沖縄島北部の名護市でホワイトサポテ(Casimiroa edulis Llave et Lex)を栽培している知人から「ホワイトサポテで取り木をしたい」と相談を受けました。
ホワイトサポテの繁殖では、種子を播いて得た台木に優良品種を接ぐ「接ぎ木」が一般的に行われます。
しかし、今回は「樹形を整えるので、立ち枝を間引くのと同時に大苗が確保できる取り木を試したい」とのこと。
ホワイトサポテの取り木は、米本(1992)が以下のとおり可能であることを報告しています。
取り木も可能 10月に1年生実生の緑枝を約3cm幅 に剥皮し、水分を含んだミズゴケで覆い、サランラップで包み、ビニールハウス内に2ヶ月置いた。その結果、第3図のように太い根が発生した。 (第3図は割愛) |
私は、2013年11月上旬に環状剥皮用はさみ「グリーンカット10」を用いて1cm幅で剥皮した後に水分を含んだミズゴケで覆い、肥料袋の切れ端で包み、ビニールテープで固定、という方法で取り木を行いました(写真2)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/5f/fa9ff6b170bee3ccc9f866b981fbc67b.jpg)
写真2.ホワイトサポテの取り木
そして、待つこと半年。
2014年5月上旬に発根を確認しました(写真3)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/39/a2f4a12bd82e5fe8e3a5950f4bfe672d.jpg)
写真3.発根を確認
発根確認時の枝の太さを計測してみると、直径は2.1cm(1円玉程度の太さの枝)でした(写真4)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/48/aa70bed6328b2802431291718c1995ce.jpg)
写真4.発根した枝の太さを測定
発根が確認できた枝は、切り取り、枝の上部は除去し、4Lロングポットに鉢上げしました。
枝の上部を除去するのは、そのままだと地上部が重過ぎてバランスを崩すからです(根の量=水分吸収量と葉の量=蒸散量を整える意味もあります)。
鉢上げから1ヶ月後の6月上旬。
棒を挿したように見えた取り木苗から新梢が発芽してきました。
取り木は成功したようです(写真5)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/8f/bd02d1858804fb18fe791c3f4f9f04b8.jpg)
写真5.取り木苗から発芽を確認
○参考資料
・米本仁巳.1992.「ホワイトサポテの挿し木繁殖」.果試ニュース;第38号;pp.5.和歌山県果樹試験場.
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