僕は、エレキギターはアンサンブル楽器で、基本的に「アンサンブルに参加しやすいように、大きな音で演奏できるギターとして、アメリカで開発された、アメリカの民族楽器」だと思っています。
だから、その場でサッとみんなで演奏が出来る様に、イントロやエンディングや決め事が出来る限り少ない状態にして、みんなで演奏を楽しむ『セッション』をゴールと捉えています。
何事もそうだと思うんですけど、計画と実行は全く別物ですよね。イベントをやってみると、現場では、想定外のことが必ず起こります。で、そこから学ぶ。そして、その回数を多く経験する。場数を踏むことによって慣れてくる。慣れてくるって言うのは、ちゃんと準備が出来ていて、想定外のことも対応する余裕がある。それを仲間とかコミュニティーとしても慣れていると、大変楽です。また、楽しい。
セッションの現場では、いっぱい学ぶことだらけです。それは、ちょっとした失敗や残念な気持ちから始まります。
「セッションの時に限って、ピックを忘れた。電池がなくなった。ジャックがガリガリ言う。爪伸びているのが気になる。」
「ソロを始めたが、どうやって終わったらいいかわからない。」「ソロの長さは、どのぐらいがいいのか?」
「何人もギターがバッキングしている時、自分はどうするか?」
「リーダーが頭をちょっと触ったらエンディングにいく合図だった」
「エンディングを時に決めずに始めたけど、曲をどうやって終わったらいいかわからない」
「エンディングで、逆循環コードをみんなが演奏し始めたが、自分は何が起こったか、わからなかった」
本人が気をつけとけばいい問題もあるし、その場で説明してもらって解決することもあるし、場数を踏んでだんだん慣れてくる場合もある。盛り上げて綺麗に去っていく人、うまくバッキングで盛り上げる人を見て、学ぶことなどは、ほぼセッションでしか出来ないと僕は思います。
そして、コミュニティーで人を育てる姿勢をコミュニティー自体が持つこと。
初心者が来たら、何も出来なければ、手拍子で参加してもいいし、簡単なコードだけ繰り返してもらっても良い。
「上手くなってきたやん。僕のやってたパートをやってみて」と先輩は、更に大事なパートを任せる。
初心者は、簡単なフレーズだけで、試しにソロをとってみる。先輩たちは、大いに盛り上げて、お手本を示す。
先輩が偉そうにすることもない。初心者もセッションが終われば、楽しい思い出が残る。気持ちの良いセッションは、良い社会のお手本のようだな、と思います。それを実現するためにレッスンをすることが、僕のレッスンの方向であるべき、と考えています。
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