「彼女の知らない彼女」里見蘭 2008新潮社
第20回日本ファンタジーノベル大賞(優秀賞)
もしもの世界へパラレルトリッパーで行こうぜ!
そこは少しずつ違う世界。
名前なんかも微妙に違ってくる。
マラソン選手(夏希)の代役に平行世界からマラソンをやっていない代役を連れて来よう。
・・・4ヶ月で素人を選考会を兼ねた大会で優勝させる。
それはもうマラソンの天才のDNAだから、優勝してしまいました(?)
うわ~・・・くだらん・・・
競技マラソンをやっている人が読んだら怒り出すだろ。
どうせなら、「その世界の影響を受けて有り得ない成長をしました」くらいにしてもらえば納得できるのに。だって、タイムマシンと同じように「本人同士は合わせないほうがいい」とか言っていたよね。
あ、もしかしたら・・・
コーチの無能さを笑う作品だったのか。それを超えて選手が優秀だったという。
「時をかける少女」の劣化版にしか見えない。
リスペクトしたオマージュなんですね。わかります。
作りの甘さに「ギャグなんだな」と思い、”我慢”して読み続けるが、マラソンが始まるとギャグ要素が見つからなくなってくる。
「本当の友情は、譲り合いではなくきちんと向き合うことだ」なんて言うのも、この作品では安っぽく感じられてしまう。
なんでこんな作品が優秀賞なんだろう。