砂漠の砂の
ひとつぶは
死んでしまった
海のなみだでしょうか
それとも
死んでしまった
空のなみだでしょうか
それとも
死んでしまった
星のなみだでしょうか
いいえ
それは
いま生かされている
わたしのなみだ
☆★☆★ ☆★☆★ . . . 本文を読む
あと少しで
山茶花の季節も終わる
北斗七星の大きな柄杓が
悠々と立つ
あの大きな大きな柄杓は
どれだけのいのちを
すくい上げているのだろう
どれだけのいのちを
抱えているのだろう
北斗七星に向かって
問いかけてみた
そうしているうちに
庭のチューリップの芽が出てきた
そこに . . . 本文を読む
わたしの病んだ体の内で
神さまの鐘が鳴る
いろいろな音色
しかし鐘はただひとつだ
朝は金の色
昼は叫びの色
夜は祈りの星の色
ああ
今日も一日
人にいのちが与えられた
ああ
今日も一日
すべての生き物にいのちが与えられた
天と地のいのちが……
☆★☆★ ☆★☆★ . . . 本文を読む
〈天地創造〉
光を創造し
光をお与え下さる天の神さま
光を受け取るのが
やっとのわたし
しかし
神さまは見て良しとされた
わたしが
感謝の気持ちを神さまに捧げる時
☆★☆★ ☆★☆★
〈病〉
わたしが神さまから
与えられた この病は
創 . . . 本文を読む
わたしは
子供のように泣きながら
あなたに
手の傷を見せた
あなたは
薬をつけて
包帯をしてくれた
わたしが
やっと泣きやむと
あなたは
笑いながら
自分の背中の傷を
見せてくれた
すると
わたしの手の傷は
痛くなくなってしまった . . . 本文を読む
泣いている人の手を
そっと
にぎってみたら
かなしみといっしょに
やさしさが
伝わってきたので
いつも冷たいわたしの手が
すこしばかり
あたたかくなった
☆★☆★ ☆★☆★ ☆★☆★ ☆★☆★
あなたは
あなたという鏡に
うつったものを
正確に
. . . 本文を読む
なみだがでてしまうのを覚悟して
タマネギをきざむと
なみだがでないですむことがある
なみだがでてしまうのを覚悟して
日記を読み返すと
なみだがでないですむことがある
なみだがでてしまうのを覚悟して
神さまに祈ると
なみだがでないですむことがある
しかし
何気なく
夜空の星々を見上げると
. . . 本文を読む
人が
何かを読まずには書かずにはいられない理由って
何だろう
いろいろな人に聞いてみる
なんとなくわかりそうな
なんとなくわからないような
人それぞれみんなちがう
一見同じように思える時もある
でも確かにみんな違うのだ
ちょうど夜空の星々のように
ひとつ ひとつ
色がちが . . . 本文を読む
待つことをやめてしまったわけじゃないんです
待つことにつかれてしまっているだけなんです
何度も呪いました
何度も欺きました
何度も裏切りました
何度も殺しました
そして何度も忘れ去ろうとしました
でも
何をしようと
何をしているときでも
いっときいっときの今の中に
どうしても時の向こうを見てしまう
どうしてもあ . . . 本文を読む
森が 空が 風が
語り始めると
わたしは
語れなくなった。
だから
聞くことしか
できなくなった
わたしは彼らのように語れる言葉を
持ってはいなかったのだ
だから
ただ聞くことしか
出来なくなった
そして
聞くことは
ただひとつの
. . . 本文を読む