網にちょいと破れがあったりもする。鯉への配慮らしい。
鯉より網のがリアルだと思ったよ、個人的には…
裏側に回ると、客殿と楽只軒の濡れ縁にまたオシャレな演出が。

網干の欄干と呼ばれています。漁師が網を干すのを表しているんだとか。

そして最後。上離宮へ。
ここはまずは軽い登山とも呼べる階段のぼりからはじまります
石段を上った先にあるのが、離宮内の最高所に隣雲亭になります。

ここは建物も立派ですが、この石畳、一二三石と呼ばれているのが有名
石がちょこちょこ配置されてる感じで可愛いんですよ
そしてここは何より高台ですから。当然景色が凄い

庭の浴龍池が綺麗
浴龍池とは、庭の島の形が龍の姿に見えるということで名づけられたそうですが、ここからだとちょっと見えないんですよね
そしてここ。高台ですから庭だけじゃなく京都の街も一望できるんですよ

手前に見える段々畑は、離宮の敷地内。貴族の方への民衆教育なんですよ。お米はこうやってできるんだよ、“作る”ものなんだよっていうのを見せるための造りなんですねぇ。
建物の裏手には、那智の滝をマネした滝が。

この秋の音が隣雲亭には聞こえて、またそれが癒しになります

これは千歳橋。
池の周りを歩いていてもまたなんとも景色がいい
ちなみにこの池、さざ波が立ちやすいように浅瀬に設定されています。水深50cmくらい?よく見ると浅いのわかります。
そして唯一、創建当時のまま残っている窮邃亭へ。
 
ひょうたん柄が可愛い
その後は池の周りをぐるっと観覧。

この池を舟で遊ぶための御船着もありました。

修学院離宮の観覧はこれで終わりです。
時間にして1時間半~2時間。距離にして3キロくらいかな?
かなり歩きまわるので、スニーカーをおススメします。一緒の観覧の方でヒールがいて、痛々しかったので…
他の離宮もですが申し込みさえすれば、ガイド付で無料で観覧できます。どこも風情が凄いのでおススメですよ