旨い処探索同好会

アトリエ葉神 公式 ブログ・サイト

日記 010 カントリー・リビング その3-クマ騒動

2011年10月30日 20時30分32秒 | 日誌


先回のブログ投稿以来はや3週間だがレイトンビルでは、あのとき以来秋晴れの天気が続いている。
一週間程前に久しぶりに下の池まで散歩に出かけた。 以前はほぼ毎日散歩でここまで来ていたのだが、ここ数ヶ月は諸々の理由で散歩の回数を増やすためにコースを短く変えたので暫くここまで来てなかった。



この池はここに移ってきて最初に作ったものだ。 もともと低くなっていた処を掘り下げて拡げたので、左側の盛り上げた土手以外は周りの環境に自然に溶け込んでいる。 出来た当時はトラックで池の回りを一周出来たが、今では木が茂ってしまって歩くのがやっとである。
池の近くの散歩道で、まだ新しい大きなクマの糞を四カ所で見つけた。 これで最近になって毎晩、犬が夜になるとずっと吠え続けていた理由が解った。 池の奥の林は人がほとんど行かないのでクマが住み着いた可能性がある。



一昨日、お隣さんから電話があった。 クマが出回っているのを知っているかと聞くので糞の話を伝えると、ドッグフードが袋ごとクマに持って行かれたと興奮して話してくれた。 フェンスもいたる所で壊されていたそうだ。 
日本でもドングリが今年は不作でクマが里に出てきて問題を起こすケースが増えている様だが、この辺りでもエーコーン(Acorn)と呼ばれるOakの実が例年に比べると小さくて少ないような気がする。



早速、ご近所さんを誘って池のまわりの様子を見に行くことにした。 ひょっとして池のそばの林にいるかもしれないので、エアー・ホーンを鳴らしながら行くことにした。 最悪のケースを考えて拳銃を持っていくことにした。



ご近所さんのピストルは、かなり古そうな9mmのゲルニカ・アストラ(Guernica Astra)で、ピカソの描いた壁画「ゲルニカ」で有名になったスペインのゲルニカで製造されたそうだ。



私のリボルバーは、357マグナムでブラジル製、15年程前に知人から形が気に入ったので買ったもので、その時以来一度も使ったことがない。 どちらもクマに対しては頼りないがいざと言う時に、まぁないよりはましだろうと言うことで持って行くことにした。

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日記 009 カントリー・リビング その2

2011年10月09日 11時34分42秒 | 日誌


田舎住まいは自然の環境が多く、色々な生き物との接触がある。 初めのうちは物珍しくて良かったけれどその内問題も出てきた、全ての生き物との共存共栄が理想だろうが現実はもっと複雑である。



鳥も色とりどりいるが我が家で一番目立つのは、ブルー・ジェイ(Blue Jay)である。 日本ではカケスと言うと聞いた事がある。 毎日5~6匹ドッグ・フードを2~3粒盗んで行く雑食の図々しい鳥である。 昔はBBガン(空気銃)で追っ払っていたがきりがないので止めた。



この辺りでは二種類いてうちでは勝手に丸頭と三角頭と呼んでいるが、我が家をテリトリーに治めているのは丸頭である。 たまに三角頭が来ると大変な騒ぎになる。 この鳥の鳴き声は豊富だが、こういう時は仲間を連れてきて「ギャァ、ギャァ」とかん高く騒々しい。



その丸頭のカップルが納屋に巣を作っていた、どうやら一匹無事に育ったみたいだ。 夏にはアトリエの前の水入れに親と一緒に水を飲みに来ていた。 今はもう大きくなって親と区別がつかない。





この辺りのどの野菜畑でもゴーファー(Gopher)による被害は大きく悩みの種なので、我が家では「モグコウ」と敵対心を込めた名前で呼んでいる。 以前目の前でまだ植えて間もない日本茄子「一番」の小さな苗が揺れたかと思うとあっという間に地中に引き込まれて行ったのを今でも鮮明に覚えている。 



裏の広っぱにゴーファー(Gopher)がいっぱいいて、4匹いるうちの一匹がオーストラリアン・シェパードの雑種なので、どうやらモグラ狩りが得意らしい、どきどき捕まえてくる。





そしてスカンク(Skunk)が多いのもこの辺りで、隣町のウイリツ(Willits)には観光用にスカンク・トレイン(Skunk Train)と呼ばれる鉄道が太平洋岸の町フォート・ブラッグ(Fort Bragg)まで走っている。



うちの10エーカーの土地の1/3は犬たちが出られないようにフェンスをしているが、どう言う訳かスカンクがしょっちゅう入って来て犬どもと喧々がくがくの騒動を起こす。 今年はスカンクの子供三匹が犬の犠牲になった、親がチャンと教えなかったか運が悪かったのか、それとも多く生まれすぎたのか、ウサギは何度もあったがスカンクを捕まえたのは今までにはなかったことだ。



特に2匹の雌が狂ったようになる。 何度も臭いやつをかけられて頭に来ているからだ、何度かけられても追いかけている。 あの鋭い嗅覚で犬はどうやってスカンクの匂いに耐えているのか不思議である。 最近では、丁度秋場所千秋楽結びの一番の時ものすごくにおって来たのを覚えている。
フリーウェイを走っていても車にひかれているスカンクをよく見る。 そう言えば子供の頃にスカンクの一発ってどんな匂いなんだろうと思ったことがあるが、しょっちゅうかがされるとは想像もしていなかった。





我が家で一番涼しい処は、アトリエの前の木陰である、風通しがすこぶる良いのだ。
夏の暑い午後はよくここでノンビリして「三時のおやつ」をするのだが、ある日風で揺れていたので初めて気がついた。



以前、ポンプ・ハウスの軒下に大きな巣が見つかったが、今回のはそれより少し大きそうだ。



多分、イエロー・ジャケット(Yellow Jacket)の巣だと思う。 あれだけ上の方だと嵐の時などかなり揺れる、この冬の雨季をどう乗り越えるのか気になる。



そう言えば月曜日の大雨でワイヤレス・ブロードバンドのコネクションが切れた。 接続会社に電話すると山の上では雹が降っていてアンテナに登って部品を代えることが出来ないと言って修理に一日半かかった。 そして一昨日にはもう霜が降りた。 夏から秋を一気に通り越して冬になったみたいだ。


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日記 008 モントレー  門戸礼  Monterey

2011年10月03日 11時26分58秒 | 日誌


又々暫くサイバースペースから席を外してしまった。 しかし雨季も始まった事だし外も暗くなるのが早くなったので、オンラインの時間も増えそうだ。 

一週間前、9月最後の土曜日にガーデン・チェアーやハンモック、外に出していた道具など濡れては困るものを納屋や物置に取り込んだ、翌日の雨の予報が的中していいお湿りであった、そしてこの雨が今年の雨季を告げる最初の雨で、一週間後の10月最初の土曜日にまた雨、来週月曜日から雨の日が続く予報、例年通り北カリフォルニアの雨季の始まりである。  



外の物を片付けたついでに行きたいと思っていたモントレー・ミュージアム・オブ・アート(Monterey Museum of Art)でのエドワード・ウェストン写真展を観に行くことにした。 出発は27日で、モナコ・バタフライの越冬で有名なモントレー半島の端パシフィック・グローブ(Pacific grove)のモテルに一泊して翌28日に美術館でゆっくりしてからサン・フランシスコに寄って日本食を買い込んで帰る計画だ。



エドワード・ウェストンは一時カーメルにスタジオを構えていたので、モントレー・カーメルでは
当地のローカル・アーティストである、ここレイトンビルから車で約5時間半の距離なので、オリジナルの芸術作品を見ることは滅多に無いのでチャンスである。
モントレー・カーメルにはむかし何度も行ったことがある、しかし今回はなんとほぼ20数年ぶりなので主要な道以外は殆ど忘れていて地図を見ながら何とかこなした。

お天気は、最高のドライブ日和でとても快適でした。 ハイウェー101でサン・フランシスコまで行った、金門橋のサン・フランシスコ側でアプローチ変更の大工事をしていた以外は別にイベントもなく、久しぶりに日本町で日本食のお昼。



それから市街地を抜けて280へ、フリーウェイ280号線は湾岸を走る101と平行してサン・フランシスコからサン・ホゼまで走っているが、丘の中腹を走る広いフリーウェイで最新のベンツやBMWが65マイルの処を75マイル以上でガンガン飛ばしている。 左手眼下に高級車が吸い込まれていくシリコンバレーを見ながらサンノゼまで一時間南下。 そこでルート17に移り西へ山越えしてサンタクルーズの町へ、そこでハイウェイ1で太平洋を右手に見ながらモントレーまで南下。


セーマイ・トラック(Semi-trailer Truck)のエイティーン・ウィーラー(18 Wheeler).



モントレーに入る前、ハイウエイ・ワンの両側は広大な野菜畑でキャベツ、ブロッコリー、レタス、イチゴやアーティチョークなどが、まるで工場で生産されているように草一本生えていない畑に整然と並んで植えられていて、何となく異様な感じの風景でした。 全く味のないスーパーで買った真っ赤に熟れて大粒な円錐形のイチゴを思い出してしまいました。



二度程表にいた人に道を尋ねて何とかモテルにチェックイン、夕方前にはモントレーの町に繰り出す。
国吉康雄回顧展のカタログを訳してから気になり始めた事の一つが外国語のカタカナでの表示で、ここの「Monterey」が、「モンテレイ」ではないかと思うけれど何故か「モントレー」が普通になっている。 



モントレーと言えば、1945年(昭和20年)に発表されたジョン・スタインベック(John Steinbeck)の「缶詰工場」(Canary Row)が有名で、私のお気に入りの本の一冊です。 そのキャナリー・ロウを訪ねたのはもう日もだいぶ傾いた夕方の始まり頃で、歩く人影もそれ程多くなかった。



その後、ダウンタウンでバザールに出くわしたので車を駐めて、チーズにほうれん草とマッシュルームのクレープを食べたり地元産のブドウを買ったりしてモテルに帰った時には外は暗くなっていた。
シー・ブリーズ・ロッジと言うこのモテルは耳を澄ますと太平洋の波が打ち寄せる音が聞こえる。 



本命のエドワード・ウェストン写真展は素晴らしかった。 美術館と言っても何となく個人の家を改造した大型ギャラリー風で、エントランスや中庭はスパニッシュ風であった。
ウェストンの作品は、多くは初めて見るものだったが見慣れた作品もあった。 どの写真も丁寧に制作されていて、その密度の濃さに驚いてしまった。 どれもノート大の大きさだが写真の向こう側に実物大の大きな世界があるように深い奥行きがある。 トーンも白と黒の間に無限のヴァリュエーションあるように見える。 そして写真の下にウェストンのサインを見ると長い時間の流れを思ってしまう。 久しぶりに良いものを見た感があった。



ここからモントレー・ミュージアム・オブ・アート(Monterey Museum of Art)の写真:
















楽しかった時間の余韻を残しながらモントレーを後にした。 モントレーを出る前にガソリンを満タンにして、我が家に着いた時には半分ほどになっていて車のオドメーターは288マイル(約460キロ)になっていた。 サンタ・ローサ前でかなりの渋滞に出くわしたが、まだ明るい6時半には無事帰宅、久しぶりの我が家のQKB(休憩日)は最高でした。

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