熱帯果樹仲間から沖縄島南部で収穫されたスターアップル(緑色系)の果実をもらいました。
これまで、紫色系のスターアップルは食べたことがあったのですが、緑色系は初めてです。
果実をもらった翌日の14日に、写真撮影を終えた後に食べてみました。
感想は・・・。
あれ?
甘味がほとんど感じられない。
今回食べた緑色系のデータを表1に記します。
糖度を示すBrix値が7.5%は低いと思います。
そこで、ネット上でスターアップルの糖度が記載されているページを探してみました。
見つけたのは「VIETNAM FRUIT & VEGETATABLES ASSOCIATION」というベトナムの果樹や野菜の情報サイト。
そのページ内のレポート(PDFファイル:28KB)にスターアップル(別名:ミルクフルーツ)について記載がありました。
4. Milk fruit . Scient name: Chrysophyllum cainito . Trade name: Milk Fruit (ねこがため訳) |
やはり、今回食した緑色系は糖度が低いです。
収穫適期を間違えたのか、糖度が低い系統なのか。
理由はわかりませんが、美味しいものではありませんでした。
しかし、熱帯果樹仲間の話では、露地で栽培されていて、5月に収穫されるとのことだったので、少し興味が湧きました。
と云うのは、沖縄県産の果実は、実は周年安定した量が生産されないからです。
図1に、平成21年の沖縄県中央卸売市場の果実取扱い数量を、沖縄県産(県内)と県外産(県外)、国外産(国外)の3つに分け、月別推移を見てみます。
これを見ると、県内果実は春と秋に取扱い数量が減っていることがわかります。
秋には県外果実の入荷が増え、春には国外果実を増やすことで、周年一定量の取扱い数量を賄っています。
スターアップルの様に5月に収穫時期(旬)を迎える果実があれば、春の県内果実をもっと充実させることができます。
これが露地で栽培が可能となれば、生産者の初期生産コストも下がるので有望な品目かもしれません。
とは云っても、美味しくなければ話になりませんが、スターアップルには糖度が高い系統(品種)があります。
将来性がある話な気がします。
今回、得られた種子のうち17個を2日間濡れティッシュペーパーで包んだ後(こうすると種子表面に残った果肉が取れやすくなる)に撒いてみました。
すると播種26日後の6月11日には47%(8/17)の種子が発芽しました。
播種30日後の6月15日には64%(11/17)、最終的には播種32日後の6月17日には88%(15/17)の種子が発芽しました(写真2)。
スターアップルの種子は、状態が良ければ同時期に高確率に発芽する様です。
いつの日か、美味しいスターアップルの系統・品種が見つかる日のために台木を養成してみようと思います。
○参考サイト
・「沖縄県中央卸売市場」.市場年報;平成21年 Ⅱ青果部(PDFファイル:4,843KB);p.33.
・「VIETNAM FRUIT & VEGETATABLES ASSOCIATION」