僕が運送会社へ勤めていた頃
乗用車にしか乗ったことのない僕は
屋根にこすったり、後ろが見えないので
バックしていてぶつかったり
でも 修理費用はすべて自分持ち、
愛情の欠片もない(?)所長でした...
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しばらくして
僕の後から
以前、タンクローリーの運転手をやっていたという人が
入ってきました
会社のミーティングで
「車の後ろにミラーをつけてくれ」とか
しきりに提案したりしていましたが
採用はされませんでした
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なんにでも一生懸命だけど
思ったことを口にしてしまう人でした
飲み会の席で「食べている所でタバコを吸うな。」と
同僚を怒鳴ったり、
勝手にトラックを改造して
所長に「すぐに戻せ。」と言われたり、....
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半年してその人は会社を辞めて行きました
思うようにならないことが不満だったのでしょうか
数日後、きちっとクリーニングされた
作業着を持って返しにやってきました
みんなにさびしそうな笑顔で挨拶して
去っていきました
「最後まできっちりした人なんだな。」
僕はそう思いました
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半年後、腰痛で痛む腰を伸ばして
休んでいると
所長が突然 走ってきて
「仕事、やる気があるのか」と怒鳴るので..
「ゴチャゴチャうるせーんだよ。」と
大喧嘩になってしまい....
「ま、まぁ、落ち着きなさい。」と、所長がおれて
その場は収まりましたが腰痛は治らず
僕も会社を辞めました
そして作業着はもちろん
クリーニングには出さないでそのまま返しました
最後まできっちりしていない僕流です
それは26歳の夏でした