技術よりも経済に関わる

「起業家精神とは体系的な作業であり、イノベーションとは技術よりも経済に関わることである。」

どちらにも技術は”必ずしも”関係しないということか。
ドラッカーは技術オタクが嫌いなんだろうな。

技術系ベンチャーという起業はよほど体系的な見通し（発見～最適化～開発～マーケティング～量産～発売）があらかじめ描けていなければ最初の発見に投資できない事業である場合が多い。大学発ベンチャー（特に技術系や創薬）がもてはやされたのは、発見と最適化が終わっていて、許認可さえ取れればマーケットが受け入れてくれるような独壇場を想定していた。小さな投資（最適化～量産）段階に資金をいれることによって帰ってくる事業の収益比が大きいと想定された。

しかし、実際には大学発ベンチャーは死屍累々である。

いつまでもライブドアが原因で新興市場の信頼が失われたなどといってられない。第一世代の大学発ベンチャーもそろそろ売上で結果を示さなければならない時が来ている。これまでのように開発協力金を売上に組み入れるようなやり方は通用しない。

結果を見ればドラッカー先生の予見のとおり、「起業家精神とは体系的な作業であり、イノベーションとは技術よりも経済に関わることである。」あり、単価と顧客機会がどういう速度で回転するか、利益はどのくらいかという計算に載らないビジネスはスタートするべきではない。