草加市が2024年度に進める防災力強化の取り組みについてまとめました。草加市議会2月定例会で佐藤憲和がおこなった予算質疑や代表質問の答弁などをまとめた内容です。
■松江周辺の排水力を増強
2023年に発生した台風2号でとくに被害が大きかった松江・栄町地区にある松江第4排水場・排水ポンプが増強されます。議会で質疑したところ、同排水ポンプの能力を毎秒0.165m3から0.4m3に増強するとのことです。プールで例えると、排水量が現状の1時間あたりプール1.6杯分から、4杯分に向上します。また、新田地区にある”一の橋放水路”沿いにポンプを新設する予定です。
■応急給水栓を花中・花栗南小に整備
草加市では、大きな地震などが起きた場合でもいち早く水道本管から給水することができる応急給水栓を、避難所となる小中学校に整備しています。2024年度は花栗中学校と花栗南小学校に応急給水栓を整備する予定です。残りは新田小学校と稲荷小学校の2校で、ようやく市内全小中学校への整備完了が見えてきました。
■浸水センサーを道路等に設置
リアルタイムに浸水状況を把握する仕組みの構築に向けて浸水センサーを設置します。設置場所は、台風2号で浸水被害の大きかった松江や瀬崎、稲荷地域を中心に市内 43 カ所のガードレー支柱などに93台の浸水センサーを設置する予定とのことです。
この事業は、国土交通省による浸水センサー実証実験を活用したものです。草加市によると、初年度の設置費用や初年度のランニングコストはすべて国が負担し、草加市の費用負担かからないとのことです。国の制度を市職員が上手に活用した取り組みです。ただし、2025年度以降は、通信費などのランニングコスト(年約54万円)や3年ごとのセンサー交換(約36 万円)といった費用が草加市の負担として生じてきます。
■備蓄食料を拡充
市内避難所の備蓄倉庫に保管する備蓄食料について、避難者の健康を保つための栄養バランスを考慮した副食を追加で配備されます。
■受援計画を策定
草加市が被災した際、効果的かつ実効性の高い受援体制を確立できるよう、具体的な応援要請や受入体制等を定めた受援計画が策定されます。
■災害医療体制の構築
草加市では現在、災害関連死ゼロを目指した災害医療体制の構築に向けた取り組みが進められています。草加市によると、草加市立病院や草加保健所、医師会などの関係機関によって避難所の環境整備や福祉避難所の整備、医療救護所体制の構築などについて検討を進めるワーキンググループが立ち上がったとのことで、2024年度はそれぞれの課題の解決に向けた具体的な検討が進められる予定です。
能登半島地震から得た教訓を市の防災に…
草加市議会2月定例会の代表質問で、1月に発生した能登半島地震から草加市としてどのような教訓を得たのか確認しました。質問に対し山川百合子草加市長は以下の認識を示しました。
- 家屋の倒壊による被害を最小限とするため、改めて市民の皆様に対しまして建築物の耐震化について随時啓発していく必要がある。
- お亡くなりになった方のうち15 人が災害関連死とされ、助かった命を守るための取り組みを進めていく必要があることについても思いを強くした。
- 発災後の速やかな情報収集体制の確立やトイレの確保、避難所環境の更なる整備など、多くの災害対策を推進していく必要があるものと改めて認識した。
能登半島地震の被災地支援にあたられた草加市危機管理課や上下水道部などの職員の経験も踏まえ、さらなる防災力の強化に期待です。