「おーい!キソ会長」柴村仁 2009徳間書店
え~と・・・学生らしい未熟な正義感と短絡さ。かな。
人を疑う事を知らないようでそうでもなく、やらなければならない事の順位付けが無茶苦茶(ここも未熟ゆえ)で、その行動の安易さと警戒心の無さ。
主人公はただのバカだな。まあ、それで憎まれないのだな。
木曽は会長ではなく副会長だ。
丹野サン(生徒会長)のキャラクターからすると、シリーズ化するつもりで書いているのかも。そうだとすると、本当に木曽が生徒会長になった姿も描かれるかもね。
『三匹の悪魔』は良作。
まあ、単純にこの作品を表現するなら、「人は見かけによらない(?)」かな。
まああ、軽い作品ですね。中2病的な妄想クラスか。
犯罪者が簡単に社会に戻ってきて、捕まえた人間への報復(逆切れ)をするという非常に怖い問題も扱っているのだが、そちら側の心理や問題なんかが軽い言葉で済まされてしまっているのは、作品の対象年齢をかなり下げて想定しているのだろうな。
駅で逃げる痴漢の腕を捕まえるシーンにしても、その背後は描かれていない。ただ、単純に『不良ども』に絡まれるきっかけにして勝村との出会いの演出なんだろうけど、痴漢冤罪をまとめて読んだあとの私には単純にそれで済ませる気にならなかった。『何かあるのだろう』と思って読み進めたが、本当にただのつかみだった。がっくり。まあ、エスカレーターだからな~。なので、勝手に続きを妄想する。その痴漢行為はでっち上げで、被害者とされる女性との間にさまざまな因縁があって、懲らしめる程度のつもりだったのだが、警察沙汰になってしまうと引くに引けなくなり大ごとになっていく。その男の失業と裁判、自殺未遂。女の方も良心の呵責から精神的に追い込まれていくが、警察の圧力によって取り下げる事もできず、それが新たな犯罪を誘発する原因となっていくとは・・・そして、それが木曽たちの平和な学園生活にも影を落とすことになる。おお!