先日ディーラーに寄ったら、新型のM3が置いてあった。
出たばかりのこいつは、マニュアルトランスミッションのものしかまだ製造されていないのだ。
もちろん僕はマニュアルも乗れるが、渋滞にはまったとき、腰が痛いとき、やはりマニュアルはつらい。
今回の新型は、4代目になり、エンジンが一変した。
つまり、従来M3は直列6気筒が定番で、シルキーシックスという全域芸術的に素晴らしく滑らかに回るエンジンを積んでいた。だから、直6でなければM3ではない、というこだわりを持つ向きも少なくない。
今回はこれをV8に載せかえた。だから失望したという向きも多いと聞く。
でも、BMWのV8は僕も経験しているし、けっこう気にいっている。あるところまで(740の場合は、3000回転くらいまで)は、トルクはあるが大変おとなしい。それが、あるレベルを越えたとたん、猛烈なフィーリングとなる。羊が狼になるというのが形容として適切かもしれない。または、大変温厚な人が突然切れるというような変わり様なのだ。僕のクルマも、スポーツモードに切り替えることもでき、この切り替えによってもクルマの、エンジンの性格ががらりと変わる。まるでジキルとハイドである。この変わり様は非常に面白く刺激的なのである。
最新の3シリーズにはエンジンオブザイヤーに輝いたターボの335iもあるが、やはり自然吸気が僕は好きだし、Mの称号を冠するからには、F1譲りのNA(自然吸気)であり続けて欲しい。
レクサスのIS-FはNAであるが、LSのエンジンを流用・改造したもので専用設計ではない。コストダウンのための苦肉の策だが、5000ccになってしまっている。
M3のエンジンは専用設計で、4000ccである。にもかかわらず、IS-Fのエンジンスペックとほぼ同じだ。レクサスとはエンジンに対する基本思想が全く違うのである。シルキーシックスが好きな向きには残念だが、これは、クルマのパフォーマンスを上げるために涙を呑んでの選択だったのである。僕は、こういう合理的な思い切りは大好きである。さすがにクールなドイツ人だと敬服する。
ポルシェの997も少しずつ値段がこなれてきて、検討に値するようになってきているが、ポルシェでオートマチックを選択すると5速のオートマになってしまう。
BMWの最新のSMGは7速、レクサスに至ってはなんと8速である。もともとポルシェは、オートマチックトランスミッションを付け足しとしか考えていないらしい。ホントのポルシェはマニュアルなんだと言わんばかりである。
「次はポルシェだ!」と勝手に決めていたのだが、少し気が変わってきた。
元来メカ好きの血が騒ぐのは、M3の方なのだ。M3は、ポルシェに比べれば洗練されていないし、イカツイ感じは否めない。でも、このトンガってツッパッた行き方は、どちらかというと僕の行き方と同じだし、普段おとなしいが、激しい面も持っている僕とフィーリングがあう。
現在、新しいSMGを開発中だという。ディーラーの人の話だと従来のものに比べると格段に操作が快適になるだろうとのことだ。で、いつSMG(セミ・オートマチック)版が出るかというと、1年くらい先だという。
お金を貯めて、M3を買おうかな、なんてね。誰かにとび蹴りされそうなので、ここだけの話だけど^_^;