ギタリスト岡本博文 生徒諸君!

プロギタリストのリアルな経験談、本音を語って行きたいと思います。

吹奏楽にアドリブ指導をしてきた

2022-10-02 03:41:41 | Weblog
昨日は、京都御所東側にある鴨沂高等学校の吹奏楽部に「吹奏楽部にアドリブを」と言うコンセプトで、アドリブの体験とレッスンに行ってきた。
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高校生たち。大変楽しんでもらったようで一安心。
普段から教育的効果の高いセッション大会に腐心してきた成果が出たかも。
楽器の初心者でも熟練者でも楽しめて、必ず一定の効果が出るやり方をこの2年模索してきましたから、率直に嬉しい。

同志社大学軽音OBの同級生、圓城氏のサックスによるデモ演奏も「その場で、あれだけ出来るんだ!」とグッと目を見張る瞬間を感じて嬉しかった。具体的で身近なお手本は必要です。

彼は、京都市内でアマチュアのジャズを定期的に開催しているのです。
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今回は、生まれて初めて吹奏楽の編曲をした。2曲。
初めて生で彼らが、僕のスコアを演奏して、ちゃんと思ったサウンドが出ていて、バンドを「鳴らす」ことが出来ているのが確認出来て、何よりまず、それが嬉しかった。顧問の堀打先生にも「いや。ちゃんと鳴ってますよ!」とお褒めいただいて、本当に一安心です。

高校生にアドリブを教えるにあたり、それに相応しい曲やアレンジも必要だと思いました。
だから、フラッグシップ曲とテーマソングを作曲してみたんです。
一つは、コンクール金賞を狙える難易度の高くコンセプトも高級なもの。
もう一つは、もっとポップで本気なもの。

でももう、出来て浮かれていることから、先に行かなくちゃ、ですね。
それも感じました。
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さて、本題。

吹奏楽部は、転機に来ています。
文化系クラブ活動の花形だった吹奏楽部も、少子化やさまざまなエンターテイメントの多様化で、男子の入部者が少なくなり軽音楽部に押され気味。地方では廃部の危機があるクラブもあるようです。

吹奏楽部は、ティーンエイジの音楽教育の根幹を支えてきていて、特にクラシック教育として、管楽器奏者の育成を大きく支えてきた。ポピュラー系のミュージシャンも吹奏楽出身者が多いのです。幼い頃から、ピアノやバイオリンを習ってこれなかった子供たちも、自分が望めば、アンサンブルも読譜も学ぶことのできる良い環境だと思います。

西洋のクラシック音楽は、現代の音楽の基礎のようなもので、やはり経験のある無しや身近さで、大きな違いが出ます。それは、ポップスの世界における黒人音楽にも言えるんですけど、それはまたの機会。
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今までの吹奏楽は、クラシック一辺倒で、アドリブの要素があるとかいう以前に、そういう教育の発想すらない。楽器は、音大生が舌を巻くほど綺麗な音が出ているのに、キャリアが高校生で終わることがほとんどです。それは、集団で否応なしに行動する最後の期間が高校生だからです。

大人数のバンドに、卒業後、入ったり、作ったりすることは相当なエネルギーが必要です。だから終わる。バンドに誘われても、譜面がなければ、断ることしかできない。

しかし、自分から創作するという発想を身につけよう、と言うわけです。
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ジャズというジャンルは、世界中のあらゆる音楽に影響を与えていて、また、多くの民族音楽にアドリブ、インプロヴィゼーションというものが存在します。今や、ジャズという要素は、あらゆる音楽に取り入れられていて、ジャズの定義も「アドリブがあれば、みんなジャズ」というぐらいに拡大しています。
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だから、そういうアドリブの要素を吹奏楽部に取り入れて、ソロイストとして、日常的に一人一人にスポットが当たりクリエイティブについて考えやすい状況や雰囲気を作っていく「運動」を始めました。まだ名前もない新しい運動ですが、小さく謙虚に始め、大きく育てたいと思います。






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