ソフトバンクは、早期から商湯科技に投資している。商湯科技は創業5年目となる2018年9月、日本のソフトバンクグループのファンドである軟銀中国(ソフトバンク・チャイナ、SBCVC)から10億米ドルの投資を受け、AI企業として世界最高の評価額60億米ドルに達した。ほかに投資したのはアリババ集団、シンガポール財務省100%出資の投資会社・テマセク(Temasek)など。
見せ金投資だったのか?
(ブルームバーグ): ドイツのオンライン決済会社ワイヤーカードの会計問題は、投資したソフトバンクグループとの複雑な関係にも疑問を投げかけている。
ソフトバンクGは2019年4月、ワイヤーカードの転換社債を約9億ユーロ(約1100億円)で取得することで合意。ただ複雑な取引を通じ、持ち分は削減された。今月にはワイヤーカードの監査役会メンバーにソフトバンクGの投資部門幹部を近く指名する公算が大きいことが明らかになった。
ソフトバンクGは最終的に、自己資金は投入しなかった。代わりに社員やアブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラが資金を拠出し、仕組債を使って持ち分を売却した。
ワイヤーカードは18日、監査法人が約19億ユーロ(約2300億円)の現金残高について証明が取れなかったとして、年次の決算報告書の発表を再び延期した。延期は4回目。
M&Aアドバイザリー業務を手掛けるカチタスの平井宏治社長は「そのような会社への投資を引き受けたこと自体、デューデリジェンス(資産査定)が甘い」と批判。孫正義社長は一連の失敗を「来週の株主総会できちんと説明する必要がある」と話した。
ユナイテッド・ファースト・パートナーズのアジア調査責任者、ジャスティン・タン氏は「取引の全てが教科書通りの企業統治ではない」と指摘した。
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