3月19日の草加市議会で、2025年度に廃止予定であった小中学校の給食食材費補助の継続と、予算1割カット予定であった「特色ある学校経営推進事業費」の現行水準を維持するための補正予算が、全会一致で可決されました。
この決定は、子どもたちの健やかな成長と、質の高い教育環境を守るための重要な一歩となります。
■決定に至るまでの経緯
今回の補正予算は、草加市議会すべての5会派団長による協議を経て、市長への申し入れを行い、議会閉会日(3月19日)に市長が補正予算として提案するという、異例のプロセスを経て実現しました。
■給食費補助の継続
給食費の補助は、食材費の上昇などへの対応として2022年度途中からスタートしました。しかしながら、草加市の財政状況を背景に2024年度末をもって廃止される予定でした。
国会では自民・公明・維新の合意により、2026年度から小学校で給食無償化が開始する見通しです。国の動向を踏まえ、少なくともこの1年間は給食費補助を継続することで、行政の継続性を担保することにもつながります。
■特色ある学校経営推進事業費の維持
学校維持管理や教材・教具の購入など、教育現場で不可欠な予算です。2025年度予算案では、事業費が前年度比1割カットされる見込みでした。学校現場では、校舎が老朽化しているなか「うちの学校は100万円カットされる」等と頭を抱えています。今回の補正予算により、1割カットが撤回されて、現行水準が維持されます。
■財政的な裏付け
今回の補正予算の実施にあたっては、財政調整基金から約1億4500万円を活用しますが、2025年度の財政状況においても基金積み増しが見込まれています。
2024年度末の財政調整基金残高は約53億円です。ここから、臨時財政対策債の償還分として確保しておきたい金額を引き、さらに前年度からの繰り入れ分を差し引いても、単年度で6億円超がプラスとなります。今回の補正を行っても、単年度で5億円の積上げ額を確保できます。
今回の決定は、団長間の協議において、単に予算を維持・継続するだけでなく、財政的な裏付けに基づいた現実的な検討を経てなされたものです。
■“子どもたちのため”をまんなかに
新年度予算の状況を踏まえ、財政的な余力や裏付けが確認されたもとで、議会最終版ギリギリの調整により今回の議論が進んでいきました。
今回の補正予算は、通常であれば新年度予算が始まってから行われる追加補正を、開始前に決定するという異例の対応です。子どもたちの教育環境を守るために、会派を超えた一致点を見出すなかで実現にこぎつけたものです。
子どもたちの未来のために、より良い教育環境の実現に向けて、これからも取り組みます。