コンタクト〈上〉 (新潮文庫) | |
カール・セーガン | |
新潮社 |
松浦が初めてカール・セーガンの本に触れたのは、小学校の図書室でした。
確か、コスモスという本でした。小説ではなく、科学読み物という感じだったと記憶しています。
なんだろう。あの不思議な求心力は。
こっちの世界はおもしろいよー。こんな不思議なことがあるんだよー。
そんな風に呼びかけられているような気がしました。
何度借り直したのかわかりません。
で、引っ越しの時に行方不明にしてしまったので、貴重な書物を母校から持ち去ってしまうという結果になってしまいました。
後輩たちよ、すまぬ。
そんな子どもの心をがっちりつかんだ著者の初めての小説にして、ロバート・ゼメキス監督の手で映画化もされたのがこの「コンタクト」です。
宇宙人が攻め込んできて、どうとか。そんなレベルの話ではありません。
外の世界との「コンタクト」というものがいかに大変なことなのか。緻密な検証と描写が光ります。
東京都の条例によると、名作だとセーフで駄作だとアウトらしいですが、これだけの時を経てなお古さを感じさせないというのは名作であることの証明になるのではないかな、と思っています。