新型コロナ禍で飲食店の苦境が続く中、来月で創業30年目となる東近江市妙法寺町のフランス料理店「ぎんぎん」が、廃業の危機にある。
新たな収益源としてスイーツの通信販売に乗り出し、事業資金をクラウドファンディング(CF)で募ったところ、開始6時間で目標金額に到達。その後も支援の輪が広がっている。
店は小林恭さん(58)、利江子さん(58)夫妻が二人三脚で切り盛りし、地元の常連客らに支えられてきた。昨春の緊急事態宣言下ではランチとディナーを休止し、テークアウトの弁当販売を開始。それでも経営は立ち行かず、金融機関から多額の借り入れを行った。
新たな収益源としてスイーツの通信販売に乗り出し、事業資金をクラウドファンディング(CF)で募ったところ、開始6時間で目標金額に到達。その後も支援の輪が広がっている。
店は小林恭さん(58)、利江子さん(58)夫妻が二人三脚で切り盛りし、地元の常連客らに支えられてきた。昨春の緊急事態宣言下ではランチとディナーを休止し、テークアウトの弁当販売を開始。それでも経営は立ち行かず、金融機関から多額の借り入れを行った。
↑写真:中日新聞より
売り上げは昨年7月、前年とほぼ同水準まで戻ったが、2カ月後には再び落ち込み、返済のめども立たなくなった。経営をカバーするため、スイーツの通販を模索していたころ、2人で東近江市内の寺に座禅体験に行った。住職のたてた抹茶を口にし「これしかないと思った」。
穏やかな気分になる味わいに感銘を受け、店でクリスマスに出しているフランス発祥のスイーツ「クリームブリュレ」に抹茶を取り入れることをひらめいた。
滋賀県内の他の事業者の助けになればと、ブリュレの材料は地元産が中心。甲賀市土山町産の抹茶の粉末に県内産の卵黄と牛乳を合わせた生地を焼き上げた。
表面には本場フランス産のサトウキビ糖をまぶして火であぶり、パリパリとした食感に仕上げ、店名にあやかって銀粉を飾り付けた。友人ら約50人に試食してもらい、改良を重ねた力作だ。
通販サイトや取り扱う商品を拡大する費用を賄おうと、8月12日にはクラウドファンディング(CF)も始めた。
店では初めての試み。「一人も集まらなかったらどうしよう」。そう思うと夜も眠れなかったが、開始からわずか6時間後には目標金額の35万円を達成した。寄付した人からは応援のメッセージも相次いだ。小林さんは「皆さんから愛されているんだと実感でき、ますます店を続けないとと思えた」と目を潤ませる。返礼品の一つにしたブリュレの6個セットは、用意した数を満たした。
滋賀県のまん延防止等重点措置の対象入りで、店も20時までの時短営業と酒類提供停止の要請に従っており、回復の兆しは見通せない。東近江市内では店を畳んだり、新たな借り入れを断られたりする経営者仲間の声も耳にするようになった。
「商売は牛のよだれ」。かつて和食店を営んでいた父の言葉がふと頭に浮かぶ。「廃業を余儀なくされた仲間の悔しさも分かっているつもり。僕はレストランが好き。牛のよだれのように細く長く、店を続けさせて欲しい」。
CFの目標金額を100万円に上げ、9月末まで専用サイト「キャンプファイヤー」で募っている。返礼品は店で使える食事券やワインのセット券、オリジナルTシャツなどもある。ブリュレは店のホームページからも購入可。
「キャンプファイヤー」
https://camp-fire.jp/projects/view/457202?utm_source=cf_widget&utm_medium=widget&utm_campaign=widget
問い合わせ: フランス料理「ぎんぎん」
東近江市妙法寺町875−1 アーバン リバティ 1F
0748(22)7856
https://gin2.jp/
<中日新聞より>
「キャンプファイヤー」
https://camp-fire.jp/projects/view/457202?utm_source=cf_widget&utm_medium=widget&utm_campaign=widget
問い合わせ: フランス料理「ぎんぎん」
東近江市妙法寺町875−1 アーバン リバティ 1F
0748(22)7856
https://gin2.jp/
<中日新聞より>