姫野カオルコさんの小説「彼女は頭が悪いから」を読みました。2016年に起きた東大生と東大大学院生5人による女子大生1人に対して集団で強制わいせつ行為をした事件に着想を得て書かれた小説です。このタイトル「彼女は頭が悪いから」はのちに逮捕された被告人の1人が公判で述べた言葉だったそうです。姫野カオルコさんはこの事件の裁判の傍聴を何度かし、かなり綿密に調べた上でフィクションとして小説にしたそうですが、実際の事件を題材に書くことはかなり大変だったそうです。読後、私もすごく感じるところがあり、多くの人に読んでほしいと思いました。もちろん、東大卒、医学部卒などのいわゆる社会的エリートたちがこの5人のように人の心を慮ることができない、自分たちより頭が悪い人を見下す人格欠陥者ではないと思いますが、この本を読み、どう感じるか、興味深く思います。この事件の後、被害者が男の部屋へノコノコついて行ったのが悪いとか、将来有望な男の人生に傷をつけたとか、非難するコメントが多くネットに上がったという事実にも驚きました。匿名の投稿で無責任無配慮なことを言う人もいるのですよね。姫野さんを招き、この本についてのシンポジウムが東大で開かれ、筆者は胃薬を飲んで臨まれたそうです。「彼女は頭が悪いから」は2019年、第32回柴田錬三郎賞受賞作です。
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