乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

春の自然観察会

2024年05月12日 | 観察会
 観察会を運営してくださった井上さんがレポートを書いてくださいました。

 午前中の遊歩道づくりがとても手際よく進み、11時前にすべてのコースのロープ張りが終了しました。午後の観察会は早めに始めたらどうかという声もありましたが、午後のみ参加する人もいることを考慮して、ゆっくりお昼を食べ、予定通り午後1時から開始しました。参加者は16名です。

 草原はようやく緑が萌え始めましたが、まだほとんど枯草色です。乙女高原のカンバ3兄弟はこの時期、それぞれに様子が異なっています。高山性のダケカンバはまだ芽吹き、最も低地性のシラカンバは葉が緑に、中間のヤエガワカンバの葉は黄緑色。そんな違いを見てもらい、草原に入りました。最初に目に入ってきたのは黄色いキジムシロ、そして、鹿柵の際にはつんと伸び始めたヤナギランの芽。森のコースを進んでいくと、ピンクのテープが結ばれた番号札がいくつかあります。これは、この芽は何の植物なのかを調べるためのもので、あれこれ予想をしながらも何かよくわからないので、成長していくのが楽しみです。興味を持ったら、時々、成長の様子を見にいかなくてはなりませんね。
 森の中に入ると、点々とタチツボスミレやエイザンスミレが咲いています。またシロバナエンレイソウがまとまって数本咲いていました。サナギイチゴには、コマルハナバチが吸蜜に来ていました。

昆虫も活動を始めています。さらに登っていくと、マイヅルソウの葉が群生していました。つぼみのついたものもたくさんあり、咲くのが楽しみです。森を抜けたところには毛むくじゃらの三角形の葉がありました。セイタカトウヒレンのようです。美しいサクラスミレが咲き始めていました。

またエゾノタチツボスミレはまだ花は咲いていませんが、茎や葉が立ち上がっていました。

 展望台に出ましたが、曇り空で残念ながら富士山は見えません。それでブナ爺さんまで行ってみることにしました。

よもぎ頭では御料局の三角点があることから、もともとは皇室の持ち物であったのが、明治時代に起きた大洪水の被害を憂えた天皇陛下から下賜され、恩賜林(県有林)になった名残であることの説明をしました。
 ブナ爺さんに下る道の両側のミヤコザサは鹿の食害ですっかり背丈が小さくなってしまっています。ブナ爺さんのところには、倒木がありました。キツツキの仲間がつついて、とても大きな穴が開いていた枯れ木がついに倒れてしまったのです。倒木はキツツキの仕事ぶりがよくわかります。のみで掘ったように長くて深い穴になっていました。けずりかすもたくさん落ちていました。

ここではオオルリのさえずりが聞こえてきました。どこにいるのかみんなであたりをキョロキョロ。なかなか探せない中、角田さんが発見しました。皆で「どこどこ?」角田さんがあの木の何番目の枝の所などと説明するのですが、なかなか見つけられずにいるうち、オオルリが少し飛んで位置を変えたら、ようやく見ることができました。瑠璃色の美しい色と美しいさえずりに皆でしばらく見惚れ、聞き惚れていました。

 草原に戻って、草原のコースを下りました。いろいろな植物の芽が出始めていましたが、咲いているのは黄色いキジムシロやミツバツチグリです。春先は黄色い花が多いような気がします。春に咲く花は「虫媒花」といって昆虫に受粉を手伝ってもらう花が多く、花たちが昆虫を惹きつけるための工夫が、色と匂いなのだそうです。早春にいち早く活動を始めるアブやハエは、黄色い色に敏感だそうで、春には鮮やかな黄色い花が多いのですね。
 ロッジに近づいてきて、駐車場に向かう三差路を過ぎたあたりには、遊歩道の左右にヤナギランの芽がツンツンたくさん出ています。夏が楽しみになってきました。
 1時間半くらいかけて、草原を一回りして、いろいろなものを見ることができ、楽しい観察会になりました。
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第25回遊歩道づくり

2024年05月12日 | 遊歩道作り
 翌日は雨でしたから、5/12(日)に「乙女高原の遊歩道づくり」が実施できて、本当によかったです(去年は雨で延期だったし)。じつは今年で25周年。ここ11年間で一番多い76人もの乙女高原ファンが集結してくださいました。

 予定通り、9:00から市・県・ファンクラブのスタッフで打ち合わせをし、スケジュール等を共有しました。受付にどんどん参加者が来てくださり、作業手袋やペットボトルのお茶を渡し、作業箇所を割り振りました。受付スタッフの皆さん、慣れたものです。受付が終わったら、ロッジの庭に打ち込んだ杭を使って、ロープを結ぶ練習です。ロープを使った保全策をとっている地域の中には、穴が開いている杭を使って、その穴にロープを通すようにしている所もありますが、乙女高原では伝統的に、杭にロープを結ぶだけでロープ張りをしています。とっくり結びという結び方で、いったん結ぶとなかなか解けない結び方です。

 9:30には、山梨市観光課長・武川さんの司会ではじめの会スタート。

山梨県峡東林務事務所長・深水さんのあいさつ、山梨市長・高木さんのメッセージに続いて、植原から今日の作業の手順や留意点を説明しました。はじめの会後、(株)田丸グリーン基金様から今年も助成金をいただきました。

 そして、いよいよコースごとに作業開始です。乙女高原の遊歩道は「ツツジのコース」「草原のコース」「森のコース」という3コースがあり、受け付けで参加者を振り分けてありました。スタッフの指示で、杭やロープを持ち、作業箇所へと向かいました。

 例年、「ロープが絡まってしまいました~」という報告が複数あるのですが、今年はゼロ。一番長いロープは新しいロープで200mあったのですが、それも「無傷」でした。多くの皆さんが参加してくださったので、かえって一人当たりの作業量が少なくなってしまったようです。草原内に生えてきている若木を伐ったり、古い杭や去年の秋に伐った木々を林の奥に運んだり・・・と、やっていただきたい作業はロープ張り以外にもたくさんあります。来年の参考にしてください。

 草原コースのロープが足りなくなってしまいました。仕方がないので、ツツジのコースから譲ってもらいました。おっかしいなあ。ロープの端には色付きのテープが付けてあり、それぞれのコースが足りなくならないように分けてあったはずなのに。でも、こんなハプニングが起こるのも、人がやっていることだからこそ。誰かの悪意でこうなったわけでないことは明らかなので、むしろハプニングを楽しんじゃいましょう。


 作業は順調に進み、予定より早い11:00には終わってしまいました。再び武川課長さんの司会で終わりの会を行い、乙女高原ファンクラブ代表世話人・角田さんのお礼のあいさつ、同じく三枝さんの諸連絡を聞いて、すべてのプログラムを終了しました。

 中・高・大学生の希望者には「ボランティア参加証明書」を発行しています。その説明をしました。去年の秋の草刈ではいちいち住所や名前を紙に書いてもらい、そこに発行した証明書を発送しましたが、今回はグーグルフォームを用意し、そこにリンクするQRコードをプリントした紙を渡しました。フォームに各自で氏名や住所を書き込んでいただくようにしたのです。これだと間違いがないし、個人情報の管理もしやすいです。11人の高校生に証明書を発行することができました。

 高校生の皆さんからこんな感想をいただきました。紹介します。

・普段見ることのない自然に囲まれながら作業することができ楽しかった
・乙女高原に観光にくる人が増えるといいと思いました。
・寒かったけど楽しかったです。
・初めて会った人や友達と楽しくロープを繋げたりすることができた
・普段山に行かないので遊歩道が定期的に整備してくれている人達がいることを知り、ロープを上手く張れた時の楽しさも知れて貴重な体験ができたと思いました。最後は交友も出来て楽しめました。
・山や公園でよく見る遊歩道を作る手伝いができて新鮮な気持ちになれていい経験になったと思う。
・貴重な経験ができました。大人のみなさんが話しかけてくださったおかげで楽しくできました。また自然に触れることで心身のリフレッシュにもつながり普段では味わえない清々しい空気や景色に心が癒されました。あと、楽しみが1つ増えました。乙女高原に植物たちが綺麗な花を咲かせるのが待ち遠しいです。
・ロープ結びという新たなスキルを身につけられてよかった
・乙女高原のボランティアは2回目の参加でした。子供でも参加しやすい雰囲気で、とても良いボランティアだと思います。
・色々な経験ができて楽しかったです。



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