レモンの創造

　　　　　あなたのために
　　　　　白い服を着て
　　　　　待ち合わせの
　　　　　喫茶店に行った

　　　　　コーヒーを注文する
　　　　　ふたりともコロンビア
　　　　　いつものように
　　　　　あなたはブラック
　　　　　わたしはちょっぴりのお砂糖

　　　　　お砂糖を入れたところで
　　　　　ふと目が覚めた
　　　　　朝になっていた
　　　　　そしてなぜか大好きな
　　　　　高村光太郎の
　　　　　「レモン哀歌」のレモンが
　　　　　目の前に見えた
　　　　　それはもはや
　　　　　「レモン哀歌」ではなかった
　　　　　高村光太郎が智恵子のために
　　　　　用意した一個の美しいレモン
　　　　　それがあなたとわたしのレモンになっていた

　　　　　わたしとあなたは輝くレモンだ

　　　　　あなたは一個のレモン
　　　　　わたしも一個のレモン

　　　　　そして
　　　　　ふたつのレモンは
　　　　　同時に一個である
　　　　　それは
　　　　　神が創った　　
　　　　　宇宙の重さである




　　　　　↓；レモンのすっぱさにクリック。
　　　　　　




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