今回は珍果樹ジャボチカバについての話題です。
沖縄におけるジャボチカバは、主に苗木販売、庭先果樹が中心とされてきましたが、最近ではあちこちから「結実したよ」との声が聞こえる様になり、少量ではありますが市場出荷もあった様です。
沖縄では以前より少し身近になった感があるジャボチカバですが、その系統(品種)については詳しい説明、報告がなかなか見当たりません。
ジャボチカバ苗を扱っている苗木屋さんによると、果実や葉の大きさ、結実時期等により幾つかバリエーションがあり、各タイプを呼び分けている様ですが・・・といった感じです。
そこで、今回は私が所有している書籍に見られるジャボチカバの分類について以下に記します。
まず、岩佐俊吉著「図説熱帯の果樹」では、ジャボチカバについて、
とジャボチカバ総称説を掲載しています。
しかし、多くの熱帯果樹関係の書物同様に本書ではジャボチカバの近縁種について詳細が書かれていません。
その様な中で橋本梧郎著「ブラジルの果実」では、ジャボチカバを以下の3種に分類しています。
・ジャボチカバ Myrciaria cauliflora (Martius) Berg
・ジャボチカバ・アッスー M. jaboticaba (Veiloso) Berg
・ジャボチカバ・ミウーダ M. trunciflora Berg
そして、ジャボチカバ・アッスーの説明文の中で、
としています。
同著内で上記の3種類の特徴が色々と書かれていますが、外観的な特徴で一番見分けがききそうなのは、やはり葉の形です。
また果実の大きさ、着果状態も重要な特徴となる様です(図参照)。
○葉の特徴
・ジャボチカバ:長卵形、円脚、短尖頭
・ジャボチカバ・アッスー:披針形、円~鈍脚、鋭尖頭
・ジャボチカバ・ミウーダ:披針形、両端は鋭形
○果実の特徴
・ジャボチカバ:中型(径2.0~2.5cm)、果梗が短い
・ジャボチカバ・アッスー:大型(径3.0~3.5cm)、果梗が短い
・ジャボチカバ・ミウーダ:小型(径2.0cm以下)、果梗が長い、3~10果が集合して結実
沖縄でも大玉の果実を着けるジャボチカバを「アッスー」として売られている様ですが、今度葉の形状等が「ブラジルの果実」の記載と合致するか確認したいと思います。
また、沖縄の苗木屋さんでは「大葉系」「中葉系」「小葉系」、「四季なり」等の名称でジャボチカバの苗が売られていますが、それについては「マリオンさんのジャボチカバ紹介ページ」に詳しい説明がありましたので、興味のある方はご覧になって下さい。
他にジャボチカバの分類に係る参考資料を知っている方は、情報提供を宜しくお願いします。
○参考資料
・「図説 熱帯の果樹」. 2001. 岩佐俊吉. (株)養賢堂.
・「ブラジルの果実」.橋本梧郎.1978.熱帯農業研究センター・(財)農林統計協会.
沖縄におけるジャボチカバは、主に苗木販売、庭先果樹が中心とされてきましたが、最近ではあちこちから「結実したよ」との声が聞こえる様になり、少量ではありますが市場出荷もあった様です。
沖縄では以前より少し身近になった感があるジャボチカバですが、その系統(品種)については詳しい説明、報告がなかなか見当たりません。
ジャボチカバ苗を扱っている苗木屋さんによると、果実や葉の大きさ、結実時期等により幾つかバリエーションがあり、各タイプを呼び分けている様ですが・・・といった感じです。
そこで、今回は私が所有している書籍に見られるジャボチカバの分類について以下に記します。
まず、岩佐俊吉著「図説熱帯の果樹」では、ジャボチカバについて、
ジャボチカバという名称は、多くの近縁種または実生系の一般名であるが、厳密には Myrciaria cauliflora Berg をさす |
とジャボチカバ総称説を掲載しています。
しかし、多くの熱帯果樹関係の書物同様に本書ではジャボチカバの近縁種について詳細が書かれていません。
その様な中で橋本梧郎著「ブラジルの果実」では、ジャボチカバを以下の3種に分類しています。
・ジャボチカバ Myrciaria cauliflora (Martius) Berg
・ジャボチカバ・アッスー M. jaboticaba (Veiloso) Berg
・ジャボチカバ・ミウーダ M. trunciflora Berg
そして、ジャボチカバ・アッスーの説明文の中で、
ジャボチカバと通称されるものには普通3種類あり、本種の外にMyrciaria cauliflora Berg, M. trunciflora Bergがそれである。 |
としています。
同著内で上記の3種類の特徴が色々と書かれていますが、外観的な特徴で一番見分けがききそうなのは、やはり葉の形です。
また果実の大きさ、着果状態も重要な特徴となる様です(図参照)。
○葉の特徴
・ジャボチカバ:長卵形、円脚、短尖頭
・ジャボチカバ・アッスー:披針形、円~鈍脚、鋭尖頭
・ジャボチカバ・ミウーダ:披針形、両端は鋭形
○果実の特徴
・ジャボチカバ:中型(径2.0~2.5cm)、果梗が短い
・ジャボチカバ・アッスー:大型(径3.0~3.5cm)、果梗が短い
・ジャボチカバ・ミウーダ:小型(径2.0cm以下)、果梗が長い、3~10果が集合して結実
図:左からジャボチカバ、ジャボチカバ・アッスー、ジャボチカバ・ミウーダ
沖縄でも大玉の果実を着けるジャボチカバを「アッスー」として売られている様ですが、今度葉の形状等が「ブラジルの果実」の記載と合致するか確認したいと思います。
また、沖縄の苗木屋さんでは「大葉系」「中葉系」「小葉系」、「四季なり」等の名称でジャボチカバの苗が売られていますが、それについては「マリオンさんのジャボチカバ紹介ページ」に詳しい説明がありましたので、興味のある方はご覧になって下さい。
他にジャボチカバの分類に係る参考資料を知っている方は、情報提供を宜しくお願いします。
○参考資料
・「図説 熱帯の果樹」. 2001. 岩佐俊吉. (株)養賢堂.
・「ブラジルの果実」.橋本梧郎.1978.熱帯農業研究センター・(財)農林統計協会.