五歳児と山篭る(子守る)夏休み。お題は父子初の北アルプス、目指すは常念乗越(のっこし)からの槍ヶ岳の眺望。
前日、第50座として、今までの百名山としては最弱の美ヶ原を秒速で攻略
浅間温泉でちゃっぷりんこしてからの一の沢駐車場に9時到着。
そこから車中泊(イメージ)。
二人で車内で寝っ転がると、プリウスのリアハッチのガラス、ちょうど頭上に満天の星空と天の川、流れ星が!(イメージ)
星空を眺めながら寝るという贅沢をしながら翌朝4時前就寝。
翌朝、標高1189m地点からスタート。ウォルター・ウェストンも使ったとされる一の沢ルート。勾配が急、大きな石が多い、眺望は樹林帯が多くあまり望めない、稜線に出るのが最後の1%というなかなか精神的にきついコース。唯一の救いは「水筒いらず」と言われるほど水場に恵まれているということ。それもそのはず、全行程の大半は沢沿いを遡上するルートで、常に川のせせらぎを聞きながらの行程となります。
一の沢まで駐車場が二つあります。こっちが正解。私はもう一つ下に停めました。
登山口まで無駄に110m登ります。これ大事ね。
登山口でガイドさんとの待ち合わせごっこをして楽しむ。
山の神神社にお参り。
丸太橋がたくさんありました。
余裕を見せつけています。
川を渡る際、よく考えずに片足をずぼり。靴下がびしょぬれになって、泣いちゃいました。
痛恨のミス。
靴下を履き替えて、再出発。
沢の水が冷たそうだな~さわっちゃおう!
ちめた~~い!
登山道自体が沢になっている区間がとても長い。ひんやりして助かるわ。
丸太橋地点でおかあさんに持たされたチーズパンをほおばる。
涼しくて、気持ちいいね~。
ストックをライトセーバーがわりにふざけながら登る。
前方に、乗越が見えてきました。まだまだ遠い。水場を離れると夏の日差しが暑い。
王滝ベンチの前後、胸付八丁までの区間が一番我慢を強いられる所。とにかく励まして進めました。幸いぶーたれることもなく楽しく標高を上げて行きます。
沢に戻るとひんやり。
王滝から胸突き八丁までは我慢の区間。途中で3歳を背負ったお父さん、おかあさん、7歳のお兄ちゃんに会いました。
パパおつかれ!
高山ハイキングの鉄板メニュー、気圧によって倍増するポテチ。この後2700m地点で破裂し、チビ太再び涙す。
胸突き八丁からは急坂が更に激坂になります。
急坂?おれクライマーだし。すいすいすーだもんね!
最後の水場が近づいてきました。長い間一緒に歩いてきた沢ともここでバイバイ。
おいしいお水、頂きまーす。
段々目指す鞍部が迫ってきた予感。でもまだまだ先は長そうだ。
最後の1kmは細かくベンチがあるので助かります。
そして・・・
槍だ!!!!
最後、一気に展望がひらけて鞍部へ!そこには言葉を失う絶景が待っていました。よく頑張った。
常念小屋、食堂を覗くとベランダがあるじゃありませんか。みんな幸せそうにビール飲んでいたので、さっそく我々も。ソフトクリームと生ジョッキで乾杯だ。
チビ太君、顔は笑っていますが頭に角が生えていますよ!?
今年の夏休みはスイス旅行だっけ?
槍カッケー!
昼食はカレーとラーメンをぺロりんこ。
常念乗越(のっこし)からの展望。
初めて見ました!山の下から吹き上げてくる雲が鞍部を乗り越えていきます。
夕食はハンバーグ。食欲は言わずもがな。明日の元気の為にたくさん食べます。
おなかも一杯になったので、外にでておもちゃを広げて遊ぶことにしました。
みんなが夕陽に見とれているのをよそに、肉食vs草食の戦いが始まりました。ちょっと恥ずかしい。
白亜紀の太古の太陽が、槍ヶ岳に沈んでいきます。
今日は、ガスがかかりやすいこの時期にしては珍しく良い天気とのことでした。陽が沈むとやるとこないので、消灯時間の8時前に就寝。
翌日は4時前にチビ太をたたき起こし、朝食前の朝練ということで常念岳の頂上を目指しあと400mほど登ります。最初は眠気と寒さに泣きごとを言っていたのですが、大した登りじゃないと嘘をつき、その上おもちゃで釣りました(白状)。
ご来光を見に、だだをこねる五歳児をなだめすかしてヘッドライトをつけて出発です。
頂上まではすぐ着くと嘘をついて外に連れ出しました。朝食は食べずに、朝食時間が終わる8時前に往復できるかな?
45度近い急斜面。岩が多く足場が不安定で5歳児にはきびしいコースです。登りも下りも。一瞬暗くて道を外れたときはひやっとしました
どんどんあがる高度感。強風が吹いているので結構寒い。穂高が近づいてきた。
小屋から頂上までは急峻で大きな石が転がりかなりデンジャラス。写真を見ても傾斜が45度なのがようわかります。小屋から見上げると屹立して見える頂上も、実は偽ピークでまだまだ奥がありました。
分岐地点から更に先を行くと岩場の影に子連れの雷鳥が!
2000m以上でしか見られない、貴重な体験をしました。本当に警戒心薄いですね。日本国内での生存は約3000羽、北アルプスでは2000羽だそうです。そのうちの3羽、貴重ですね。
この後高度感のある岩場をよじのぼってたどり着いた頂上は、「これぞ高山の頂上」というべき、畳一畳スペースの上に祠が立ち、360度の大パノラマが眼下に広がるすばらしいものでした。一度これを経験してしまうと、病みつきになりますね。
見渡す限りの展望、穂高連峰に見惚れてしまいました。風が爆風で少し寒かったですが、二人とも大満足。名残惜しく山頂を後にしました。
大天井岳、燕へと続く北アルプス表銀座。
蝶が岳へと道は続く。
下りは急斜面の岩場で登り以上に難儀。結局往復2時間半はかかってしまったか。
山荘の朝食最終8時10分前に食堂に滑りこみました。
下山は想像通りの長丁場、5歳児は高い段差を降りる筋力がないので、高い段差は努めて抱きかかえて降りるようにします。チビ太も高い段差のたび「だっこ~」と楽しみにしていました。トータルで200回はだっこしたかな、なかなかのトレーニングです。
あれほど喘ぎ苦しんんだ胸突き八丁への道も下りはあっという間に通過。
段々ダンスの切れが鈍くなってきた。
水場が多くて気持ちいいねぇ。
そして、ゴール!一の沢登山口でタクシー待ちの登山客とドヤ顔で歓談するチビ太をおいて、父は駐車場まで1kmダッシュでした。
8時半に小屋をでて、到着は12時半ですから普通のハイカーと同じくらいのペースでは下れました。健脚向けのロングコースでしたが、大分忍耐力が付いてきた。
前回の北岳も同様の距離、標高差でしたが、今回は二日で完遂。えらいえらい。金メダルだと褒めてあげたい。
下山後、安曇野のまちから西を見上げて空高くそびえるピラミダルな常念の山容をみて、数時間前頂きを踏んでいたのがいささか信じられない、そんな山旅でした。
まる。