公開メモ DXM 1977 ヒストリエ

切り取りダイジェストは再掲。新記事はたまに再開。裏表紙書きは過去記事の余白リサイクル。

狼人間の森 「近代化と世間」阿部謹也著

2015-05-19 21:48:00 | 今読んでる本

キリスト教以前の西欧の森(今も映画の素材)は二つの宇宙をつなぐ舞台装置だった。
『中世の人間にとってこのような異人ほど恐ろしい存在はなかった。この恐れが人間狼伝承の中に伝えられ、中世後期となると多様に変形し、異分子差別の原型ともなってゆくのである。』

元来、処刑人は地位の高いものの仕事だったが、民衆が恐れるあまり、やがて差別される仕事になる。同じようなことが日本の世間にもある。山田浅右衛門のような異能の人々が差別される。異能といっても処刑人とは限らない。製鉄とか芸能といった特殊な技術系の技能のことである。彼らは世間から独立した生計の秘密や秘伝を守るために隠れてしまう。

A hidden two-worldism is rampant in the world where the common sense of the race deserves to be discarded by reading heresy as a species different from the human race. The world calls it globalism.

東西に共通して、世間とは安定を選ぶシステムで歴史の中に根強い継承を求めるので、継承しがたいものは別世界に排除する。もう一つの捨てる世界を持つという発想が現代に継承されているのがテロリズムだ。他方で凡庸の強制というポストモダニズムが現代世間の特徴でもある。テロリズムとポストモダニズムは隠された二世界主義が表裏一体で現代世間を醸していることの帰結なのだろうと思います。そうは言っても、これは人間の研究のための一つの仮説に過ぎませんが。

このことは学校がひとつの世間再生産機関であると考えれば、よく理解できるだろう。学校は勉強を通じて現代世間を生徒に強制している。学校の教師は中世の狼伝説の語りべと同じ再生産の指導者である。在りもしない世界を在るとおもいこませること(ポストモダニズム)で都合よく良い子を育てるのが教師の使命である。勉強は二次的大義名分にすぎない、信じてもいない大義名分を旗印にする(テロリズム)。それ故、教師は今も昔も方便的嘘を教えている。本当の歴史や科学は入り組んでいて、難しすぎる。だから江戸時代は国民の93パーセントが農民と教えている。電子は点のような実体と教えている。真実は隠された二世界主義の宿敵なのです。だから学校はもういらない。嘘と思うのなら教育がテロリストを供給している事実を知ることから探してみてはいかがだろうか。

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