ゲストの皆様へ
このブログは、当分の間、下の資料にある問題を解決するために管理をして行く予定です。 なお、この問題を県が放置していた場合は、県に対する県内の市町村、そして県民の信頼を著しく損なうおそれがあると考えています。
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今日は、沖縄県に対する会計検査院の意見表示に基づいて県の技術的援助に対する市町村のリスクについて考えてみます。
その前に、下の画像をご覧下さい。
これは、補助金適正化法における補助事業者の責務に関する規定を整理した資料です。
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【補足説明】補助金適正化法第3条第2項の規定は努力規定になっていますが、第11条の規定は命令規定になっています。したがって、補助事業者は補助金の交付の目的に従って補助事業を行う努力を放棄することはできないことになります。
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下の画像は、最終処分場の整備を行わない前提で、国の財政的援助を受けて溶融炉を整備している市町村(補助事業者)の補助目的と補助事業との関係を整理した資料です。
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【補足説明】国(防衛省を含む)は廃棄物処理法の基本方針を告示した平成13年度から、基本方針に適合するごみ処理事業を行う市町村に対して財政的援助を与えています。そして、廃棄物の最終処分に関する基本方針は「地域ごとに必要となる最終処分場を継続して確保するように整備すること」としています。したがって、最終処分場の整備を行わない市町村が国の財政的援助を受けて溶融炉を整備している場合は、「最終処分ゼロを達成して継続する」ことが補助目的になります。
(注)最終処分場の整備を行わない前提で、国の財政的援助を受けて溶融炉を整備している市町村(補助事業者)が「最終処分ゼロを達成して継続する」ことができない場合は、自主財源により「地域ごとに必要となる最終処分場を整備する」ことになります。しかし、最終処分場の整備を行わずに民間委託処分を行っている場合は、善良な管理者の注意をもって補助事業を行う責務を放棄していることになります。
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下の画像は、最終処分場の整備を行わない前提で、国の財政的援助を受けて溶融炉を整備している浦添市と中城村北中城村清掃事務組合(以下「中北清掃組合」という)のごみ処理計画の違いを比較した資料です。
なお、この資料は、中北清掃組合が浦添市との広域処理を推進して既存施設の集約化を完了するときまで、溶融炉を休止したまま民間委託処分を継続する前提で作成しています。そして、浦添市は最終処分ゼロを継続する前提で作成しています。
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【補足説明】このように、浦添市は溶融炉を整備したときから最終処分ゼロを達成して継続しています。そして、最終処分場の整備を行わずに最終処分ゼロを継続するごみ処理計画を策定しています。しかし、中北清掃組合は溶融炉を整備したときから最終処分ゼロを達成した年度が一度もありません。そして、平成26年3月にごみ処理計画を改正して最終処分ゼロの達成と最終処分場の整備を放棄しています。
(注)中北清掃組合は、沖縄県の技術的援助に従ってごみ処理計画を改正していますが、県はそれまでに同組合に対して最終処分場の整備を求めていないと思われます。なぜなら、県は同組合のごみ処理計画の改正に当って、最終処分場の整備を放棄してもよいという技術的援助を与えているからです。
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下の画像は、浦添市と中北清掃組合の民間委託処分率の違いを比較したグラフです。
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【補足説明】市町村が民間委託処分を行うごみ処理計画を策定している場合は、ごみ処理施設の整備に当って国の財政的援助を受けることはできません。したがって、中北清掃組合が平成16年度から平成25年度までの10年間で補助事業者として誠実に補助事業を行っていた期間は、実質的には4年程度しかないことになります。
(注)中北清掃組合は平成26年度から、沖縄県の技術的援助に従って最終処分ゼロの達成と最終処分場の整備を放棄しているので、同組合における平成16年度から平成28年度までの13年間の民間委託処分率は約70%に達しています。
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下の画像は、沖縄県が中北清掃組合に与えている技術的援助の概要を整理した資料です。
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【補足説明】このように、沖縄県は中北清掃組合に対して、同組合の補助目的に反する(廃棄物処理法の基本方針に適合しない)技術的援助を与えていることになります。
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下の画像は、中北清掃組合がごみ処理計画の見直しを行わずに浦添市と広域組合を設立した場合の広域組合のごみ処理計画を想定して作成した資料です。
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【補足説明】広域組合は複数の市町村が設立する地方公共団体になります。したがって、浦添市のごみ処理計画が廃棄物処理法の基本方針に適合していても、中城村と北中城村のごみ処理計画が基本方針に適合していない場合は、広域組合のごみ処理計画も基本方針に適合していないことになります。
(注)中北清掃組合と中城村と北中城村のごみ処理計画は整合性を確保していなければなりません。また、浦添市と広域組合のごみ処理計画も整合性を確保していなければなりません。したがって、中北清掃組合がごみ処理計画の見直しを行わない場合は、浦添市がごみ処理計画を見直さなければならないことになります。しかし、浦添市がごみ処理計画を見直した場合は、自主財源により既存施設の集約化を行う計画になってしまいます。
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ここからが、今日の本題です。
下の画像は、会計検査院が公式サイトで公表している沖縄県に対する意見表示の中から、県の不適正な経理処理に関する意見表示を抜粋した資料です。
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【補足説明】「識名トンネル事件」は多くの沖縄県民が知っている有名な事件ですが、沖縄県が補助金適正化法の規定を遵守して、善良な管理者の注意をもって補助事業を行っていれば、このような事件は起こらなかったことになります。
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下の画像は、会計検査院が公式サイトで公表している沖縄県に対する意見表示の中から、補助事業者に対する県の不適正な事務処理に関する意見表示を抜粋した資料です。
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【補足説明】沖縄県は国からの補助金を県の裁量に基づいて目的外使用していたことになりますが、県が補助事業者に対する補助目的を十分に理解していれば、このような不適正な事務処理を行うことはなかったことになります。
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下の画像は、会計検査院が公式サイトで公表している沖縄県に対する意見表示の中から、補助事業者としての県の不適正な事務処理に関する意見表示を抜粋した資料です。
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【補足説明】沖縄県は補助事業者として補助目的を達成しないまま、国に無断で補助対象施設の運用を中止していたことになります。
(注)このブログの管理者は、中北清掃組合に対して技術的援助を与えている沖縄県の職員は、地方財政法第8条の規定を知らない可能性があると考えています。
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下の画像は、上の沖縄県に対する会計検査院の意見表示をまとめた資料です。
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【補足説明】このように、会計検査院から見た沖縄県という地方公共団体は、補助金適正化法の規定に基づく「善良な管理者の注意」に対する理解が十分にあるとは言えない状況になっています。
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下の画像は、会計検査院が中北清掃組合のごみ処理事業(補助事業)を検査した場合を想定して作成した資料です。
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【補足説明】中北清掃組合は、常に沖縄県の技術的援助を受けてごみ処理事業(補助事業)を行ってきたと思われるので、会計検査院が同組合を検査した場合は、このような意見表示を行うことになると考えています。
(注)会計検査院が中北清掃組合のごみ処理事業を検査しなければ、このような意見表示が行われることはありません。しかし、このブログの管理者は、結果的に浦添市や浦添市の議会が同組合に対して会計検査院と同じような意見表示を行うことになると考えています。なぜなら、浦添市は「善良な管理者の注意」をもって、誠実にごみ処理事業(補助事業)を行っているからです。
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下の画像は、今日の記事のテーマである沖縄県の技術的援助に対する市町村のリスクを整理した資料です。
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【補足説明】この資料は、沖縄県内の市町村が、補助金適正化法の規定に基づく「善良な管理者の注意」に対する理解が十分にあるとは言えない県の技術的援助に従って補助事業を行っている場合を想定して作成しています。
(注)沖縄県に対して国(防衛省を含む)が具体的にどのような指導を行っているのかは分かりませんが、このブログの管理者は、国は中北清掃組合のごみ処理事業(補助事業)の実態を把握していないと考えています。なぜなら、同組合が10年以上も前から廃棄物処理法の基本方針に適合しないごみ処理事業(補助事業)を行っていることを放置しているからです。
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下の画像は、中北清掃組合に対して適用される主な法令の規定を整理した資料です。
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【補足説明】中北清掃組合は、国の財政的援助を受けてごみ処理事業(補助事業)を行っています。そして、平成28年度において浦添市との広域処理を推進することを決定しています。したがって、上の資料にある全ての法令の規定が適用されることになります。
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下の画像は、改めて沖縄県と中北清掃組合の考え方を整理した資料です。
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【補足説明】このように、沖縄県と中北清掃組合は、国の財政的援助を受けて溶融炉を整備したときから最終処分ゼロを達成して継続している浦添市の努力を、無駄な努力と考えていることになります。
(注)浦添市は廃棄物の適正な処理を推進することを目的として、最終処分ゼロを継続しています。
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下の画像は、沖縄県が中北清掃組合に対する技術的援助を適正な技術的援助であるとして訂正しなかった場合を想定して作成した資料です。
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【補足説明】このブログの管理者は、浦添市が最終処分ゼロの継続を放棄することはないと考えています。したがって、中北清掃組合が最終処分ゼロを達成して継続しない場合は、同組合の方から広域処理を白紙撤回することになると考えています。
(注)実際は、浦添市の方から中北清掃組合に対して最終処分ゼロの達成と継続を求めることになると思います。したがって、上の資料は、同組合が浦添市の求めに応じなかった場合を想定した資料になります。
以上が、沖縄県の技術的援助に対する市町村のリスクに関するこのブログの管理者の意見です。
なお、この記事は、補助事業者である地方公共団体が「善良な管理者の注意」をもって誠実に補助事業を行わない場合は、結果的に住民の経済的な負担が増加するという前提で書いています。
<追加資料>
下の画像は、中北清掃組合(中城村・北中城村)が浦添市との広域処理を推進するために、ごみ処理計画の見直しを行う場合を想定して作成した資料です。
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【補足説明】法制度上、関係市町村のごみ処理計画の調和が確保されていない場合は、広域組合を設立して広域処理を行うことはできないことになっています。また、市町村のごみ処理計画と都道府県の廃棄物処理計画との整合性が確保されていない場合は、国(防衛省を含む)は市町村に対して財政的援助を与えることができないことになっています。
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下の画像は、中北清掃組合が休止している溶融炉を再稼動する形でごみ処理計画を見直す場合を想定して作成した資料です。
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【補足説明】中北清掃組合は、溶融炉を稼動していた間に最終処分ゼロを達成した年度が一度もなく、補助事業者として資源化しなければならない廃棄物の約60%を民間に委託して処分しています。したがって、この選択肢は補助事業者として誠実に補助事業を行っている浦添市や浦添市の議会及び住民の理解を得られないと考えています。
(注)このブログで何度も書いてきましたが、中北清掃組合が所有している溶融炉(塩分濃度の高い流動床炉の焼却灰を単独で処理する燃料式の溶融炉)は国内で稼動している事例や長寿命化が行われている事例のない溶融炉なので、再稼動に当って浦添市や浦添市の議会及び住民の理解を得ることは不可能に近いと考えています。
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下の画像は、中北清掃組合が休止している溶融炉を廃止する形でごみ処理計画を見直す場合を想定して作成した資料です。
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【補足説明】このブログの管理者は、中北清掃組合が最終処分ゼロを達成して継続することができる代替措置を講じて溶融炉を廃止しなければ、浦添市との広域処理を推進することはできないと考えています。
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下の画像は、中北清掃組合のごみ処理計画と、広域組合を設立するために浦添市と共同で策定する地域計画との関係を整理した資料です。
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【補足説明】浦添市と中城村と北中城村の1市2村は、平成29年度から広域組合を設立するための地域計画の策定に着手することになっているので、中北清掃組合は今年度中にごみ処理計画の見直しを行わなければならないことになります。
(注)広域組合を設立するための地域計画には、既存施設の集約化に関する計画だけでなく、既存施設を集約化するまでの計画も含まれているので、中北清掃組合のごみ処理計画が廃棄物処理法の基本方針に適合していない場合は、基本方針に適合する地域計画を策定することができないことになります。
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下の画像は、中北清掃組合の平成29年度のごみ処理実施計画の選択肢を整理した資料です。
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【補足説明】廃棄物処理法の規定により、市町村は、年度毎にごみ処理計画に即した実施計画を策定することになっています。したがって、同組合がごみ処理計画を見直さない場合は、平成29年度も溶融炉を休止したまま焼却灰の民間委託処分を継続する実施計画を策定することになります。
(注)市町村がごみ処理計画に適合しない実施計画を策定して実施する場合は、廃棄物処理法の規定に違反して事務処理を行うことになるので、その事務処理は地方自治法の規定により無効になります。したがって、中北清掃組合が平成29年3月までにごみ処理計画の見直しを行わない場合は、平成29年度において浦添市との広域処理を推進するための地域計画の策定に着手することができないことになります。
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最後に、下の画像をご覧下さい。
これは、浦添市と中城村と北中城村が共同で策定する「広域組合のごみ処理計画」に関する必須条件を整理した資料です。
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【補足説明】浦添市と中城村と北中城村は沖縄県の財政的援助ではなく国の財政的援助を受けて既存施設の集約化を行なうことになります。したがって、中北清掃組合が県の技術的援助に従って廃棄物処理法の基本方針に適合しないごみ処理事業(補助事業)を行っている場合は、国の財政的援助を受けることができないので、1市2村は自主財源により既存施設の集約化を行うことになります。
(注)浦添市のごみ処理計画は廃棄物処理法の基本方針に適合しています。そして、同市は補助事業者として誠実に補助事業を行っています。したがって、中城村と北中城村との広域処理が白紙撤回になっても、国の財政的援助を受けて既存施設の更新を行うことができます。
<中北清掃組合の注意事項>
会計検査院は中北清掃組合が溶融炉を休止した平成26年度から、溶融炉を整備している市町村のごみ処理計画の実態を注視しています。また、総務省は中城村と北中城村が浦添市との広域処理の推進を決定した平成28年度から、市町村が所有しているごみ処理施設の長寿命化計画を注視しています。このため、同組合が平成29年度以降も溶融炉の長寿命化を行わずに休止を継続するごみ処理事業を行っている場合は、会計検査院や総務省から検査及び調査等を受ける確率が高くなります。
ごみ処理施設の長寿命化に関する総務省の勧告(平成28年3月)
広域処理の成功を祈ります。