公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

純心トラップというものがある

2020-08-19 07:43:00 | 社内規定
ハニートラップに擬えるならば、純心トラップとでも名付けるべきものがある。社会の裏や歴史の影で知り得なかったことを目の前で見せられてすっかり知らなかった罪悪感を感じたり、秘密を共有することで自分と同じ仲間だと思わせてしまう。
若人は仕掛けがあることに気おつけよう。罠だったことに気づいた時に後戻りできる退路を失わないように。



この人の講演はまだ全く無名の頃、山川の代役ということで聴いた。国際情勢知らないことばかりだった。
高野とは高野孟のこと
福島 二十歳か。高野は十九年三月生まれだから、俺よりも若いんだよな。
高野 それが大きな転機ですね。もう一つ衝撃的だったのは、その旅の途上で上海の人民公社の村を訪ねた時のこと。案内に出てきた老いた農夫が片腕のない人 で、僕は何の気なしに、後で考えたら無神経極まりないことだったけれども、「その腕は、失礼ですけど、事故か何かで?」と聞いた。彼はニコニコしながら淡 々と「ああ、これですか」という感じで、恐ろしいことを口にした。「かつて日本軍がこの村にやって来て、私の妻も娘も目の前で犯されて殺されました。私が 抵抗すると、刀で斬りつけられて腕が付け根からなくなりました」と。僕は立っていられないほどショックを受けて、「ど、どうもすいません。それは日本人と して恥ずかしいことで…」というふうなしどろもどろのことを言うのがやっとだった。すると、彼はまたニコニコして、「いや、日本の人民もまた、日本帝国主 義の被害者です。再びこういうことが起こらないように日本と中国の人民は連帯してアジアの平和のために闘わなければなりません」と。
 それは、用意された模範解答だったのかもしれない。しかし僕にはそれがなおさらショックだった。








コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もっとも穏やかに表現しても... | トップ | この刺客は二階に登るだろう »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。