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手抜き料理・こんにゃく&焼き豆腐

2018年06月27日 14時26分55秒 | 手抜き料理
コメント欄で、すみ子はんからお題をいただいた。

「こんにゃくと焼き豆腐の美味しい煮方」。


こだわりというのをあまり持たない私だが

こんにゃくに関しては、ちょっとうるさい。

どううるさいかというと、地元に暮らす一つ年上の男子

「こんにゃく屋のてっちゃん」が作るこんにゃくしか買わないのだ。


てっちゃんは中学、高校と野球部のキャッチャー。

大人びた物静かな少年で、彫りの深いイケメンだった。

余談になるが、中学で彼とバッテリーを組んでいたのが

その昔、私に交際を申し込んで苦しめたゴリラ男子。

その子は教師になった。


ともあれ歳月は巡り、てっちゃんはサラリーマンを経て

こんにゃく屋を継いだ。

さらに歳月は巡り、いつの間にか、うちの夫と仲良しになっていた。

てっちゃんの作るこんにゃくを買うのは、ほぼ使命のようなもの。


このてっちゃんのこんにゃくが、うまい。

なぜなら、昔ながらのこんにゃくだから。

黒くて、柔らかくて、煮ると外壁が白く変色するこんにゃく。

伝統を受け継いだというより、いい加減でテキトーで

力の抜けた昭和のこんにゃく。

数年前、てっちゃんのこんにゃくに切り替えてから

我が家のこんにゃく料理は明らかにおいしくなった。


市販のこんにゃくは、大きく三種類に分けられる。

まず「山奥村産の蒟蒻芋を使った手作りの自然派で〜す!」のタイプ。

淡い灰色で、硬くて、値段は割高だ。

そのまま茹でて食べると、こんにゃく好きにはいいかもしれないが

料理に使うと味がしみにくく、煮てもコリコリと硬い。

本人に、いや本こんにゃくに

料理と一体化して盛り上げようという謙虚さが無いので

ボケた味に仕上がる。


次に「怪しいで〜す!でも安いで〜す!」のタイプ。

安くするために、こんにゃくの材料を充填してから固めるらしく

袋から出すと、こんにゃくが袋の形になっている。

妙につるんつるんで、生のまま切ろうとすると

滑って切りにくいのが特徴。

はしたないほどの弾力と、味の素っ気なさでは

他に並ぶ者とて見当たらない。


そして、てっちゃんが作るような古風な製法を守っているタイプ。

袋の中に少量の水が入っていて、こんにゃくの形はしっかり長方形。

昭和のこんにゃくは、煮物で本領を発揮するように作られているため

柔らかくて口触りが良く、味がよくしみる。


つまるところ、こんにゃく料理の良し悪しは

こんにゃく選びに尽きる言っても過言ではない。

あなたの町でも、てっちゃんの店のようなこんにゃくが

見つかることを祈っている。


また前置きが長くなってしまった。

こんにゃく料理といっても、誰でも知ってる煮物や

手間のかかる白和えなどを除くとレパートリーはあんまり無いのよ。


『こんにゃくの七味炒め』

①下ゆでしたこんにゃくの裏表に網目状の切り込みを入れ

3センチ角に切る。

②こんにゃくをごま油で軽く炒め

少量の砂糖と醤油を入れて水分を飛ばす。

③から炒りの状態になったら七味をふりかけ、火を止める。

以上。


もう一品欲しい時や、お弁当のおかずの一つに

短時間でできるので便利。

先に牛、豚、鶏のどれかを炒めて取りのけておき

同じフライパンでこんにゃくを炒めた後

肉を合わせて煮詰めると、ちょっと豪勢になる。

肉と一緒に白ネギやピーマンを炒めたり

仕上げにネギをふりかけてもおいしい。


『牛スジこんにゃく』

①下ゆでして3センチ角に切ったこんにゃくと

牛スジを柔らかくなるまでひたすら煮込む。

②柔らかくなったら、3センチ角に切った大根を入れ

酒、砂糖、醤油で薄めに味付けし

隠し味として、大さじ1杯程度の味噌を入れて再び煮込む。

③大根が柔らかくなり、ダシが煮詰まったら火を止め

フタをして数時間放置。

以上。


これは冬向きの料理だが、牛スジよりこんにゃくがおいしいので

紹介させていただいた。

大根は、牛スジを柔らかくするための酵素担当として利用するが

「野菜も入っている」という安心感は大きい。

大根は煮過ぎると崩れるので遅れて投入し

ほどほどの柔らかさになったら煮込むのを止めるのがコツ。


隠し味の味噌は、味噌汁に使う普通の味噌でいい。

味噌も牛スジを柔らかくする酵素担当だが、入れるとコクが増す。

食べる時、ネギや七味をかけると

味付けや仕上がりはどうあれ、とりあえず居酒屋風を装える。


牛スジから出る脂が気になる人は、一晩冷蔵庫に放置して

翌日、上に白く固まった脂をはがして取り除くといい。

牛スジでなく、アキレスを使ってもおいしい。



『味噌田楽』

①下ゆでしたこんにゃくを薄い三角形に切って、鍋に入れる。

②ダシをひたひたに入れ、煮えてきたら酒と砂糖を入れてさらに煮る。

③ダシが半分ぐらいになってきたら

好みの味噌を味噌汁より少し多めに溶き入れ、再び煮詰める。

④味噌を入れたダシがトロトロになってきたら火を止める。

以上。


通常は田楽といえば、こんにゃくに甘味噌を塗ったものだが

こうして煮ても、田楽と言い張れば田楽になる。

仕上げに柚子胡椒を入れたり、ぶつ切りの白ネギを一緒に煮てもおいしい。



次は焼き豆腐だが、私の住む地方では

すき焼きに入れる特別な豆腐という認識で

あまりポピュラーな食品ではない。

病院のメニューで唯一、焼き豆腐が登場するのは肉豆腐。


『肉豆腐』

①牛肉、玉ねぎ、白ネギ、糸こんにゃくを少量の油で炒め

酒、砂糖、醤油を加えてすき焼きのように煮る。

②煮えたら焼き豆腐と、5センチほどに切った青ネギを入れて少し煮る。

以上。


焼き豆腐は他にも、味噌を塗って焼いた豆腐田楽や

煮物の登場人物の一人として、豆腐や厚揚げの代わりに使うと

崩れにくい特徴が生きる。

また、先のこんにゃく料理で紹介した牛スジ煮込みや

味噌田楽に加えてもおいしいと思う。
コメント (4)
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