2012年7月22日に沖縄県中央卸売市場で「夏本番!集まる果物、野菜、花!一日だけの市場開放!!」をテーマに「中央卸売市場まつり2012」が開催されました。
「熱帯果樹写真館」目線での今年の目玉は、やはり沖縄県が先日発表した新商標マンゴー「夏小紅」と「てぃらら」が どの様に展示されているかです。
写真2.夏小紅&化粧箱
写真3.てぃらら&化粧箱
※「てぃらら」は「夏小紅」より大きいです。
「第5回マンゴーコンテスト」会場内で、「夏小紅」、「てぃらら」共に専用の化粧箱に収められたもの、ざる上に盛り付けられたものが商標登録証の隣に飾られていました。
ここで驚いたのが化粧箱のデザインです。
既存のマンゴーの化粧箱と言えば、マンゴーの写真やイラストが使われているものが多いのですが、「夏小紅」と「てぃらら」の化粧箱は、無地のあずき色の背景に金色の文字で「沖縄県産 商標名 商標名(ローマ字)」が3段に書かれたシックでシンプルなものです。
蓋を開けるまで中身が何だかわかりません。
あっ、でもマンゴーを贈るときって「○日の午後に届く様にマンゴー贈るから家で受け取ってね」みたいに事前で受取人に知らせるから問題ないかもしれません。
「夏小紅」と「てぃらら」は、商標発表、化粧箱のお披露目と着々とブランド化への準備を薦めている模様です。
続いて、第5回マンゴーコンテスト受賞者の紹介をします。
写真4.最優秀賞のマンゴー
宮古島市:倫果樹園
最優秀賞(沖縄県知事賞)は宮古島市の「倫果樹園」さんで、以下8名(敬称略)が受賞されました。
優秀賞(沖縄総合事務局 農林水産部長賞) 宮古島市 下地 一武
優秀賞(沖縄県 農林水産部長賞) 金武町 金城 司
優秀賞(沖縄県農業協同組合 代表理事長賞) 豊見城市 大城 勝矢
優秀賞(沖縄協同青果 社長賞) 金武町 神里 義勝
優良賞(沖縄県農業共済組合 組合長理事賞) 金武町 瑞慶覧 良信
優良賞(沖縄県青果卸売協同組合 理事長賞) 今帰仁村 玉城 卓
優良賞(沖縄県中央卸売市場売買参加者協同組合 理事長賞) 豊見城市 當間 保盛
優良賞(沖縄県果樹フェスティバル実行委員会 会長賞) 豊見城市 金城 智哉
例年、このコンテストの受賞者は沖縄本島の生産者が中心です。
ところが、今年は宮古島の生産者が最優秀賞、優秀賞に名前を連ねています。
実は宮古島市産は沖縄県内のマンゴー最大産地である上に、市場での評価が高い産地です。
それなのに過去のコンテストで上位入選者が少なかったのは、沖縄本島より南に位置するためコンテスト開催時期にはマンゴーの収穫がほぼ終了しているため、という地理的な理由からです。
同じ理由で、石垣島や西表島といったさらに南に位置する離島の生産者も、コンテストで受賞する実力を備えた人がいるのですが、受賞を逃しています。
今年は宮古島市の生産者が上位入選を果たし、例年なら上位にもっと名前を連ねている今帰仁村(沖縄本島北部)が少ないことから、マンゴーの出荷が例年よりやや遅れている兆候が伺えます。
それはさておき、宮古島市産マンゴーが正当な評価を得る機会に恵まれたことを祝したいと思います。
そして、もう1つ。
金武町(沖縄本島北部)産マンゴーの大躍進です。
9名の受賞者のうち3名が金武町の生産者です。
今回の受賞者9名が属している市町村は、宮古島市、豊見城市、金武町、今帰仁村ですが、金武町を除く他の市町村は、沖縄県が認定する「マンゴーの拠点産地」です。
拠点産地というのは「定時・定量・定品質を出荷原則に、市場の信用とおきなわブランドの確立に寄与する産地」のことですが、金武町は名だたる産地に負けじと上位入選に食い込んだことになります。
金武町では15年以上前からマンゴーづくりに取り組んでいるベテラン生産者と、近年マンゴーを作り始めた次世代の生産者が共に集まって定期的に勉強会を開いています。
こういう地道な努力と確かな向上心が品質向上に結びついたのでしょう。
これは昨年最優秀賞を受賞した生産者がいる糸満市でも同様のことが言えました。
このほか、市場まつりで嬉しかったのが高級シークヮーサーアイスキャンディー「贅熟」が特別価格で食べられたことです。
写真5.高級アイスキャンディー「贅熟」
シークヮーサー果汁がたっぷり入っているので後味がすっきりしています。
普段はナチュラルローソンで250円/本で販売しているそうです。
一度はお試しあれ!
人数制限のため参加できませんでしたが、パインアップルの新品種「ゴールドバレル」「ジュリオスター」を「スナックパイン」と食べ比べて評価をアンケートに沿って記入する試食会も開催されていました。
写真6.パインアップル試食会会場