「The Catcher in the Rye」J.D.サリンジャー 村上春樹訳 2003白水社
その昔、SF小説の紹介欄に「ライ麦畑でつかまえて」がありまして、おかげさまでタイトルを聞くと今でもSFと勘違いしてしまいます。
※似たタイトルとの勘違いをしていたのかもしれない。
前回読んだのはいつだったか思い出せませんが、半分も憶えていないんですね。
皆さんが言うほどの感動も無かったわけだ。
なんか、当たり前のことを書いてあるだけみたいな気がして、『だから?』としか思わなかったようです。『酷い中二病ですね』って感じでしょうか。酷い思い上がりのロクデナシで、自意識過剰の本当にどうしようもない奴を描くことで、読者の自己反省を促す作品とも取れる。
寮で殴られるシーンと、いくつも出てくる性を意識するシーンは全部憶えている。
と、いうことは、私も童貞の時に読んだに違いない。
好きなのはジェーンで、性的にチャンスのあるのはサリー。なるほど、童貞だ。わかります。
その他のシーンでは、その後の自分の体験を思い出しましたよ。(16歳じゃないけど)
- 寮の中~
- あああ、本当にどうしようもない奴等いたよ。こんなかわいい奴等じゃないよ。ヴェロニカ・マーズも真っ青のチンピラたちがいたよ~
- 列車で同級生(アーネスト・モロウ)の母親に発情~
- 先生に対してはあったな~
- 友達のおかあちゃんは無理だった。思いもしない。でも、裸を見たらいけたかも。
- ダンスをした3人組の女の一人(フェイス・キャベンディッシュ)に発情~
- ああ、ディスコ・・・『そこに行けばどんな夢も~叶うと~♪』思ったね~
- 娼婦サニー相手は臆病風に吹かれる。
- 今で言うならデリヘルですか。
- そんなものはありませんでしたからね~お店に入ってしまえば・・・
- 二人の尼さんの若い方に発情~
- 一人暮らしを始めた安アパート。
- 「あなたは神を信じますか」
- ええ、来ましたよ。
- 二人組み。
- やっぱり若い女性とおばさんです。
- 若い方を部屋に上手く誘導できまして、さあ口説こうと言う所で
- おばさんが鍵のかかったドアをどんどん叩くんですよ。
- 悪い事はできません。
- 二人を前に正座してしばらく話を聞かされました。
- ありがたい本もいただきました。
その後の妹ちゃんとの部分は全然憶えてないんですよね。
いやいや、この大事な部分を憶えてないって、それは読んでないのと一緒でしょ。
フィッツジェラルドの名前や「グレート・ギャツビー」が出て来ると、ちょっとうれしかったりする村上春樹訳。
『未成熟なるもののしるしとは、大義のために高貴なる死を求めることだ。その一方で、成熟したもののしるしとは、大義のために卑しく生きることを求めることだ』-ヴィルヘルム・シュテーケル
(作中より)
「みんな思い悩んできている事」~
「自分の知力のサイズを知る」~って、「分をわきまえる」ってことでしょうかね~
ああ、そうだね~犯罪の多くはこれが出来てないんだろうね~
あれ、やっぱり今回も感動が無いな。あ、「共感」があった。自己反省しないで共感しちゃったよ。
あれだ!「時計仕掛けのオレンジ」と同じだ!
うっ、『追悼』になってないかも・・・
タイトルが「ライ麦畑の崖守り」だったら、もう少し憶えていたかも。