乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

櫛形山のシカ柵と新登山道を見てきたよ

2013年09月14日 | シカ対策

 昨年設置されたという櫛形山の大きなシカ柵,ようやくこの日見に行くことができました。やっぱ自分の目で見ないと実感が湧きませんね。
 ウチから南アルプス市の街中まで車で1時間,そこから林道をさらに1時間。登山道入り口に到着しました。あれ,入り口のすぐ近くにさっそくシカ柵。しかも,あれ,カラマツ林の中,なぜ? 以前来たときにはここにサラシナショウマが咲いていたので,それを守ろうとしたのかな?と思いました。




 櫛形山でもう一つ気になっていたのは,新しく作られた登山道。自然保護の観点から問題にもなったところだったので,そこも実際に歩いてみようと思いました。入り口に,登山道に入った人をカウントするセンサーが設置されていました。2つのセンサーが横に並んでいたので,入る人と出る人を別々にカウントしていると思いました。上にソーラーパネルが設置されていました。




 歩いてみると,異様に平らで(でこぼこがない),無用に平ら(傾斜がない)(失礼)でした。あまりにも平ら(傾斜なし)なので,その分,距離が長くなっています。距離が長くなっているということは,その分,登山道を作るために斜面を削って法面(のりめん)面積がより広くなるということです。「ここは階段か何かを作れば,こんなに斜面を削らずに済むのに」と思いました。あまりにも平ら(でこぼこがない)な理由がわかりました。帰ってネットで調べてみると,車椅子の利用を想定しているのだそうです。舗装してあるみたいでしたが,台風が通り抜けたあとだったので,表面には砂や泥の乾いたのがたまっていました。メンテナンスがたいへんだと思いました。それに,こんな山奥の登山道にまでバリアフリーなんて・・・。なんでもかんでもバリアフリーではなく,TPOを考えるべきです。ここでは自然保護をもっと優先度高く考えるべきです。「もの」でのバリアフリーではなく,たとえば,大勢で車椅子を運ぶといったマンパワーでのバリアフリーなど,別のバリアフリーを考えるべきです,ここでは。





 平らな登山道は展望台まででした。ここから北岳は見えましたが,白根三山のあとの2山は見えませんでした。双眼鏡でみると,鞍部にある北岳山荘の赤い屋根が見えました。




 そこを過ぎると,急坂。しかも,下りです。階段か木のステップが欲しいところです。滑って,とても危ないです。手すりの代わりにロープを張って,ところどころ結び目を作っていました。応急策としては適切です。でも,手袋がないので,手の皮がすれてしまいました。沢の真ん中を道が下っているところもありました。登ったり、下りたりが激しかったです。サルナシの実が落ちていました。食べたら元気になりました。


 9時10分にスタートし,シカ柵のあるアヤメ平に着いたのは11時10分でした。シカ柵の中には草が生えていますが,外は刈り払い機で刈ったみたいになっていました。マルバダケブキの葉の柄だけがポツポツポツと生えているって感じです。




 柵を観察しました。高さ2mのプラスチック製のポールが2m間隔で立っています。ネットは黒いプラスチック(ビニール?)。ところどころ光っています。光っている銀色の部分は金属製みたいでした。網の目は10㎝。網の下側は外側に広がっていて,ところどころ,ペグで止めてありました。
 扉は開くと自動的に閉まるようにっていました。外には開くけど,内側には開きません。中に入りたいシカのことを考えると当たり前なのですが,その当たり前のことが大切だと思いました。開け閉めのレバーには重りが付いていて,鍵が掛けやすいようになっていました。




 中に入って,「アレ?」と思いました。シカ柵の中には草は生えていましたが,ほとんどがイネ科。いわゆるきれいなお花が咲く植物はほとんど見られません。




ところが・・・少し歩いたら,シカ柵が出てきました。今,シカ柵の中を歩いているわけですが,シカ柵の中にシカ柵がある・・・シカ柵の二重構造というわけです。で,その(内側の)シカ柵の中には,あふれるばかりのきれいな花が咲く花,花,花。もう花の最盛期は過ぎていましたから,もう少し前に訪れることができれば,すごかったと思います。ということは,あと2シーズンも過ぎれば,大きなシカ柵の中も,植物たちが回復するのでしょうか??




 避難小屋の前でお昼のおにぎりを食べ,裸山へ。小屋のすぐ裏がシカ柵の出入り口になっていました。サルオガセがわんさか付いている木をたくさん見ました。ほんと,トロロコンブみたいです。
 ところどころ,芝生の中にところどころ木が生えているポケットパークみたいなところがありました。黒く見えるところがあるのは,シダの地下茎に違いありません。生えていた草がシカに食べられてしまい,芝生みたいになり,シダまで食われているなんて,すごい状況です。




 乙女高原ではシカが食べてないマルバダケブキですが,ここ櫛形では,マルバダケブキの葉がどんどん食われてしまい,まるでマルバダケブキの墓標が林立している墓地のように見えます。




 裸山に着きました。ここには5年前からシカ柵が設置されています。びっくりしました。シカ柵外は草がなく,土壌流失も止まっていませんでした。そして,柵の中は・・・たくさんの花が咲いていて・・・。トリカブトがいっぱい咲いていて,そこに30を越えるマルハナバチが来て,盛んに蜜を吸っていました。いやー,マルハナバチたち,天国でしょうね。




 ところどころ,とて太いテンカラ(天然カラマツ)の木があります。



 また,ナナカマドの赤くてかわいい実が落ちているのを,いろんなところで見ました。
 センチコガネが飛んでいるのを3回も見ました。最初はハチが飛んでいるのかと思いましたが,それにしては体が重そうなので,追跡したら,センチコガネでした。糞が多いのかな?

 櫛形山山頂を経由し,車を置いた場所に帰ってきました。14時20分でした。
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