友人が俵万智さんの新刊本・未来のサイズを貸してくれました。サラダ記念日で鮮烈デビューを果たしてから、子育て、石垣島、宮崎へとの転居などますます人間としての深みを増した短歌に引き込まれました。
ごく日常的な言葉で、でも短歌31文字にはこだわって、詠み続けています。ごく日常的な体験や、感情を繊細に詠んでいるのは、さすがと思い、共鳴し、感心します。
表題の「未来のサイズ」は入学式に出た子供たちが、すぐ大きくなるからの親心からひとサイズふたサイズ大きな制服を身に付けている。その制服を「未来のサイズ」と詠んでいるのです。
共鳴できる和歌は数多くありますが、こんな和歌もありました。
青島でサーフィン
波に乗るためには波を見ないこと背筋を伸ばして遠く見ること
これは単にサーフィンの心得を詠んだのではないと思います。人生のいろいろな場面で悩んだようなときは、近視眼的に見るのではなく、大きく見直してみることが大事と、子どもに伝えたかったのかもしれないと思ったことでした。
この意味深い話の後に、お笑い草ですが、娘Mが名言を吐いたことがあります。
遠く山口県に嫁いだM 家族は夏休み、旧盆の前後に家族そろって里帰りをするのが恒例でした。
息子Kの家族も集まると親族11名の大入り満員になります。食事を台所から座敷に運んでいた時だったと思います。器に汁ものがたっぷり入っています。Mと子供たちの会話。
「こぼさないように気を付けて」
「そういっても難しいよ」
「こぼさないように、こぼさないように緊張してお椀を見つめて歩くとこぼすよ。普通に歩けば案外うまくいくのよ」
「そうかなあ??」
これがあたり~!!でした。
平常心で、自然体でやることが良いようでした。
彼女の、日常的な言葉の中に、深い意味が読まれていることに
心惹かれます。
外見とは全く違う「女性」を、和歌の中に感じて、彼女の生き様を思ったものです。
お子さん、もう大きくなったことでしょう。
余分な事ですが、彼女は高校の後輩です。
歳が離れすぎですけど。笑
わが高校にも、高樹のぶ子・伊集院静さんがいます。後輩ですけど。