曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

「火村英生の推理」第3話「准教授の身代金」の感想

2016-02-02 00:03:31 | テレビ・映画


炎を幻視する貴島朱美(山本美月)は火村シリーズの長編「朱色の研究」の登場人物だった。オレンジ色が怖いという人物である。読者なら第1話で気づくべきだった。いつか「朱色の研究」もやるのだろうか。あれも内容忘れてるので、いつでも来いという感じだ。

この第3話も原作を持っているのだが、まったく覚えていなかった。夫を殺して死体を隠したはずなのに、その夫を誘拐したという電話がかかってくる。なかなか面白そうな事件だが、元が短編なのであっさり片がつく。真正面から事件に取り組むのではなく、いつものように些細な犯人のミスを突く形で。事件の全貌を推理することはせず、犯人をゲロさせられれば詳細は犯人から聞く、みたいな。

有栖川有栖はフーダニット(犯人当て)の名手と言われている。長編では「読者への挑戦」を好んで挿入する自他共に認める本格派である。だが、短編はアイディア一発の小噺的な作品が多いのも事実。ドラマでは3連続で原作が短編、推理クイズ的な話が続いた。これでは原作を知らない人が誤解しそうだ。と思っていたら、次の第4話は長編「ダリの繭」らしい。あれを1時間でやれるのかどうか疑問だが。

それはともかく今回の事件。誘拐のほうの容疑者が西田尚美の上司?か被害者のマネージャーのアンジャッシュ児嶋しかおらず、途中から児島一択。犯人探しの興味はまったくなかった。児島の演技はまあ普通。動機が西田尚美に対する歪んだ恋情というのは児島に合ってるなとは思った。

火村とアリスのいちゃいちゃは台詞よりもしぐさだった。火村がアリスの頭をなでるシーンが多かった。アリスは意味のない動きをしたり、ぶりっ子(死語)炸裂だった。アリスは作者の分身だという考え方は捨てたほうがいいのだろう。

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