
隣組の組長の任期を終えて、この3月末で、はや1年になる。
次の役員の人達も、つつがなく仕事をこなしている。
とても平和な日々だ。
この最終平和が、どのようしてもたらされたかを書き留めておこうと思う。
あれは、長引く残暑に草木も人も、じっと耐えていた頃の夕暮れであった。
けたたましいサイレンを鳴らして、パトカーが2台、近くへ停まった。
物見高い私のことである。
ちょうど、両親の家に行こうと外へ出た時だったので
走って見に行ったのは言うまでもない。
そこで私の目に飛び込んだのは…
日本刀を持った、見知らぬ男であった。
40代半ば、がっしりした体つきのおっさんだ。
刀は抜いてない。
最初は木刀と思ったのだが、先が細くなっておらず
手元に黒っぽいツバもついていて、白木のサヤに収まっていた。
真剣ではなく、みやげ物に毛が生えた程度のしろものだと察する。
そして、そのそばにいるのは…Sじじい。
休めの姿勢で平静を装い、しきりに日本刀男を説得しているが
その足元は裸足であった。
男に追いかけられ、裸足で外へ逃げて来たのだ。
そこへ警官が数人、忍び寄る。
サスマタも持ってる。
サスマタは、悪い人を壁際に追い込んで、ウエストあたりを押さえつけ
身動きできなくする器具だ。
持ち方は、虫取りの網を持つ感じ。
初めてちゃんと見た。
感動。
何年か前、組員が覚醒剤で暴れ出した場面に出くわしたことがあった。
その時、警官が持っていたのは警棒であった。
いまどきの警棒は、コンパクトになっていて
必要時には、シャーッと3倍ぐらいに伸びる。
それを目撃した時以来の感動である。
日本刀男は、すでにおとなしくなっており
サスマタを使用されることなく、パトカーで連行されてしまった。
ちょっと残念。
使うところを見てみたかった。
男も男だ。
せっかく刀を持っているのに、バッサリやらないなんて。
どうしてこんなことになっちゃったのか…
物見高い私としては、ぜひとも知りたいところよ。
「許せん、謝れ!って叫んでたわよ…」
「Sじじいのほうは、泣きそうな顔して
そんなつもりで言ったんじゃない~!とか言ってたよ…」
いくつかの証言を総合すると、酒の上での口喧嘩が元らしい。
怒った男は、後日あらためて日本刀を持参の上
Sじじいの家を訪問したのだった。
Sじじい、以前はよく、暴力を振るう息子から逃れるために
外をウロウロしていた。
その息子もいつの間にかいなくなり、自宅で酒盛りをするようになったのだ。
今や近所の者は、誰も寄りつかないので
その男とつるむようになったと思われる。
酒が好きで、子供の頃はパシリだったであろうその男…
いかにもSじじいと同類の雰囲気である。
口喧嘩はいつも、双方の食い違いから始まるけど
本格的な喧嘩に発展してしまうのは、どっちも似たようなもんだからだ。
夜になって、こっそり交番へ見に行った。
事件から3時間も経つのに、本署へ行かずにしぼられている。
刀がチャチなもんで、銃刀法違反にならなかったのか
説諭の上、釈放の路線らしい。
奧さんらしき女性が、きょとんとした表情で横に座っているのが
交番の窓から見える。
まるまると太って、赤いリボンのカチューシャをしている。
男よりかなり年下だが、娘には見えない。
嫁の来手が無くて、ずいぶん年を取ってから
ちょいと浮世離れした若いのをもらう。
Sじじいのところと同じケースだ。
どこまでも、似た者同士であった。
あれから数ヶ月、Sじじいの姿を見かけることもまれになった。
醜いものを目にしなくてすむのは、快適である。
この一件は「…らしい」の憶測が多いので、書かずに葬るつもりであった。
しかし、この正月。
日付が変わって、新年を迎えた12時過ぎのことである。
よせばいいのに、ふらりと近くのコンビニへ出かけた夫。
じっとしていられないタイプなのだ。
帰って来て、残念そうに言う。
「年が明けて、最初にSじじいに会ってしまった…」
入り口でバッタリ出くわし、無言ですれ違ったそうだ。
「考えることが同じだったのが、なさけない」
夫は、とても悔しそうであった。
向こうもそう思っているかもしれない。
そこが面白かったので、書いた。
次の役員の人達も、つつがなく仕事をこなしている。
とても平和な日々だ。
この最終平和が、どのようしてもたらされたかを書き留めておこうと思う。
あれは、長引く残暑に草木も人も、じっと耐えていた頃の夕暮れであった。
けたたましいサイレンを鳴らして、パトカーが2台、近くへ停まった。
物見高い私のことである。
ちょうど、両親の家に行こうと外へ出た時だったので
走って見に行ったのは言うまでもない。
そこで私の目に飛び込んだのは…
日本刀を持った、見知らぬ男であった。
40代半ば、がっしりした体つきのおっさんだ。
刀は抜いてない。
最初は木刀と思ったのだが、先が細くなっておらず
手元に黒っぽいツバもついていて、白木のサヤに収まっていた。
真剣ではなく、みやげ物に毛が生えた程度のしろものだと察する。
そして、そのそばにいるのは…Sじじい。
休めの姿勢で平静を装い、しきりに日本刀男を説得しているが
その足元は裸足であった。
男に追いかけられ、裸足で外へ逃げて来たのだ。
そこへ警官が数人、忍び寄る。
サスマタも持ってる。
サスマタは、悪い人を壁際に追い込んで、ウエストあたりを押さえつけ
身動きできなくする器具だ。
持ち方は、虫取りの網を持つ感じ。
初めてちゃんと見た。
感動。
何年か前、組員が覚醒剤で暴れ出した場面に出くわしたことがあった。
その時、警官が持っていたのは警棒であった。
いまどきの警棒は、コンパクトになっていて
必要時には、シャーッと3倍ぐらいに伸びる。
それを目撃した時以来の感動である。
日本刀男は、すでにおとなしくなっており
サスマタを使用されることなく、パトカーで連行されてしまった。
ちょっと残念。
使うところを見てみたかった。
男も男だ。
せっかく刀を持っているのに、バッサリやらないなんて。
どうしてこんなことになっちゃったのか…
物見高い私としては、ぜひとも知りたいところよ。
「許せん、謝れ!って叫んでたわよ…」
「Sじじいのほうは、泣きそうな顔して
そんなつもりで言ったんじゃない~!とか言ってたよ…」
いくつかの証言を総合すると、酒の上での口喧嘩が元らしい。
怒った男は、後日あらためて日本刀を持参の上
Sじじいの家を訪問したのだった。
Sじじい、以前はよく、暴力を振るう息子から逃れるために
外をウロウロしていた。
その息子もいつの間にかいなくなり、自宅で酒盛りをするようになったのだ。
今や近所の者は、誰も寄りつかないので
その男とつるむようになったと思われる。
酒が好きで、子供の頃はパシリだったであろうその男…
いかにもSじじいと同類の雰囲気である。
口喧嘩はいつも、双方の食い違いから始まるけど
本格的な喧嘩に発展してしまうのは、どっちも似たようなもんだからだ。
夜になって、こっそり交番へ見に行った。
事件から3時間も経つのに、本署へ行かずにしぼられている。
刀がチャチなもんで、銃刀法違反にならなかったのか
説諭の上、釈放の路線らしい。
奧さんらしき女性が、きょとんとした表情で横に座っているのが
交番の窓から見える。
まるまると太って、赤いリボンのカチューシャをしている。
男よりかなり年下だが、娘には見えない。
嫁の来手が無くて、ずいぶん年を取ってから
ちょいと浮世離れした若いのをもらう。
Sじじいのところと同じケースだ。
どこまでも、似た者同士であった。
あれから数ヶ月、Sじじいの姿を見かけることもまれになった。
醜いものを目にしなくてすむのは、快適である。
この一件は「…らしい」の憶測が多いので、書かずに葬るつもりであった。
しかし、この正月。
日付が変わって、新年を迎えた12時過ぎのことである。
よせばいいのに、ふらりと近くのコンビニへ出かけた夫。
じっとしていられないタイプなのだ。
帰って来て、残念そうに言う。
「年が明けて、最初にSじじいに会ってしまった…」
入り口でバッタリ出くわし、無言ですれ違ったそうだ。
「考えることが同じだったのが、なさけない」
夫は、とても悔しそうであった。
向こうもそう思っているかもしれない。
そこが面白かったので、書いた。
ウチはちゃんと
「娘が出産で入院中で 今日か?明日には孫も又生まれる・・・」って話をぽろっと
「あ!会社の人だけどね・・・」
って
自分の会社の社員をそう言う?
正月早々から 擬似家族?不要家族が増えるようです^^
自分の生殖能力が落ちると 世代交代するようです。
なんとも言えない雰囲気だったと思うわ。
ひどくがっかりしていました。
憎まれっ子は、しぶといですね。
長生きなさると思います。
めでたくもあり、めでたくもなし。
そうよ~!
どうしておめでとうとか、言えないかね~!
「その後、いかが?」ぐらい、言えないかね~(笑)
男って、不器用。
きっと野良犬のすれ違いみたいな光景だったと思います。
分かる気がします・・ご主人の気持ち(汗)
これって同姓同士ならではの感覚ですよね
俺をあいつとなんかと一緒にするな!
とか偉そうに言っても
考えてることと行動は”同じ穴のムジナ”だったりして
けっこう落ち込みます
女子同士でもあるんじゃないですかね(笑)
自己嫌悪に陥るみたいですね(笑)
女は、男みたいに、赤の他人に対して「絶対同類と思われたくない!」
と強く思うことが少ないので、ここまでは落ち込みませんが
同じことしたと最初から認めないかも。
「真似された」と言う(笑)
まな板の鯉になりますよ。
なんか気持ち悪くて朝トイレに入ったら便器の中が泡だらけで主人がトイレ洗浄中をしたんです。初めてのことだったんでビックリ
繭玉、ドラッグストアで見かけますね。
何のため?と思っていたけど、ニキビ跡が薄くなるんですね。
トイレ洗浄中(爆)
なんだかんだって、こまめな人ですね。
家に愛着が戻りつつあるのでしょう。
みりこんさんもし再婚しても今回のことは勉強になったから大丈夫だと思うんです。 発覚時は再婚なんてできないし無理だと思ってました。わたしがそれだけ成長出来たのかなぁ?
お金を入れてくれることは意味があることなんだとわかりました。
鏡開きですね。
その後の事を聞く事ってできないものなのですかね~男って(笑)
でも・・・私も快く思っていない相手だったら聞かないかな?
聞くかな?
私が元気だったら聞くかも~面白がって(笑)
私が元気じゃなかったら、相手が聞いて欲しいオーラを飛ばしても、気づかないふりするかも
やだ!私って基本的に自己中?
でも、本当に悩み真っただ中の時って、身も心も下向いてるから、興味本位でも、人の事気にかけたりしないですね
改めて思い返してしまった。
この男は、本当に斬りつける程の事では無く、おどしだったのでしょうけど
折角だったら さすまた で取り押さえられる位のパフォーマンスをしたほうが
カッコがついたのかも(笑)
取り押さえられてよ~
なんて武勇伝にできたかもね(笑)
Sじじいは必ず揉めるのに、仲間作りしたいのね。
一人で居られないのね。