大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

ひと粒

2010-05-25 12:30:00 | 日記
ひと粒ひと粒が
幾百年と生きて
巨木になる力を
なかに宿して
ただ小さく
ころがっている

秋に林に行くと、どんぐりが幾千、幾万ところがっているんだ。そのひとつひとつが、芽を出し伸びて巨木になり、百年、二百年と生きるーそういう能力を持っているのだと思うと、深い驚きがこみあげてくる。人間のおよばないような能力を宿して、小さなどんぐりが数かぎりなく、ただころがっているのだ。そして、その能力を存分に発揮するわずかなチャンスがあれば、と待っている。まったく、自然というものは、驚かされることばかりだ。

加島祥造