図の右端に見える通り、小売販売業の売り上げは回復している。しかしその中身には肝心の自動車が薄い。豊かさのモデルが見えない。賃金が保証されている賃金固着階層(公務員、正規長期就職者)にとってデフレは福音である。雇用機会を失う可能性の高い賃金可変階層(派遣社員、高収入機会転職者)にとってはデフレは機会を失い続ける疫病である。福音と疫病が混在する経済状況下で日本人の未来は疫病から逃れた者たちの支配によって変則的経済になりつつある。景気回復があっても富裕層にも貧困層にも消費動機が回らない。富裕層はペストを逃れて山荘に引きこもりデカメロンの(1348年に大流行したペストから逃れるために邸宅に引きこもった男3人、女7人の10人が退屈しのぎの話をするという趣向の10日間)日々さながら経済の疫病デフレに無関心である。
どうすれば正則経済に戻せるか?豊かさのモデルを取り戻せるか?重要なモメンタムは団塊世代の残遺資産である。1946ー48年生まれは男の余命78歳に至る2024年から女の余命88歳が寿命に至る2036年に吐き出す残遺資産を税金として吸い上げれば二度と賃金可変階層に経済は循環してこない。豊かさのモデルは資産循環として世代間の継承による《豊かさリレー》を利用しない手はない。幸い団塊世代の建てた家の寿命は35年程度だから既に廃屋の危機にある。小売だけでは社会の明るさは出てこない。建築と自動車は経済モデルの基本である。つまりこのモメンタムは蓄電住宅と電気自動車のイノベーションに鍵がある。サービス面も従量料金が当たり前の電力小売販売に個人向けバルク蓄電販売を格安で余剰発電を回して解禁するならば、大容量の蓄電器が競って必需品となり新たな民生品需要を産み出す。こうして日本の未来は明るくなる。有らん限りの民度を出し切るのなら、戦争しかないが、疫病逃れの隔離社会の人々の諦念に騙されないように国民は先手先手で知恵を出して行くべき、日本経済再生の最期のタイミングが来ている。
ガイシ
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12月29日 15:00 JST -