嘘がないこと

これから書くことは、僕の経験なんですが。


２０代。ステージでは、とにかく必死でした。一生懸命。ああやりたいこうやりたい、と思ったけど、
それまでには、距離もありました。人の意見に翻弄された毎日でもありました。

３０代。ステージでは、人に認められ、ある種、油断した時期でもありました。
しかし、相変わらず、ステージ前は、戦々恐々とした気分でした。
人に説教めいたことを言うことも多かった。
でも、それほど、自分に自信があったわけではありませんでした。

早く美しく、指を動かすのを、いつも練習していました。
このまま、続けていれば、なんとかなるんじゃないか？と思ってました。
やっていることと、やりたいことにズレを感じながらも、こんなものなのかもしれない、と思っていました。

４０代。人生の後半に突入することを意識し、それまでついて来た嘘みたいなものにさいなまれ、
もう一度、自分をしっかり磨ききろうと転機が訪れました。
どうすれば、ハートが伝わるだろうか？ということを考えるようになりました。

ステージでは、だんだん緊張することが、無くなりました。
心の通じるメンバーと理想の高い演奏を毎回続けるうちに、そうなったようです。
ステージでハートに正直にギターを弾くようになってきました。
そうすると、世の中の嘘が、みえてくるような気分になりました。

嘘の多い人間関係、出来事が、だんだん、いつのまにか離れて行き、
指の間からすり抜けるように、あるいは、磨かれた板に汚れが、はじかれるように
嘘やマイナス思考の多い人が、自然と離れて行くように感じるようになりました。


自分に嘘をつかないのは、スゴく大事です。
正直あることに、最初は、大きな価値を見いださないかもしれません。
でも、胸に手をあてて、考える時間が、最近、スゴく大事だと思っています。


ただ、自分の気持ちが、はっきりしても、人に言う時は、一息ついてから。
正直な気持ちは、力が強く、時に人を傷つけてしまうことがあるからです。