曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

「火村英生の推理」第6話「朱色の研究(前編)」の感想

2016-02-22 23:49:11 | テレビ・映画


第1話から引っ張ってきた朱美とオレンジ恐怖症の元ネタ、長編「朱色の研究」が、ついに登場。読んだし、まだ持ってるけど、内容は全く覚えていない。新鮮な気分で視聴した。

早朝、火村のアパートに怪しい声の電話がかかってきて、幽霊マンション「オランジュ橘」に行けと支持される。なぜかアリスも泊まっており、一緒に行く。

オランジュ橘の前で、特徴的な匂いがする男とすれ違う。806号室に行ってみると、同じ匂いがして、バスタブの中には死体がいた。第三舞台の大高洋夫だ。昔、「IQエンジン」という深夜番組でよく見た俳優である。あの時は探偵役だったような…。

オランジュ橘には、朱美(山本美月)のいとこが住んでいた。幽霊マンションにしては立派できれいな部屋だった。たぶんハウススタジオだろう。オランジュ橘の外観とはギャップがあり過ぎる。

朱美は両親を亡くしてから、叔父夫婦や従妹と住んでいたらしい。両親がいないんだから誰かが引き取らなきゃならないのだろうが、遠い親戚とはいえ年頃の娘(しかも美人)が一つ屋根の下にいたらいろいろあるんじゃないですかね。

マンション前ですれ違った男は、朱美の従兄弟の後輩だった。六人部(ムトベ)という名前が奇妙すぎるので、何かの暗示になっているのかも。

六人部は犯人(?)から呼び出されて現場で一夜を明かしていた。が、無実であるという。

火村は、六人部の殺害当夜の行動を実際に再現してみて、六人部が居たのは806ではなく、上の906号室だったことを証明する。

が、とりあえずは、「それがどうした」という感じだ。まだ犯人がしぼれたわけではない。六人部の容疑が多少薄れただけ。

黄昏岬のほうは関係者の話だけで済まして、今回も長編を1話に圧縮かと思いきや、そこで時間切れになった。続きは来週の後編へ。しかし、第6話が「前編」という表示はあったっけ?

特徴的なにおいは、正明の母、宗像真知が作った香水だそうだ。真知は調香師らしい。調香師というのは世間の認知度が低い職業だと思うが、有栖川有栖の読者ならよく知っている。最高傑作「双頭の悪魔」にバリバリ出てくるから。

そもそも最初の電話はなんだったんだろう。目的は火村の出動だろうが、彼が出動すると何かいいことがあるのか。事件を解決してほしいボイスチェンジャーで声を変えた朱美か?

原作はもうちょっと多かった気がするが、登場人物が少ない。容疑者はとりあえず、六人部、正明、真知、朱美しかいない。どれでもたいしたインパクトがないなあ。びっくりするような結末だとしたら、陽平(バスタブの死体)が何かうっかりして死んだとか、他殺に見せかけた自殺とかかなあ。

今回は、アリスがKYな発言をした火村をどついたりはたいたりするシーンが多かった。いたずらっ子というか、少年っぽくて、新しいアリス象を作ったというか、もう窪田アリスは「作家アリス」とは別物と考えたほうがよさそうだ。

読者諸兄には釈迦に説法だと思うが、「朱色の研究」というタイトルは、コナン・ドイルの「緋色の研究」を意識していると思われる。また、このドラマに多大な影響を与えている「SHERLOCK」には「ピンク色の研究」という話があった。SHERLOCKは、この原作より後だけど。

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