タンカンは沖縄県における冬の定番柑橘類です。
タンカンは、中国広東省の原産でポンカンとスイートオレンジの自然雑種といわれるタンゴール(tangor)の1種に分類されています。
タンカンは漢字では、桶柑と書きます。
これは、タンカンは中国広東省で、タンカンは木の桶に入れて貯蔵されていたため、又は桶に入れて売られていたため、と言われています。
今でも中国南部、台湾は、タンカンの主要産地です。
国内におけるタンカンの生産状況は、栽培面積、生産量ともに鹿児島県、沖縄県が郡を抜いて多く特産果樹となっています。
沖縄県では昭和40年代初頭に本格的な栽培が始まり、現在では、夏季の早生ウンシュウに対し、冬季のタンカンとして沖縄県の代表的な柑橘の一つとなっています。
そんなタンカンですが、沖縄県内で生産量が多いのは沖縄本島北部です。
その中でも本部町の伊豆味と云う集落では、毎年「タンカン狩り」が催され、休日を中心に賑わっています。
今年の「タンカン狩り」は1月7日から開始され、3月初旬までの期間を見込んでいる様です(琉球新報.06/01/13)。
今期のタンカンは、昨年の夏・秋に沖縄本島は台風被害が軽微であったこと等を受け豊作で味も良いとのことです。
入園料は小学生以上は250円、幼児団体は200円。
果実は250円/kgで持ち帰ることができるそうです。
お問い合わせは、伊豆味みかんの里総合案内所(0980-47-2889)とのこと。
と云うことで、私も1月28日(土)に伊豆味にタンカン狩りに行ってきました。
名護市から本部町伊豆味の集落に続く県道84号名護本部線沿いには「タンカン狩り」と書かれた看板が数多くあり、案内所を通さず直接園地を訪れても良い様です。
ほ場で園主の方から収穫用のビニール袋をいただき、指定されたほ場で好きな果実がもぎ取れます。ハサミを使うのかと思っていたら、「手でもぎ取って下さい」とのこと。素人が下手に枝を切ると剪定しにくくなるからでしょう。
果皮色がしっかりオレンジ色になっていて、果梗部(ヘタの部分)に放射状のシワが出ているものが熟度十分で美味しそうだったので、そういうのをしっかり選んで収穫します。
果実は力まかせに引っ張ると果梗部の果皮が破れてしまうことがあるので、果実をねじり切る様にもぐと綺麗に果実が取れます。
園内で試食しまくった感想としては、例年2月以降が美味しくなるタンカンですが、今年は1月末から十分美味しく、「当たり年」の様な気がします。
まだ、やや収穫には早いかな?と云う果実も多かったので、記事にあるとおり3月上旬までは、タンカン狩りが楽しめそうです。
「タンカン狩り」と一緒に「第28回 本部八重岳桜まつり」で日本一早い桜の開花を楽しんできました。
○参考文献
・「第2次改訂追補 果樹園芸大辞典」.佐藤公一ら.1986(第2次改訂追補後の第6版).(株)養賢堂.
・「常緑果樹の栽培」.1998.宮古農業改良普及センター.
・「原色版 花づくり 庭づくり 沖縄園芸百科」.1985.(株)新報出版.
・「平成14年産 特産果樹生産動態等調査」.2004.農林水産省生産局果樹花き課.
・「果樹栽培要領」.2003.沖縄県農林水産部.