いつでもどこでもおしっこが漏れてしまう
尿漏れのおチヨ
不眠症で精神安定剤を飲み過ぎては入院する
バランスのおシマ
所構わず着物のスソをまくって
太ももにインスリン注射を打つ
インスリンのおタツ
嫁姑問題に悩む骨肉のおトミ
そして大腸癌の後遺症でトイレ通いが頻繁な
我が姑、かわやのおヨシ
義母ヨシコの年寄りの友達、略してヨリトモは
以上の5名で構成されている。
平均年齢81才の彼女らは
この数年、月に1~2回、集まっては
食事やお茶を楽しんでいた。
しかし昨年、尿漏れのおチヨが脱落。
集まりの計画には楽しく参加するのだが
当日迎えに行くと
「どうしても家から出る気になれない」
という理由で断るのを繰り返す。
「そんなことじゃ、本当にダメになっちゃうよ!」
友情に厚いバランスのおシマは
一度、無理に連れ出した。
行けば行ったで楽しく過ごしたその帰り。
おシマの車から降りた途端
おチヨは玄関の前で転んで病院送りとなった。
よその老人を連れ出す恐ろしさを思い知ったおシマは
おチヨを誘わなくなった。
おチヨもまた、外出が恐ろしくなって
引きこもるようになり、認知症の進行いちじるしい。
友情がアダとなり、トドメを刺したというところ。
インスリンのおタツも災難続き。
昨年の始めから二度骨折した。
動けないので糖尿病が悪化し、今度はそっちで入退院。
そこへ20年前に他界したご主人の弟夫婦が
おタツの住む家の権利を主張し始めた。
ご主人が亡くなった時
相続をきちんとしていなかったのが原因。
現在、抗争中である。
骨肉のおトミは、昨年ご主人が亡くなった。
うちのヨシコは通夜に参列したが
葬儀の朝、低血糖で倒れたので
私が名代として骨折中のおタツを連れて参列。
葬儀で美人の嫁は、おトミの手を取り
東京だよおっかさん状態でしずしずと歩く。
パッと見は仲が良さそうな感じ。
舅がいなくなったら家族の関係が変わるかも‥
などと思っていたが、甘かった。
おトミが言うには、あれは嫁の芝居で
ご主人の死後、骨肉はさらにひどくなったらしい。
この骨肉、実家べったりでハイミスの
おトミの娘が原因なのは、はっきりしている。
しかし愛する娘を切って
息子一家に迎合する気はおトミには無い。
ご主人が生きていた頃はまだ強気で
夫婦が娘を守っているつもりだった。
が、娘と2人になると
骨肉暮らしがこたえるようになったという。
もうじき、おトミのご主人の一周忌がやってくる。
法要後の会食は、駅前のホテルでやるつもりだった。
おトミの娘は父親の死後、そのホテルへ就職し
予約係をしている。
父親の通院の運転をするという名目で
給料をもらっていたのが、出なくなったからだ。
無職歴30年を経ても就職できたのは
小柄な美人だからと察する。
うちの義父アツシの一周忌も
働き始めて日の浅いおトミの娘のために
そこでやった。
が、先日、衝撃の事実が発覚。
嫁が早々と別のホテルを予約していたのだった。
それを息子から言い渡された時
おトミ母娘の嘆きはすさまじかった。
「ヨシコさん一家もあなたに気を使って
うちでやってくれたのに
あなたの家がよそでやるってどういうこと?」
娘は上司に言われ、情けない思いをしたという。
私は嫁のカシコさにうなった。
長年、自分を苦しめた小姑に恥をかかせ
娘をかばい続けた姑に打撃を与えるには
千載一遇のチャンスであり、かつ労働量の少ない
非常に合理的な行動である。
私にはとても無理だ。
頭がそこまで働かない。
骨肉を行う根性も無い。
あ、骨と肉ならたっぷりある。
尿漏れのおチヨ
不眠症で精神安定剤を飲み過ぎては入院する
バランスのおシマ
所構わず着物のスソをまくって
太ももにインスリン注射を打つ
インスリンのおタツ
嫁姑問題に悩む骨肉のおトミ
そして大腸癌の後遺症でトイレ通いが頻繁な
我が姑、かわやのおヨシ
義母ヨシコの年寄りの友達、略してヨリトモは
以上の5名で構成されている。
平均年齢81才の彼女らは
この数年、月に1~2回、集まっては
食事やお茶を楽しんでいた。
しかし昨年、尿漏れのおチヨが脱落。
集まりの計画には楽しく参加するのだが
当日迎えに行くと
「どうしても家から出る気になれない」
という理由で断るのを繰り返す。
「そんなことじゃ、本当にダメになっちゃうよ!」
友情に厚いバランスのおシマは
一度、無理に連れ出した。
行けば行ったで楽しく過ごしたその帰り。
おシマの車から降りた途端
おチヨは玄関の前で転んで病院送りとなった。
よその老人を連れ出す恐ろしさを思い知ったおシマは
おチヨを誘わなくなった。
おチヨもまた、外出が恐ろしくなって
引きこもるようになり、認知症の進行いちじるしい。
友情がアダとなり、トドメを刺したというところ。
インスリンのおタツも災難続き。
昨年の始めから二度骨折した。
動けないので糖尿病が悪化し、今度はそっちで入退院。
そこへ20年前に他界したご主人の弟夫婦が
おタツの住む家の権利を主張し始めた。
ご主人が亡くなった時
相続をきちんとしていなかったのが原因。
現在、抗争中である。
骨肉のおトミは、昨年ご主人が亡くなった。
うちのヨシコは通夜に参列したが
葬儀の朝、低血糖で倒れたので
私が名代として骨折中のおタツを連れて参列。
葬儀で美人の嫁は、おトミの手を取り
東京だよおっかさん状態でしずしずと歩く。
パッと見は仲が良さそうな感じ。
舅がいなくなったら家族の関係が変わるかも‥
などと思っていたが、甘かった。
おトミが言うには、あれは嫁の芝居で
ご主人の死後、骨肉はさらにひどくなったらしい。
この骨肉、実家べったりでハイミスの
おトミの娘が原因なのは、はっきりしている。
しかし愛する娘を切って
息子一家に迎合する気はおトミには無い。
ご主人が生きていた頃はまだ強気で
夫婦が娘を守っているつもりだった。
が、娘と2人になると
骨肉暮らしがこたえるようになったという。
もうじき、おトミのご主人の一周忌がやってくる。
法要後の会食は、駅前のホテルでやるつもりだった。
おトミの娘は父親の死後、そのホテルへ就職し
予約係をしている。
父親の通院の運転をするという名目で
給料をもらっていたのが、出なくなったからだ。
無職歴30年を経ても就職できたのは
小柄な美人だからと察する。
うちの義父アツシの一周忌も
働き始めて日の浅いおトミの娘のために
そこでやった。
が、先日、衝撃の事実が発覚。
嫁が早々と別のホテルを予約していたのだった。
それを息子から言い渡された時
おトミ母娘の嘆きはすさまじかった。
「ヨシコさん一家もあなたに気を使って
うちでやってくれたのに
あなたの家がよそでやるってどういうこと?」
娘は上司に言われ、情けない思いをしたという。
私は嫁のカシコさにうなった。
長年、自分を苦しめた小姑に恥をかかせ
娘をかばい続けた姑に打撃を与えるには
千載一遇のチャンスであり、かつ労働量の少ない
非常に合理的な行動である。
私にはとても無理だ。
頭がそこまで働かない。
骨肉を行う根性も無い。
あ、骨と肉ならたっぷりある。