2月24日から二日間、厳冬期の北八ヶ岳へ。
山娘(ガール)なら絶対おさえておくべきという、可憐な山小屋が天狗岳の山すそに佇んでいます。
しらびそ小屋で朝食のトーストを齧りながら、ひまわりの種を齧るリスさんを見に行こうよ!その後は日本一ハードコアな野天風呂に行こうよ!と六歳児を連れ出すことに成功。最低気温氷点下15℃との情報に接し、そろそろ靴のサイズが22cmになるチビ太は10本爪愛染かつら(古w オリジナルネタ知らないw)デビューです。
つんつん姉さんといってきた楽しい癒され冬山遊びの記憶をダークダックスのメロディーとシュールな歌詞に乗せて・・・
ルート備考
帰路は間違えて旧登山道ではないほうを選択しましたが、こちらは一部ノートレースでラッセル入りました。
コース状況/危険箇所等
稲子湯~ミドリ池駐車場間の車道。急斜面にアイスバーンで、FF車+スタッドレスで下り一瞬ドリフトしました。歩いてしまえば危険な箇所はなし。4WD以外は稲子湯に駐車がよいでしょう・・・・
その他周辺情報 八峰の湯、最高でした。やすいしお風呂広いし清潔だし最高。ブリザードに怖気づいて本沢温泉はあきらめたのですが、そのかわり最高の露天風呂をここで楽しめました。
癒された二日間。印象に残った点は多々ありますが、しいていうと二つ。
子供的には『朝食後の「森の動物園」』
🍞しらびそ小屋。朝食のトーストを食べていたら、窓の外にリスさんがちょろちょろ。小屋の隣のしらびその森の斜面から、リスがわっさわっさと走ってくるのが見える。ほかにもホシガラス(大きい)、シジュウカラ、ウソ(ほんと)を眺めながらゆっくりと贅沢なスローフード。
予報もすこし外れて高曇りの空のした東天狗岳の氷壁がよく見えました。
前夜8時に消灯して、翌朝6時まで熟睡。野生動物を見ながら朝食をとり終えたのは9時でした。山小屋は睡眠負債完済にいいですよ!(同室のおっさんの鼾がうるさいので耳栓必須w)
大人的には『うたごえ山小屋』
うたごえ喫茶と宿泊客ノートのおはなし・・・
しらびそ小屋、夜はなんと『うたごえ喫茶ナイト』でした。
山小屋はけっこう年配の方が多いのですが、今夜はまた格別(山岳会のおじさまおばさま多数)。ダークダックス(2018年現在ひとりだけご存命)の名曲を大合唱(歌詞を聴くとママが青ざめるのでここでは割愛)。帰宅して信州大卒の父に聞かせたところ『学生寮で山岳部のやつらがよく歌ってたな~50年ぶりにきいたよ。いい歌だね~♪』と同じく信州出身の母と懐かしさに浸っていました。これで三世代つながりましたね。
歌詞の中にも山の危険さが織り込まれていて、ふだんから山は美しくも危険なものだということが歌を通じて刷り込まれていたのでしょうか。
ちなみにこの曲は1966年のヒット曲、知ってるわけないですわな。
昼間は暇なので山小屋の登山客が記した記帳、1970年のノートを貪るように読んでしまいました。ネットもSNSもない当時、山を往くものたちの思いがきれいな字で隅から隅まで書き込まれていて、引き込まれます。登山仲間を募集する書き込みがあって、それが傑作。こんな感じ・・・
・ 若者の条件は昭和24年生まれ以降であること・・・
そしてこの後の書き込みには昭和20年台生まれの若者の個人情報が列挙されていきます・・・
このノートはある意味当時のネット、SNS、Facebook、インスタ、ヤマレコが集約されたもの。当時も今も書いていることは大体おんなじ。かたや写真、かたや手書きのスケッチ。そして自己満足と現実逃避w。
技術は進歩すれど、人間の表現力の総量のキャパは同じなんだな、どの時代の人間も思うこと表現することはメディアが違えど同じなのだな~とひとり感慨にふけった山行でした。
それでは写真レポスタート!
初日の午前中だけ顔を覗かせた八ヶ岳ブルー
比較的新しい🐾発見!
しらびそ小屋までは緩やかな山道で歩きやすい。アイゼンが欲しいか要らないかギリギリのコンディション。
氷瀑
クラゲ氷
水の澱みを天蓋のように覆う分厚い氷。ひとつとして同じ形にあらず。
楽しいらしく、チビ太リーダーのペースがちっともあがりません。荷物が重いのもあるかな。
靴のサイズがそろそろ22になるので、10本爪愛染かつらデビュー!
愛染かつらの元ネタはこちら。
時折現れる斜面も、しっかり爪を食い込ませれば安全に登っていきます。同行者のつん姐はチェーンスパイク。
雪が音を吸収するので、とても静か。おしゃべりが弾みます。
例の緩い看板地点まで来ました。ここからゆっくり歩いて40分ですね。休憩なしノンストップで行くつもりでしたが、ここで休憩。この後風が強くなってきたので、持ってきた自転車用グローブでは手先が猛烈にかじかんでしまいました。
誰かが落書きしたかわいい青虫くん(チビ太のマスコットキャラ)。この時点で強風もありマイナス8℃くらいだったかと思います。
みどり池に到着!東天狗岳が見事ですが本当にさむそう。
当然ながら、池は全面結氷。
実は小屋に到着する1km先から、鼻のきくチビ太が『たき火をする匂いがする!小屋が近いよ!』とセンサーを働かせていました。
しらびそ小屋名物、到着するとすぐに頂けるかりんとうと熊笹茶。笹の香がたってとても美味しかった(見かけは水みたいに薄いんだけど。)
通販で買おうかな。
マイナス10度の世界から暖かい小屋に入ってこの笑顔。
自炊スペースに移って昼ごはん。わかめそば、とんこつラーメン、中華丼、餃子スープでした。
腹を満たしたら本沢温泉に突撃・・・の予定でしたが、吹雪いてるし、入浴をいれて往復すると3時間、小屋到着が4時を過ぎてしまうので諦めました。またの機会に。
というかこのクソ寒さで野天風呂に六歳児と入れるかっ!
温泉はなくなり、雪合戦となりました。
チビ太歓喜
つんつん姉さんも歓喜。
ここ掘れワンワン形式で雪をかけることを覚えたチビ犬
別角度だワン(笑)
続いてみどり池に移動。真ん中にスケートリンクができていたので、シングルアクセルの練習。
いい感じの斜面が見つかったので、ノーマルヒルとラージヒルを行いました。チビ太金メダル。
この後小屋に戻ると、チビ太は『山小屋探検してくる~!』と館内探索へ。ここから完全放置です。なにせ小屋に宿泊の30人の大人たちが面倒見てくれますから。山小屋完全野放し子育てメソッド。
すっかり冷えて小屋に戻ります。靴の中にまで雪が入って冷たい冷たい。チビ太は一人で炬燵にはいり、勝手に他のパーティと友達になっていました。こいつ友達作るの早い。私が輪に加わった時は、自己紹介は終わっていました。
しらびそ小屋にはヤッホーブルーイングの社員が働いているそうです。めがねのおじさん。いや~最高。
山岳会のみなさんです。中にはウン10年前新婚旅行でここしらびそ小屋に来たというへんなおじさまも。
暖かい部屋から常に東天狗岳が見えます。
太陽電池もたくさんあり、小屋内にはインバータがたくさんありました。非常口の電灯も常についていたので、照明周りは全部太陽電池なのでしょうか。
麦酒の後は下から運んできたサングリア1リットルに移行。夕ご飯まで2時間あるのでみんな炬燵にはいって世間話。
アヒージョうまそ~~~
夕暮れは、ダイアモンド天狗岳でした。
山小屋に来ると突然「お手伝い」スイッチが入る。
チビ太撮影。ダジャレばっかりいうオジサマがたでした。
アイゼンかつらとか、オリジナルネタ知りませんがなw
食後はカラオケ大会ならぬ山の歌声喫茶!
つん姐は時刻を見てもわかるように19:19に就寝。起床は翌朝6時。
明け方はそんなに冷え込まない-8℃
天気予報は曇でしたが、朝の一瞬青空が見えました。
さて、朝食ですよ。しらびそ小屋が誇る大人気メニューが来ますよ~~~
ところで、ここにうつっている男女4人のパーティのなかに、『まこ』兄さんがいて、チビ太が二日間お世話になりました。
帰路の登山道、温泉、道の駅で偶然一緒に帰ることになり、なんどもご挨拶をしたのですが、なんとビストロきっちょむ御一行様でした。このサイト、調べ物をするとよくヒットするのでよく読んでました。奇遇ですね。またどこかのお山で会うでしょう。
インスタ映え!
トーストを齧っていると窓の外ではシマリスがひまわりの種を齧り始めました!
リスが気になってしかたがないチビ太
ホシガラスも来訪。意外と大きいのねぇ。
名残惜しいですが下山です。本沢温泉よっても良かったのですが寒いんで却下。
『今度はバイオリン持ってこようね~』だってさ。
下山はところどころお尻ソリで下りますが、ところどころ尻が岩にあたって痛いッス。
バリエーションルートで下りましたが、途中トレースがなくなり初のラッセル体験。膝下までズボズボ。
同行のビビリつん姐はトレースがなくなったことにびびっていましたが、昨日このルートを歩いたパーティがいたのはわかっていたので・・・
本ルートに合流したら、小屋で一緒だった母娘に再会しました。後は駐車場までしりとりしながら一緒に雪中行軍。
昼食は清里Rockの大盛りカレーでした。
出発時刻/高度: 10:25 / 1542m
到着時刻/高度: 10:17 / 1483m
合計時間: 23時間51分
合計距離: 8.26km
最高点の標高: 2054m
最低点の標高: 1483m
累積標高(上り): 588m
累積標高(下り): 625m