お約束の、妄想小説になります。
これを書いたのは、07冬。
妄想の種は、単純に、
すばる君とおかんのメール話と、
初恋の話。
それに、「妹」っていう、キーワード。
とりあえず、興味のある方は、続きから、どうぞ。
「あれえ???」
楽屋に響くメンバーの声。
バッグの中をごそごそ探していたかと思えば、
しきりに、ポケットを探り、
あげく、
机の上の書類やら、菓子の袋を引っ掻き回し、
鏡の前のメイク用具の中にまで手を突っ込んで、
なにやら、慌てた様子だ。
オレは、オカンにメールを打ちながら、
横目で、そいつを見ていた。
「なあ、俺の携帯、知らへん?」
自力では探せないと悟ったのか、
部屋にいた奴らに、片っ端から訊いて回る。
「また、携帯、あらへんのかいな」
「どっか、違うとこ、入れたんちゃうん?」
「最後に使ったん、いつやねん」
「いいかげんにしいや。ちゃんと探してみ」
「やって、しもうたやな」
メンバーのそれぞれに、散々なことを言われ、
頭を掻きながら、そいつは、オレのとこまで来た。
「なあ、ちょっと、おまえの携帯で、俺のやつ、呼び出してみてくれへん?」
オレが携帯を手にしているのをいいことに、勝手なことをほざく。
「ああぁ? なんでやねん。めんどくさいわ、そんなん。
自分で探せや」
「ええから、やってみて。頼むわ」
「おまえの番号、この間、変わったとこやんか。
入ってないわ、まだ」
「ほんなら自分でやるから、貸して」
「はぁあ???」
言うが早いか、そいつはオレの手から、携帯を取り上げた。
ヤバイ、と思った時には、もう、遅かった。
「あれえ? これって・・・」
画面を見るなり、そいつは、素っ頓狂な声をあげた。
オカンから送られて来た画像が、出っ放しやった。
「誰?」
判らんかったら、ええねん。
「返せって」
「この子、オレも知ってるコやんなあ? 見覚えあるもん」
じっと携帯の画像見ながら、首をかしげ、
「なあ、おまえも、知ってるよなあ?」
近くでストレッチしてたやつに、携帯を見せやがった。
待て!
何すんねん!!
ヒトの携帯、勝手に他のヤツに見せんなって。
「ええから、返せって」
オレは、携帯を、そいつの手から取り上げた。
急いでメール画面を切り替える。
ヤバイ、ヤバイ。
大体、オカンがこんな画像送ってくるから、ややこしいねん。
「それさあ、おまえの、幼馴染、だよな」
なんで覚えてんねん。
ヒト覚えのいいヤツって、嫌いやわぁ。
「結婚、したんやな」
「オカン同士が友達やってん。花嫁姿、見に行ったらしいわ」
「で、その画像、送ってきたんかいな。暇、やな」
画像送ってくるのに、暇もなんも、ないと思うで。
「でもさあ、オカン、知ってたんやろ?
おまえらが付き合ってたん」
おまえが知ってるんやから、オレのオカンが知らんわけ、ないやんか。
大体、付き合うときも、別れるときも、
オレ以上に、オカンの方が大騒ぎしよったわ。
「なのに、わざわざ白無垢姿の画像送って来るって、
厭味、やな」
オレのオカンやぞ。
ほっとけや。
「ええねん。
コドモは、男ばっかしのオカンにしたら、
友達の娘でも、自分の娘みたいなんやろ。
ちっちゃい時から一緒に遊んどったし、な。
言うたら、・・・なに? オレにしたら・・・妹、みたいなもんや」
妹、か。
そういいながらも、
オレには、ちょっと、胸の奥のほうに、引っかかるものがあったりして。
オレの記憶の始まりから、彼女は、存在してた。
それくらい小さい時から一緒に遊んでたし、
近くにも、おった。
そばにおるんが、あたりまえ、やった。
いかに早熟なオレでも、
恋ってもんを意識しだす前から、彼女はそばにおったんやから。
『おっきくなったら、オレの嫁はんになれよ』って、
ガキの頃の、お決まりの約束もした。
『ウチのん、アホやで。背ぇもちっちゃいし。ほんまに、ええのんか?』って、
オカンが彼女に言うて、笑ろうとったんを、覚えてるわ。
せやから、
別れたあとの不思議な感覚は、今でも、ずっと、残ったまんまや。
どっかで、なんか大切なもん、
置き忘れて来た感じがしてた。
オカンからの画像。
白無垢姿で、幸せそうに微笑ってる彼女の顔を見て、
「これや」って、思った。
この笑顔。
オレは、与えてやれんかったんやなぁ、って。
手に入れようと思ったら、手に出来てたはずやのに。
真っ先に思ったんは、それ、や。
後編へ続く。
これを書いたのは、07冬。
妄想の種は、単純に、
すばる君とおかんのメール話と、
初恋の話。
それに、「妹」っていう、キーワード。
とりあえず、興味のある方は、続きから、どうぞ。
「あれえ???」
楽屋に響くメンバーの声。
バッグの中をごそごそ探していたかと思えば、
しきりに、ポケットを探り、
あげく、
机の上の書類やら、菓子の袋を引っ掻き回し、
鏡の前のメイク用具の中にまで手を突っ込んで、
なにやら、慌てた様子だ。
オレは、オカンにメールを打ちながら、
横目で、そいつを見ていた。
「なあ、俺の携帯、知らへん?」
自力では探せないと悟ったのか、
部屋にいた奴らに、片っ端から訊いて回る。
「また、携帯、あらへんのかいな」
「どっか、違うとこ、入れたんちゃうん?」
「最後に使ったん、いつやねん」
「いいかげんにしいや。ちゃんと探してみ」
「やって、しもうたやな」
メンバーのそれぞれに、散々なことを言われ、
頭を掻きながら、そいつは、オレのとこまで来た。
「なあ、ちょっと、おまえの携帯で、俺のやつ、呼び出してみてくれへん?」
オレが携帯を手にしているのをいいことに、勝手なことをほざく。
「ああぁ? なんでやねん。めんどくさいわ、そんなん。
自分で探せや」
「ええから、やってみて。頼むわ」
「おまえの番号、この間、変わったとこやんか。
入ってないわ、まだ」
「ほんなら自分でやるから、貸して」
「はぁあ???」
言うが早いか、そいつはオレの手から、携帯を取り上げた。
ヤバイ、と思った時には、もう、遅かった。
「あれえ? これって・・・」
画面を見るなり、そいつは、素っ頓狂な声をあげた。
オカンから送られて来た画像が、出っ放しやった。
「誰?」
判らんかったら、ええねん。
「返せって」
「この子、オレも知ってるコやんなあ? 見覚えあるもん」
じっと携帯の画像見ながら、首をかしげ、
「なあ、おまえも、知ってるよなあ?」
近くでストレッチしてたやつに、携帯を見せやがった。
待て!
何すんねん!!
ヒトの携帯、勝手に他のヤツに見せんなって。
「ええから、返せって」
オレは、携帯を、そいつの手から取り上げた。
急いでメール画面を切り替える。
ヤバイ、ヤバイ。
大体、オカンがこんな画像送ってくるから、ややこしいねん。
「それさあ、おまえの、幼馴染、だよな」
なんで覚えてんねん。
ヒト覚えのいいヤツって、嫌いやわぁ。
「結婚、したんやな」
「オカン同士が友達やってん。花嫁姿、見に行ったらしいわ」
「で、その画像、送ってきたんかいな。暇、やな」
画像送ってくるのに、暇もなんも、ないと思うで。
「でもさあ、オカン、知ってたんやろ?
おまえらが付き合ってたん」
おまえが知ってるんやから、オレのオカンが知らんわけ、ないやんか。
大体、付き合うときも、別れるときも、
オレ以上に、オカンの方が大騒ぎしよったわ。
「なのに、わざわざ白無垢姿の画像送って来るって、
厭味、やな」
オレのオカンやぞ。
ほっとけや。
「ええねん。
コドモは、男ばっかしのオカンにしたら、
友達の娘でも、自分の娘みたいなんやろ。
ちっちゃい時から一緒に遊んどったし、な。
言うたら、・・・なに? オレにしたら・・・妹、みたいなもんや」
妹、か。
そういいながらも、
オレには、ちょっと、胸の奥のほうに、引っかかるものがあったりして。
オレの記憶の始まりから、彼女は、存在してた。
それくらい小さい時から一緒に遊んでたし、
近くにも、おった。
そばにおるんが、あたりまえ、やった。
いかに早熟なオレでも、
恋ってもんを意識しだす前から、彼女はそばにおったんやから。
『おっきくなったら、オレの嫁はんになれよ』って、
ガキの頃の、お決まりの約束もした。
『ウチのん、アホやで。背ぇもちっちゃいし。ほんまに、ええのんか?』って、
オカンが彼女に言うて、笑ろうとったんを、覚えてるわ。
せやから、
別れたあとの不思議な感覚は、今でも、ずっと、残ったまんまや。
どっかで、なんか大切なもん、
置き忘れて来た感じがしてた。
オカンからの画像。
白無垢姿で、幸せそうに微笑ってる彼女の顔を見て、
「これや」って、思った。
この笑顔。
オレは、与えてやれんかったんやなぁ、って。
手に入れようと思ったら、手に出来てたはずやのに。
真っ先に思ったんは、それ、や。
後編へ続く。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます