沖縄本島北部でテーマパーク開業を目指す刀(大阪市)の森岡毅・最高経営責任者(CEO)は24日、那覇市内で講演し、「資金調達が成功し、年明け以降、本格的な着工が始まる」と明らかにした。
準備工事は既に始まっており、本工事のための資金調達の規模は600億~700億円としている。
新型コロナウイルスやウクライナ情勢に伴う資源高などで調達先の確保に困難もあったが、「パークを建てる目的への賛同や多くの方の情熱や支援でここまで来られた」と感謝した。
森岡氏は、沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)主催の「沖縄公庫フォーラム2022~沖縄の『稼ぐ力』の向上にむけて~」に登壇し、講演した。
アジアの主要都市から飛行機で4時間以内という地理的優位性から「沖縄は日本の至宝」と断言。一方、国内での観光産業への投資は不十分だと指摘した。
背景には、経営陣のリスクを取らない守りの姿勢があるとし「安全な領域から2歩踏み出す勇気が必要」と語る。成長のために新しいことへ挑戦する環境や意識を持つ必要性を説いた。
もうけるためには「お客さまの本能を分析し、喜ばせるための装置をいかに最初に造るか」と話す。県外テーマパークの事例も示しながら、最大効果を発揮できるような効率的な設備投資が重要と説明した。
基調講演後にはリウボウホールディングスの糸数剛一会長とも対談した。糸数氏はテーマパークができることで、滞在日数の長期化、消費単価の上昇などが期待できるほか「県内企業がどう観光客の情緒を刺激するか、ヒントを得られる効果もある」と話した。
一方、欧州からの直行便就航や鉄軌道の敷設、スーパーヨット寄港のための港湾整備といった富裕層を呼び込むためのインフラ整備も不可欠と指摘。両氏は「官民一体での取り組みが必要」と語り、沖縄公庫の今後の役割にも期待した。