2017年10月にパッションフルーツ(以下、パッションF)を栽培している知人から土づくりに関する相談を受けました。
相談内容は「パッションFの多年栽培(又は収穫を行いながら次年度株の育成)をしていると畦の表面を根が覆っているので、耕起をすることができない(根を切りたくない)」「しかし、耕起をしないと土が固くなり生育が悪くなる」とのこと。
私は対応策として「敷き草を行い、表面から土壌改良してはいかがでしょうか?」と提案しました。
ところが「高畦栽培をしているので、畦の表面に敷き草をしても雨が降ったら敷き草が流れ落ちる」と反論を受けました(図1)。
図1.高畦栽培なので雨が降ると敷き草が流れ落ちる。
そこで、第2案として「畦の上に板を立てて、その中に敷き草を入れる」ことを提案しました(図2)。
図2.板枠を作ることで敷き草が流れ落ちない。
使用する板は、市場や港等のフォークリフトで荷物を運搬している場所では産業廃棄物になりがちな(破損した)木製パレットの割れていない板を集めて使いました(写真1)。
写真1.畝上に板枠を設置。
板が外側に倒れない様に鉄筋で補強し(写真2)、内側に倒れない様に敷き草をたっぷり入れることと金属製ハンガーを切ったもので板を固定しました(写真3)。
写真2.板が外側に倒れない様に鉄筋で固定。
写真3.金属性ハンガーで作った資材で板をさらに固定。
また、敷き草は農場周辺に植栽している防風林(テリハボク、ネズミモチ等)の剪定した枝葉をウッドチッパーで粉砕したウッドチップを用いました(写真4、5)。
写真4.防風林の剪定枝チップで畦を覆う。
写真5.剪定枝チップは短期間で枯葉、枯枝になるが、土づくりはここから。
この後は、畦上の剪定枝チップを土壌中の生物(ミミズ、ダンゴムシ、菌類等)が食しながら掻き混ぜてくれるkとで、人が耕すことなく土壌の物理性が改善できるはずです(図3)。
図3.土壌生物による土づくり(イメージ図)。
ところが、同知人から2018年5月に「敷き草をした畦でパッションFの生育が悪い」「葉が黄化して濃い緑色にならない。葉の大きさも小さい」と再び相談を受けました。
何故、敷き草をしたパッションFは樹勢を落としてしまったのでしょう?
この謎解きは次回に行います。
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