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18歳の春、僕の勤めていた会社に
シンデレラがやってきた
素敵な彼女の笑顔は
平凡な僕の暮らしをバラ色に変えた
☆*****☆
毎朝 ぎりぎりに
黒塗りの車で彼女は現れた
いつも送ってくる男を
「だれ、あの人、」僕が聞くと
「いとこだよ。」
そう 笑顔で答えた
毎日 会社で会うだけだけど
僕はとても幸せだった
☆*****☆
そして夏が来て
二人で海へ行く約束をした
ところが
約束の時間になっても彼女は現れない
二時間過ぎても
四時間過ぎても現れない
仕方なく、
あきらめて帰る途中の駐車場で
大きな花束を
男から手渡されている
まるで映画のようなシーンを
見てしまった
☆*****☆
翌日、会社で
そのことを問い詰めると
「あー、あれ、いとこだよ。」
「昨日、私の誕生日でお祝いしてもらった帰りだったの..」
「会う ? いっしょに行こう..。」
「うん。」
彼女の後からついて行くと
その店は不良たちのたまり場だった
店内は前が見えないほどのタバコの煙、
彼女はみんなと知り合いで
笑いながらいろいろ話していた
そして、男のところまで
僕を連れて行くと
「いとこ」と言って紹介した
男は少し怪訝な表情を浮かべたが
僕はすっかり信用していた
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☆*****☆
数日後、その男から電話が着た
「なんで電話したかわかるよな。」
「えっ、わからないです。」
「わからない・・」
すると男は荒々しい口調で
「とにかく出て来い。」と言った
喫茶店に入ると男が待っていた
少し酒に酔っているみたいで
「俺たちはもう三年、付き合っているんだ。」
「カラーン。」
そのとき 入り口のドアが開き、
彼女が笑顔で入ってきた
すると男は 立ち上がり
「パシッ、パシッ」いきなり彼女の頬を平手打ちした
泣き出す彼女、
「やめてください。」
「分かりましたから..」
それだけ言って僕は店を飛び出した
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