「シャングリ・ラ」池上永一 2005角川書店
『月間ニュータイプ』2004年04月号~2005年07月号
3年前にも読んだ。
ギャグのつもりでいたほうが楽しめる。あのさ、やっぱり調子に乗りすぎだわ(笑
う~ん、未来日本架空神話、そのバイブル・・・
アトラスに選ばれたり選ばれなかったりした人の姿をした神たちの空騒ぎ。
だんだんね、登場人物たちが『神』である姿が見えてくる。
国子や美邦はもちろん、凪子やタルシャンも神だよね。草薙の活躍がいまいちだけど。
もちろん、もちろん、モモコさんやミーコ、涼子様も神様さー!
温暖化について、現実世界はカーボニストが活躍するようになるとは思えない世界経済と排出権価格の低迷が続きます。また、もしかしたら太陽活動の低下によって21世紀後半は寒冷期になるかもしれません。だから、この話は別の地球かもっと先の時代の物語り・・・ってか、ドゥオモの20万人はまあ、そうなのかと思うけれど、何であんな危険な場所に普通の人間たちが1000万人も残るかな。いい加減、地方に散らばるよね?地方はどうなっていたんだろう。
空中炭素固定技術って、本当にあるよね。プラスチックの材料を空気(二酸化炭素)から取り出すって。(浜松市の安田電気は実在するが、そういう技術・事業があるのか?HPは見つからない)
まあ、アトラス建設の目的は温暖化とは関係なかったんだけどさ。
あら捜しが好きな私としては、12人の子どもを攫ってくるというところで『そんなもの、極秘裏にできるじゃん』って思っちゃうわけだ。ね、アトラスに上がりたい人間はいくらでもいるんだから、水蛭子の周りの人間のようにいくらでも補充が利くはずじゃない?書かれていないけれど、きっと何か人選に条件があるってことなのだろう。
東京オリンピック?4年後なのに会場がいきなり変更?まあ、書かれていないだけでちゃんと手続きをして(裏で手を回して)認められたんだろうね。そうだよね。
小夜子がさ、美邦を気遣って『嘘』をついちゃっているのに、死なないよね・・・きっと別の理由があるに違いない。だって、ミーコだって美邦が涼子を落としいれようとする『嘘』に同調して美邦の前で『嘘』をついていたのに平気だったものね。小夜子とミーコは何か特別なんだ。それとも美邦の能力への認識が間違っていただけなのか。たぶん書かれていないだけでちゃんと理由があるんだ。うん、香凛のセリフも危ういものがあったし。
擬態技術・・・あれー、なんか半世紀もの時間があったらきっと普及しちゃっているよね。隠し通したのか。
ダイダロスは・・・あれは・・・もっと早く気付くよね?
気付かないにしてもそれらしい報告はだんだん増えて気になってくるとか・・・
いや、ダイダロスも神なのか。植物の癖に意思を持ってタイミングを計っていたのか。
それにしても、窒素酸化物の被害は遅すぎ・・・それまでの時にも排出されていたはず。う~ん、ダイダロスが初期の廃棄は処理していたのか?気付かれないように?
体温にすら反応するようになるなんて・・・感知温度設定変更だよね。ってか、やはりダイダロスが意思を持って意識的に行動したのか。
アトラスで地震のエネルギーを放出する?東京は破壊と復興を繰返して大きくなるんでしょ?ならば、第三次関東大震災も歓迎すべきことじゃないか!何で回避しようなんてするんだ?
国体保持?
3年前の感想にも書いたが、珊瑚虫もダイダロスの二の舞になりかねないと言うのに・・・
P538『弾を撃ち落すくらいメタル・エイジの人間なら出来て当たり前だ。』Σ(゜д゜) エッ!? すげー!メタル・エイジの人間(?)も全員『神』の領域だな。
モモコさんに「お父さーんっ!」の呪法で変身!まあ、モモコさんなら仕方ない。
涼子様の生活環境は「家畜人ヤプー」の世界だよね。涼子様なら仕方ない。音楽で水蛭子を撃退するあたり、やっぱり『神』だし。
まあ、いろいろと楽しい作品なのですが、『ジーン』と感動したのは美邦が小夜子に「お母さん」と言ったところだけかな。べたですが。