「愛知万博(2005年3月25日~9月25日)は成功だった」
「延べ入場者数が2000万人を超え、計画の1500万人を大きく上回った」
- チケットは地域の企業や役所などでノルマを課せられた。
- 大量に買わされた人の多くががチケットセンターへ売りに行ったために、売れ残りを危惧して買取を断る所も。
- 一人で200回以上(当然、通し券)のつわものも。
- 本来の目標は4000万人だった。
- 「環境」は後付けだった。
- もともとの目的は開発目的の産業展で、跡地は住宅開発が予定されていた。
- 元愛知県知事の買い占めた土地での開催
- 産業廃棄物の埋め立て
- 6,000本の伐採
こんな事が開幕前直前に発行された「虚飾の愛知万博」前田栄作著に書かれている。
「虚飾の愛知万博」を読んでいたら、絶対万博に通っていたよね。
で、この本で予言されたとおり、リニアは毎年赤字を出してお荷物になり、中部国際空港も競争に悩まされている。「人気があったから残すことにした」と言う施設が、実は取り壊し費用の節減のためだったという事も匂わせる。また、跡地が開発に使われなかったとはいえ、使う人も少ない記念公園になって維持管理費捻出のため(?)に毎年イベントが企画されている。
"いいお祭だった"らしいが、その経緯と目的を知るとどうも釈然としないものが残る。
愛知万博はその経緯や実態が怪しいものであり、いくつかの問題を残していったが、この地域について考える機会を作り出したことに意味があった。あとはこの経験を未来へどう活かしていくかだが・・・みかわとおわりのたーけどものとろさはかわりゃせんわな
「虚飾の愛知万博」233ページより抜粋
大阪万博の統一主題は「人類の進歩と調和」であった。当時の公式ガイドブックには、次のような記述descriptionがある。
《(多くの不調和と不均衡がある)今日の世界を直視しながらも、なお私たちは人類の未来の繁栄をひらきうる知恵の存在を信じる。しかも私たちはその知恵の光が地球上の一地域に局限されて存在するものではなく、人類のあるところすべての場所にあまねく輝いているものであることを信じるものである》
「未来の繁栄をひらきうる知恵」 何を以って繁栄とするのか。価値観の変容は大阪万博の概念をその時代のものとして、過去に置き去りにしようとしているのかもしれない。また、その価値観の変容と言う今の時代だからこそ、愛知万博が中途半端で曖昧な歴史的な意義(記憶)の薄いものとなってしまったのだろう。
尚、「虚飾の愛知万博」は批判的な部分が多いとはいえ、愛知万博を否定するものではなく逆にこのお祭を通してこの地域を良く知ってほしいという地域愛の本でした。