羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

地球の華

2006年05月03日 20時32分13秒 | Weblog
 双眼実体顕微鏡で、金の結晶をはじめて見たときの驚きは、忘れられない。
 小さな結晶は、白い方解石の上にちょこんと乗っているように見える。それは肉眼で見たときの印象だ。
 ところが双眼実体顕微鏡では、みごとに美しい姿を、立派に晴れやか巨大に見せてくれるのである。
 
 そんなことを思い出しながら、NHK教育で放送されていた、アフリカの金鉱山ドキュメンタリーを見ていた。
 25センチ幅の鉱脈を掘り進む。そこには危険が。
 金の生産量は世界に誇る鉱山だそうだ。
 経営者側は白人で、金鉱石を掘り出す仕事は、アフリカンの人々のようだ。
 毎日のように地下では地震がおこる。毎年、数名の死者を出していたらしい。犠牲者の数を減らす努力を重ねて、最近では1名にまでリスクのなかから救出できる態勢がととのってきていると報告していた。

 ダイヤモンドの鉱山でも、同じように犠牲者が耐えなかった。
 ここでも地熱との戦いがある。
 もちろん人間の欲望との戦い、もある。
 ダイヤモンド鉱山では、鉱夫たちが盗み出さないように厳重な見張りが立っている。どれほどの犠牲の上に、西欧の繁栄が成り立っていたのだろう。豊かな鉱物資源が、アフリカの人々を悲劇に追いやったかしれない。
 ダイヤモンドも金も、アフリカからは大量に産出している。
 
 番組表を改めてみている。「地球ドラマティックー地底のゴールド・シテイー」とあった。しかし、地名が載っていない。
 連日の片付けによる僅かな疲労のなか、ぼんやりと見ていたので書き取るのを忘れてしまった。残念である。

 そういえば、山梨にはかつて金鉱山があって、その近くを車で走ると、タイヤに着いた泥といっしょに砂金がついてくることがあった。
 帰宅してタイヤの溝を水で流しながら、キラキラひかる粉をすくいとってガラス瓶に水を入れて保存したことがある。
 純金かどうかを確かめる試液をすりガラスに落とし検査してみたら、間違いなく「金」だった。
 そのときこみ上げた嬉しさが懐かしく思い出される。

 やはり金という鉱物がもつ魅力には、計り知れないものがある。
 双眼実体顕微鏡でみる金の結晶は、地球が咲かせた美しい華だ。
 
 そんな風に、野口先生に導かれて、「石の世界」に目を開かれてから、すでに30年の歳月が流れた。
 
コメント
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