乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

笛川小3年生「乙女高原学習」のお手伝い

2024年06月26日 | 乙女高原案内人
 6/26、梅雨の真っただ中だというのに、いい天気になり、延期することなく実施できて、本当によかったです。
 今回、学習支援ボランティアとして参加してくださったのは、角田さん、渡辺さん、岡﨑さん、篠原さんご夫妻、植原の6名。これだけボランティアの人数があると、4班編成にして、一つの班あたりの子どもの数を少なくすることができます。小さなものでも、みんなでじっくり観察できるということです。しかも、複数人のボランティアで一つの班を担当できます。ボランティアとしても、あまり負担感なく参加できるということです。先日の訪花昆虫調査の時に、角田さんが多くの人に声を掛けてくださいましたが、それが功を奏しました。

 さて、子どもたちが来る20分前に打ち合わせをしました。学校でも準備してくるでしょうが、ファンクラブとしても、各班にファーストエイド(応急処置)キットとペットボトルの水を用意しました。キットは買ったばかりで、初利用です。配ったとたんに、皆さん、中を見て、特にポイズンリムーバー(蜂毒などを吸い取る、注射器のような医療器具)の使い方などを確かめていました。いくら優れたキットであっても、使う側が、どんなものが入っていて、どう使えばいいのか理解していなければ、宝の持ち腐れです。さすがは乙女高原のスタッフだと思いました。その他、各班の持ち物を確認し、スケジュールや歩くコースを共有しました。

 いよいよ子どもたちがスクールバスに乗ってやってきました。21人の元気な3年生です。引率の先生方は教頭先生を団長に4人。トイレを済ませ、あいさつした後、班に分かれて草原の中を歩き始めました。

 今日は、乙女高原の神様が(?)子どもたちに大サービスしてくれたようで、たくさんの昆虫を観察することができました。私はⅮ班担当だったのですが、ドロハマキチョッキリがイタドリの葉を巻いているのが次から次に見つかりました。

シシウドの葉の上にヒメシロコブゾウムシがいたので「ペット昆虫かんさつボトル」に入ってもらい、ゆっくり観察しました。最初はボトルの床でひっくり返っていましたが、脚が1本、2本・・・と動き始め、そのうち、よっこらしょと起き上がるのがユーモラスでした。

このボトルは滋賀県在住の自然観察指導員が考案したもので、1.5リットルの炭酸飲料用ペットボトルをリユースして簡単に作ることができます。ボトル自体を捕虫網のように虫を捕まえるのにも使える便利ものです。ヤマトシリアゲムシもいたので、ボトルの中に入ってもらい、顔が長いところや、しっぽがクルンと巻かれているところをじっくり見てもらいました。

こんなことをやっていたので、なかなか前に進むことができませんでした。
 各班の持ち物の中にはトランシーバーもありました。「バス酔いが再発した子がいるんですけど…」との連絡がありました。この班はファンクラブのボランティア二人が引率している班です。私の班は、私と担任の先生の二人で引率していたので、担任の先生と相談し、担任の先生が現場に向かうことになりました。ケイタイ電話が通じない(通じにくい)乙女高原では、こういう準備も必要ですね。
 森のコースを抜けて、富士山展望台に着きました。あいにく雲で富士山は見えませんでしたが、ここで水飲み休憩にしました。子どもたちに「途中止まらないでブナじいさんに会って来ると、ブナじいさんに行かないでゆっくり行くのと、どっちがいい?」と尋ねたら、意見が割れてしまいました。「じゃあ、自分たちで話し合って、決めてね」とお願いし、しばらく話し合いの様子を見ていたら、ブナじいさんまで行くことに決まったので、行くことにしました。

 ブナじいさんから帰ってきて、草原のコースを降りて来ました。歩きながらずっと「マルハナバチに会いたいなあ」と言っていた子どもたちです。なんとかして見せてやりたいなあと目を皿のように探していたら、やはり今日の神様はサービス精神旺盛でした。アヤメを訪れるトラマルハナバチの様子を見ることができました。

しかも、最初は遠くで、次はちょっと近くで、そして、3度目は、すぐ目の前で。子どもたちもいい経験になったと思います。

 2学期(9月)には、今度は4年生と乙女高原を歩く予定があります。子どもたちと一緒に歩いてみませんか。楽しいですよ!

   ※     ※     ※     ※

※ボランティア参加してくださった渡辺さんがレポートを書いてくださいました。

 乙女高原のロッジ前にバスが到着しました。「乙女高原自然学習」で訪れた地元・笛川小3年生の21名が降りてくると、乙女高原が一気ににぎやかになりました。早朝から山道をバスに揺られてきたので疲れているはずですが、乙女高原の風景と空気に触れて気分が高揚している様子です。
 はじめの会では、引率の先生方、案内役のファンクラブのメンバー6人が1人ずつ挨拶をしました。元気な子供たちを前にしているからでしょうか、いつもよりメンバーの声のトーンが高いと感じたのは私だけではないでしょう。 今回の自然学習のテーマは「昆虫」です。子供たちは、植原さんから事前に説明を受けていますので、私としては積極的に説明をするというよりも、あくまでも子供たちの自主観察にまかせることにしました。子供たちからどんな質問がくるのかわからないので不安がいっぱい。「出たとこ勝負」です。4つのグループに分かれ、それぞれ2人の案内役が付き添います。私は篠原さんと一緒に5人の子供たちと行動することになりました。
 シカ柵内へ入り森のコースへ進みます。私が先導、最後尾は篠原さんです。子供たちは事前に自分で記入した昆虫、木、花のビンゴカードを用意していて、見つけたらチェックするみたいです。自然観察のきっかけ作りには良いかもしれませんが、ビンゴゲームに固執してしまうと本来の「自然観察を楽しむ」という目的を見失うかもしれません。まあ、細かいことは抜きにして早速観察開始です。イタドリの葉が細長く丸められて下がっているのが多くみられます。事前学習で興味を持ったのでしょうか、子供たちは「オトシブミ」を見つけたい様子です。金緑色に光る「チョッキリの仲間」は頻繁に見かけました。森の中に入るとギンリョウソウがたくさん咲いていました。

ミズナラの木の下では、拾ったどんぐりの帽子を頭に乗せている子もいました。言われてみれば小さな子がかぶる「どんぐり帽子」に似ていますね。木陰の木の幹にエゾハルゼミの抜け殻がついていたので、観察用に持ち帰ることにしました。
 コースの中ほどの草原が見渡せる場所で、後ろの子供たちから「マルハナバチだ」と声が上がりました。すぐに戻って種類を確認しようと思ったら、すでに飛び去ってしまった後でした。今日は半袖では肌寒くて日差しも少なめのため、出会えるとは思っていなかったのでうれしい誤算です。かわいい姿をしたマルハナバチは乙女高原の人気者なので、出会うとうれしくなります。
 展望台の手前ではエゾノタチツボスミレが咲いていました。乙女高原のスミレの中でも一番遅くに見られる背の高いスミレです。すでに周囲の草の背丈が高くなっている時期なので、それに負けじと茎をのばして花をつけています。

サクラスミレの花を探している子もいましたが、もう残ってはいませんでした。
 展望台で荷物を下ろし、休憩と水分補給をしました。残念ながら富士山は雲に隠れて見えませんでした。この先のブナじいさんを見たいという意見もありましたが、観察時間と子供たちの体力を考えてここまでとしました。
 展望台から草原のコースへ向かいます。眼下にロッジの赤い屋根を見通すことができる場所で立ち止まり、斜面に点々と見えるヤマドリゼンマイの群落を、「ミステリーサークル」のようだと説明しましたが、あまりピンときていないようでした。世代間ギャップは思ったよりも大きいようです。「UFOの基地」と言い換えたらピンときたようで、「夜になったら地面からUFOが出てくるかも」とか「地底人が住んでいるのかも」と興味津々の様子でした。草原のコースの中腹で、イケマの葉に群がる「ヒメジュウジナガカメムシ」を見つけたので、みんなで観察しました。その中で「おしりとおしりがくっついているのはなぜ? べとべとしているから?」とか「小さいほうがメス?」といった質問が出ました。

 最後に、ロッジへ戻る前にツツジのコースへ様子を見に行きました。期待していたマルハナバチは見られなかったのですが、丸まったイタドリの葉の中に、数頭の「チョッキリの仲間」が入っている様子が見られたのでよかったです。ロッジへ戻り、おわりの会をして終了となりました。

 「乙女高原の自然を次の世代に確実に譲り渡す」。今回はまさにそんな活動でした。もし機会があれば、また参加したいと思います。
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乙女高原案内人養成講座二日目

2024年06月09日 | 乙女高原案内人
 一日目(5/26)は会場が万力公園でしたが、6月9日、いよいよ乙女高原で養成講座の二日目が開催されました。受講生も予定されたスタッフも、全員参加です。今日は参加者を二グループに分け、交替で二つの野外実習を受け、一緒に「自己紹介」や「乙女高原の活動報告/ワークショップ」を行いました。
 講師は、「乙女高原の地形地質」を時田 恵さん、「乙女高原の動物」を北垣憲仁さんにお願いしました。

 午前中は、A班が時田さんの実習でした。時田さんは、最初に「北はどっち? 『せーの』で指差してください」「では、これで確認しますね」と方位磁針で北を確認しました。「地図は『北が上』になっていますからね」と山梨県の地図を取り出し、そして、テーブルの上に、北を上にして広げました。

 「この辺の基盤になっている石はこれ・粘板岩です」「その上に乗っている主要な石は、この辺・秩父だったら花崗岩、八ヶ岳だったら安山岩、富士山だったら玄武岩です」と、次々と石を取り出しました。そして、受講者に石を回しながら、気づいたことを一言ずつしゃべってもらいました。

・花崗岩「ゴマ模様」「透明と白と黒」「割れやすそう」「きれい」「意外と軽い」「大きさの割には重い」「白っぽい」「ザラザラ」「ガラスっぽい」「いろんな石が混じっている」
・安山岩「重たい」「色は違うけど、似てる」「加工しやすそう」「ツルツル(磨いてあるからねとツッコミ)」「建築材として使われていそう」「ゴマ豆腐みたい」「つぶつぶもある」「墓石にありそう」「硬そう」「粒が細かい」「粒に4色ありそう」「(花崗岩と)同じような粒でできている」
といった意見が出ました。2種類の石を回したことで、「比べて観察できる」という効果があったようです。
 「登場人物」の紹介(?) が終わったところで、「乙女高原の地質の成り立ち」紙芝居を始めてくれました。この紙芝居とそのセリフを時田さんから無償でいただきました。カラーコピーしてラミネートしておきましたので、案内活動で、ぜひ活用してくださいね。紙芝居の中味は省略します。



 で、いよいよ(ようやく?)遊歩道を歩き始めました・・・と思ったら、すぐに立ち止まり、草原の隅をシャベルで堀り、下の方の土を掘り返して、小さなバットにほんの少量入れて、受講者に回してくれました。「見るだけじゃなく、触ったり、匂いを嗅いでくださいね」
 見ると、団粒状になっています。団粒状になっているのは生き物がいる証拠だそうです。この土はもともと富士山の火山灰で、火山灰というのは風化しやすい、つまり、土になりやすいそうです。「だから、火山の近くには高原野菜のおいしいところが多いんですよ」
 黒っぽい色ですが、「色見本」で、詳しい色の名まえを調べました。「こげ茶」か「憲法色」でした。「憲法」色とは変わった色名だなと思い、帰って調べてみたら、「剣術家の吉岡直綱(号は憲法)が広めたとされることからこの名が付いた」のだそうです。

 においをかいでみると、確かににおいがあります「においがあるということは、生きものがいる証拠です」
 この黒い土には「黒(くろ)ぼく土(ど)」という名前が付いています。
 土を多角的に観察すると、おもしろいことが次々に出てくるんですね。

 乙女高原にいっぱいあるシダ植物ヘビノネゴザですが「これは銅イオンを好む植物なので、山師たちはヘビノネゴザの生育から黄銅鉱の存在を予測したそうです」。地質と植物も関連があるんですね。

 ヨモギ頭まで登りました。ここは周囲より高く、要するに「てっぺん」です。「こういう場所では、もともと地面の下にあったものが顔を出している可能性があります」と、表面がたまねぎのようにむけかかっている安山岩を紹介してくれました。たまねぎがむけるように風化していくのが安山岩の特徴だそうです。


 ここでも土を掘って、採取しました。さっきと違って、茶色の土です。臭いがないことから、生物はいなそうです。これは八ヶ岳の噴火によってきたロームで、御岳のロームだったら、もっと黄色いそうです。

 こんな感じで楽しく実習を進めました。
 帰ってきたら、いったん中に入り、自己紹介タイムにしました。これから一緒に活動していく仲間です。お互いを知るきっかけとして、30秒ずつ自分のことをしゃべりました。

 お昼休みを取り、午後からは実習講師の交代です。A班は今度は北垣さんから「乙女高原の動物」について実習を受けました。

ビーバーの頭骨、クルミや松ぼっくりを動物が食べた跡(食痕)など、たくさんの実物に触らせてくれました。これらの「教材」は長く使えるように、そのまま保管しておくのでなく、表面をコーティーング(北垣さんはヤマトのりを使っているそうです)しておくとよいといった、案内活動で活かせるコツも教えていただきました。


 午後の実習から帰り、今度は鈴木さんから乙女高原の活動について説明を受けました。

鈴木さんは詳細な資料を作ってくれたので、帰宅してからも、再度、確認することができます。その後、「案内活動としてやりたいことは何か」をテーマに、ワークシートに各自、自分の現段階での思いを書いてもらいました。このワークシートを使って三日目のワークショップを行う予定です。


 最後に質疑応答したり、次回予告したりして、二日目も楽しく終わりました。

 今回も、「講義/実習の最初の一コマ」しか詳しくレポートすることができませんでした。受講生の皆さん、スタッフの皆さん、養成講座のレポートを書いていただけませんか。「書いて」「発信する」ことによって、「多くの人に伝える」ことができるし、また、「未来に残す」こともできます。やりっぱなしでは風化してしまいます。
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乙女高原案内人養成講座二日目

2024年06月09日 | 乙女高原案内人
 一日目(5/26)は会場が万力公園でしたが、6月9日、いよいよ乙女高原で養成講座の二日目が開催されました。受講生も予定されたスタッフも、全員参加です。今日は参加者を二グループに分け、交替で二つの野外実習を受け、一緒に「自己紹介」や「乙女高原の活動報告/ワークショップ」を行いました。
 講師は、「乙女高原の地形地質」を時田 恵さん、「乙女高原の動物」を北垣憲仁さんにお願いしました。

 午前中は、A班が時田さんの実習でした。時田さんは、最初に「北はどっち? 『せーの』で指差してください」「では、これで確認しますね」と方位磁針で北を確認しました。「地図は『北が上』になっていますからね」と山梨県の地図を取り出し、そして、テーブルの上に、北を上にして広げました。

 「この辺の基盤になっている石はこれ・粘板岩です」「その上に乗っている主要な石は、この辺・秩父だったら花崗岩、八ヶ岳だったら安山岩、富士山だったら玄武岩です」と、次々と石を取り出しました。そして、受講者に石を回しながら、気づいたことを一言ずつしゃべってもらいました。

・花崗岩「ゴマ模様」「透明と白と黒」「割れやすそう」「きれい」「意外と軽い」「大きさの割には重い」「白っぽい」「ザラザラ」「ガラスっぽい」「いろんな石が混じっている」
・安山岩「重たい」「色は違うけど、似てる」「加工しやすそう」「ツルツル(磨いてあるからねとツッコミ)」「建築材として使われていそう」「ゴマ豆腐みたい」「つぶつぶもある」「墓石にありそう」「硬そう」「粒が細かい」「粒に4色ありそう」「(花崗岩と)同じような粒でできている」
といった意見が出ました。2種類の石を回したことで、「比べて観察できる」という効果があったようです。
 「登場人物」の紹介(?) が終わったところで、「乙女高原の地質の成り立ち」紙芝居を始めてくれました。この紙芝居とそのセリフを時田さんから無償でいただきました。カラーコピーしてラミネートしておきましたので、案内活動で、ぜひ活用してくださいね。紙芝居の中味は省略します。



 で、いよいよ(ようやく?)遊歩道を歩き始めました・・・と思ったら、すぐに立ち止まり、草原の隅をシャベルで堀り、下の方の土を掘り返して、小さなバットにほんの少量入れて、受講者に回してくれました。「見るだけじゃなく、触ったり、匂いを嗅いでくださいね」
 見ると、団粒状になっています。団粒状になっているのは生き物がいる証拠だそうです。この土はもともと富士山の火山灰で、火山灰というのは風化しやすい、つまり、土になりやすいそうです。「だから、火山の近くには高原野菜のおいしいところが多いんですよ」
 黒っぽい色ですが、「色見本」で、詳しい色の名まえを調べました。「こげ茶」か「憲法色」でした。「憲法」色とは変わった色名だなと思い、帰って調べてみたら、「剣術家の吉岡直綱(号は憲法)が広めたとされることからこの名が付いた」のだそうです。

 においをかいでみると、確かににおいがあります「においがあるということは、生きものがいる証拠です」
 この黒い土には「黒(くろ)ぼく土(ど)」という名前が付いています。
 土を多角的に観察すると、おもしろいことが次々に出てくるんですね。

 乙女高原にいっぱいあるシダ植物ヘビノネゴザですが「これは銅イオンを好む植物なので、山師たちはヘビノネゴザの生育から黄銅鉱の存在を予測したそうです」。地質と植物も関連があるんですね。

 ヨモギ頭まで登りました。ここは周囲より高く、要するに「てっぺん」です。「こういう場所では、もともと地面の下にあったものが顔を出している可能性があります」と、表面がたまねぎのようにむけかかっている安山岩を紹介してくれました。たまねぎがむけるように風化していくのが安山岩の特徴だそうです。


 ここでも土を掘って、採取しました。さっきと違って、茶色の土です。臭いがないことから、生物はいなそうです。これは八ヶ岳の噴火によってきたロームで、御岳のロームだったら、もっと黄色いそうです。

 こんな感じで楽しく実習を進めました。
 帰ってきたら、いったん中に入り、自己紹介タイムにしました。これから一緒に活動していく仲間です。お互いを知るきっかけとして、30秒ずつ自分のことをしゃべりました。

 お昼休みを取り、午後からは実習講師の交代です。A班は今度は北垣さんから「乙女高原の動物」について実習を受けました。

ビーバーの頭骨、クルミや松ぼっくりを動物が食べた跡(食痕)など、たくさんの実物に触らせてくれました。これらの「教材」は長く使えるように、そのまま保管しておくのでなく、表面をコーティーング(北垣さんはヤマトのりを使っているそうです)しておくとよいといった、案内活動で活かせるコツも教えていただきました。


 午後の実習から帰り、今度は鈴木さんから乙女高原の活動について説明を受けました。

鈴木さんは詳細な資料を作ってくれたので、帰宅してからも、再度、確認することができます。その後、「案内活動としてやりたいことは何か」をテーマに、ワークシートに各自、自分の現段階での思いを書いてもらいました。このワークシートを使って三日目のワークショップを行う予定です。


 最後に質疑応答したり、次回予告したりして、二日目も楽しく終わりました。

 今回も、「講義/実習の最初の一コマ」しか詳しくレポートすることができませんでした。受講生の皆さん、スタッフの皆さん、養成講座のレポートを書いていただけませんか。「書いて」「発信する」ことによって、「多くの人に伝える」ことができるし、また、「未来に残す」こともできます。やりっぱなしでは風化してしまいます。
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乙女高原案内人養成講座 1日目

2024年05月26日 | 乙女高原案内人
 乙女高原養成講座第1日目は、万力公園北の山梨市民会館が会場でした。スタッフに立候補くださった9人が早めに集まり、会場作りや受付の準備をしてくださいました。会館のエントランスは1階ではなく2階、会場は3階です。初めて来られた方が迷わないように、スタッフの駒田さんと鈴木さんが案内板を持って受講者を誘導してくださいました。
 受講者は23名。申し込みは30名ぴったりで、「これだったら誰かに受講お断りの連絡をしなくて済むな」と喜んだのも束の間。キャンセルが続出し、結局23名になりました。23名の皆様、これから三日間よろしくお願いします。

 開講式は、代表世話人・三枝さんのあいさつに続き、スタッフ全員の自己紹介。式に続いてオリエンテーションです。今日の日程や留意事項等を植原が説明しました。

 トイレや準備の時間を取り、いよいよ今日の「1時間目」インタープリテーション野外実習が始まりました。植原は「スタッフ」と書かれた名札をひっくり返して「講師」の名札にしました。

 行ったアクティビティは2つ。一つ目を行うために2列に並んでもらい、そのまま、ちどり湖畔に移動しました。ここで暫く目の前の同じ風景を二人で「観察」します。前列の一人はとにかく一生懸命に風景を覚えます。後列の人は相方に出題するクイズを3つ考えながら見ます。クイズには2つ条件があって、一つは「はい・いいえで答えられる」こと、もう一つは「知識を問わないこと(たとえば「白い木はありましたか」はセーフですが、「シラカバはありましたか」はアウト)」です。3分ほど黙って風景を眺めた後、「クイズを出される側」前列が回れ右して、相方と向き合い、クイズを受けてたちました。どこからも和やかな声が聞こえてきました。

 この「風景描写ゲーム」は、自然観察というと視野が狭くなりがちな私たちの意識を広くすることと、知り合って間もない人たちに会話する機会を「強制的に」作って場を和ませる※という二つの目的で行った」ことを説明しました。
 さあ、攻守交替です。同じ「風景」をネタにしたのでは面白くないので、場所を移動して2ラウンド目を行いました。

※緊張を解くという意味で「アイスブレーキング(氷を解かす)」アクティビティと呼ばれることがあります。

 二つ目のアクティビティは、湖畔の生垣の中からいつの間にか自然に生えてきた木をネタにしました。「生垣から若い木がいくつか出ていますね。生垣のここからここまでの間に何種類の若い木があるかを数えてください。何本…ではなく、何種類ですよ」しばらく時間をとった後に聞いてみると、4種類から8種類ありました。同じ自然を見ているはずなのに、なんでこんなに違うんでしょうね?…それには触れず、次に進みます。
 受講者の皆さんにバインダーとワークシートを配り、トランプを引いてもらいました。この作業はスタッフに音頭をとっていただきました。その間に、私は、若木の幾つかに番号の書かれた荷札をくくりつけました。受講者には、自分が引いたトランプと同じ番号の若木のところに行ってもらい、ワークシートに沿って、まずは葉っぱ1枚をスケッチしてもらいました。
 次に、その若木と「想定問答」してもらいました。想定問答とは、公務員の仕事言葉で、たとえば県議会で議員さんからどんな質問が来るかを予測して、その返答を事前に用意しておくことです。自然は自らしゃべってくれません。ですから、自然観察では、相手の生き物などに聞きたいことを自分で考え、それに対して相手からどんな答えが返ってくるかを観て察しなくてはなりません。それってまさに想定問答だと思いませんか?想定問答の内容もワークシートに書いてもらいました。

 ある程度時間を取って、二つのワークに取り組んでいただいてから、今度は、同じ番号を引いた人、つまりは同じ若木を観察した人で、想定問答の中身を披露しあいました。一人ひとりでスケッチしたり想定問答したりしたのは「自然観察」ですが、それを分かち合えば「自然観察会」です。
 インタープリターとは、何かを教える人・講師…というより、このように、人々が自然に触れ合う機会を作ったり、自然観察したことを他の人と分かち合えるように促したりする人のことです。
 ところで、「若木が何種類あったのか」の答え合わせはしませんでした。受講者の皆さんには、もやもやが残ってしまったかもしれませんね。このように、最後に答えを言ってしまわないような終わり方をオープンエンドといいます。もやもやが次の観察につながります。
 万力公園には立派な森もあるのですが、そこには行かず、会館の玄関から10m以内でプログラムが終了しました。自然観察はどこでもできるんです。

 市民会館の会議室に戻り、2時間目、植原の「講義・インタープリテーション」があり、お昼になりました。午後からは3時間目、伏見 勝さんの「講義・自然の保護」と、

4時間目、古明地登吉さんの「講義・乙女高原の歴史」がありました。

「講義・インタープリテーション」で出てきたワードが再度「講義・自然の保護」でも出てきたことに気づかれましたか?

 全3日間の養成講座の1日目がこうして終わりました。
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学校の子どもたちを乙女高原案内

2023年09月05日 | 乙女高原案内人

 山梨市内の学校が乙女高原を訪れて自然観察学習するのを「乙女高原案内人」がサポートする・・・というのをもう21年続けています。旧牧丘町内の全3小学校を案内する年も7年間続きました。旧牧丘町内の小学校は「笛川小学校」に統合されました。雨で中止になった年はありますが、統合後もずっと5年生を案内しています。


 今年はさらに「日下部小学校」からも案内のリクエストがありました。喜んでお引き受けしました。とはいえ、案内人の減少と高齢化は止められません。これを読んでいる方で「子どもたちと一緒に自然観察を楽しみたい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡をいただきたいと思います。『教えてうえちゃん・乙女高原スペシャル』動画や『乙女高原の自然観察』ガイドブックで事前に「研修」しておくことができますし、なにより、「子どもたちと一緒にお散歩しながら自然を楽しむ」という気持ちが大切だと思います。「何かを教えよう」という態度だと、かえって子どもたちも楽しめません。

 さて、笛川小学校の5年生20人が引率の先生と一緒にスクールバスでいらっしゃったのは9月5日(火)でした。ですが、8月31 日に植原が笛川小学校を訪れて、子どもたちにスライドの写真などを見せながら、乙女高原の今の様子や、草原保全の要となる草刈りの意義や歴史、乙女高原のキーストーン種であるマルハナバチの説明などをしました。こういうのを事前学習といいます。また、このときに担任の先生と打ち合わせをしたので、その結果をもとに、参画する乙女高原案内人の打ち合わせをマルハナバチ調べ隊の終了後に行いました。このような準備をして、当日を迎えたわけです。

 トイレを済ませ、一休み後「はじめの会」が始まりました。司会は子どもがしていました。案内人から一人一言、自己紹介をしました。事前に子どもたちは一人一人の希望をもとにを3つの班に分かれていました。その班ごとに自然観察ハイキンに出発しました。途中で水分補給することを徹底しました。
 ブナ爺班は、案内人の角田さん・松林さんと一緒にブナ爺さんのもとに向かいました。ブナ爺さんのウエストを巻き尺で測って、同じ大きさのわっかがどれくらい広いか確かめていたようです。谷地坊主班は植原がお相手をしました。途中、「なぜ、ここの遊歩道を使わなくなったのか」や「この小さな四角い柵は何なのか」などの説明をしながら、谷地坊主を見に行きました。草原満喫班は芳賀さんや駒田さんと一緒に、草原でじっくりお花たちやマルハナバチを見て来たようです。
 どの班もペットボトルで作った昆虫観察グッズが大活躍。普通、昆虫観察器というとカップ状になっていて、上からしか覗けないのですが、これは全方位から見ることができます。虫を入れる時も口が広いので入れやすいし、このような容器の中に入っていると、虫嫌いな子も顔を近づけることができます。なんといっても、虫を子どもたちの魔の手から(!?)守ることができます。これは滋賀県在住の自然観察指導員が考案したものです。自然観察会でとっても重宝しますよ。

 自然観察ハイキングから帰ってきたら、一休みして、あとは各自で自由に自然観察する時間にしました。各班で帰ってくる時間はまちまちですし、学校でこのような「校外学習」を企画すると、たいがい次から次へとスケジュールをこなすようになっていて、子どもたちの自由時間などないからと考え、設定しました。
 ところが、初めて乙女高原を訪れる子が多かったし、高原とはいえ暑かったので、ほとんどの子は木陰で休んでいました。こういうときは、先生方が「ガキ大将」の役割をして子どもたちを積極的に「追い出す」「誘って連れ出す」のがいいかなと思いました。

 「おわりの会」も子どもたちが司会進行し、私たち案内人も一言ずつ感想を述べさせてもらい、子どもたちとさよならをしました。子どもたちを見送って後、みんなでお昼を食べながら歓談しました。「なかなか孫に会えないからねー。孫と一緒に歩けたようで楽しかったよ」という話が印象的でした。

 日下部小学校の4年生56名が引率の先生方と乙女高原に来られたのは9月12日(火)でした。流れは笛川小とほとんど同じでしたが、もちろん学校によって、例えば児童数や学年、学習のめあてなどが違うので、学校に応じてカスタマイズしています。


 たとえば、日下部小は56名と子どもの数が多いので3班ではなく、4班にしました。ブナ爺班:角田・松林、谷地坊主班:植原、草原満喫班:駒田のほかに、案内人の鈴木さんにお願いし、草原が森に変わらないヒミツを探っていく草原の謎班を新たに作りました。
 また、日下部小の方が笛川小より遠いので、後半の自由時間が少なくなりました。しかも、結局、大人数でトイレの時間がかかり、自由時間はほとんどとれませんでした。でも、臨機応変でいいのです。スケジュールは絶対的なものではなく、あくまで目安です。とはいえ、「終わる時刻」は厳守です。

 子どもたちを見送った後、案内人のみんなでお昼を食べました。来年、もっと多くの学校から案内リクエストがあるといいですね。

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