又々暫くサイバースペースから席を外してしまった。 しかし雨季も始まった事だし外も暗くなるのが早くなったので、オンラインの時間も増えそうだ。
一週間前、9月最後の土曜日にガーデン・チェアーやハンモック、外に出していた道具など濡れては困るものを納屋や物置に取り込んだ、翌日の雨の予報が的中していいお湿りであった、そしてこの雨が今年の雨季を告げる最初の雨で、一週間後の10月最初の土曜日にまた雨、来週月曜日から雨の日が続く予報、例年通り北カリフォルニアの雨季の始まりである。
外の物を片付けたついでに行きたいと思っていたモントレー・ミュージアム・オブ・アート(Monterey Museum of Art)でのエドワード・ウェストン写真展を観に行くことにした。 出発は27日で、モナコ・バタフライの越冬で有名なモントレー半島の端パシフィック・グローブ(Pacific grove)のモテルに一泊して翌28日に美術館でゆっくりしてからサン・フランシスコに寄って日本食を買い込んで帰る計画だ。
エドワード・ウェストンは一時カーメルにスタジオを構えていたので、モントレー・カーメルでは
当地のローカル・アーティストである、ここレイトンビルから車で約5時間半の距離なので、オリジナルの芸術作品を見ることは滅多に無いのでチャンスである。
モントレー・カーメルにはむかし何度も行ったことがある、しかし今回はなんとほぼ20数年ぶりなので主要な道以外は殆ど忘れていて地図を見ながら何とかこなした。
お天気は、最高のドライブ日和でとても快適でした。 ハイウェー101でサン・フランシスコまで行った、金門橋のサン・フランシスコ側でアプローチ変更の大工事をしていた以外は別にイベントもなく、久しぶりに日本町で日本食のお昼。
それから市街地を抜けて280へ、フリーウェイ280号線は湾岸を走る101と平行してサン・フランシスコからサン・ホゼまで走っているが、丘の中腹を走る広いフリーウェイで最新のベンツやBMWが65マイルの処を75マイル以上でガンガン飛ばしている。 左手眼下に高級車が吸い込まれていくシリコンバレーを見ながらサンノゼまで一時間南下。 そこでルート17に移り西へ山越えしてサンタクルーズの町へ、そこでハイウェイ1で太平洋を右手に見ながらモントレーまで南下。
セーマイ・トラック(Semi-trailer Truck)のエイティーン・ウィーラー(18 Wheeler).
モントレーに入る前、ハイウエイ・ワンの両側は広大な野菜畑でキャベツ、ブロッコリー、レタス、イチゴやアーティチョークなどが、まるで工場で生産されているように草一本生えていない畑に整然と並んで植えられていて、何となく異様な感じの風景でした。 全く味のないスーパーで買った真っ赤に熟れて大粒な円錐形のイチゴを思い出してしまいました。
二度程表にいた人に道を尋ねて何とかモテルにチェックイン、夕方前にはモントレーの町に繰り出す。
国吉康雄回顧展のカタログを訳してから気になり始めた事の一つが外国語のカタカナでの表示で、ここの「Monterey」が、「モンテレイ」ではないかと思うけれど何故か「モントレー」が普通になっている。
モントレーと言えば、1945年(昭和20年)に発表されたジョン・スタインベック(John Steinbeck)の「缶詰工場」(Canary Row)が有名で、私のお気に入りの本の一冊です。 そのキャナリー・ロウを訪ねたのはもう日もだいぶ傾いた夕方の始まり頃で、歩く人影もそれ程多くなかった。
その後、ダウンタウンでバザールに出くわしたので車を駐めて、チーズにほうれん草とマッシュルームのクレープを食べたり地元産のブドウを買ったりしてモテルに帰った時には外は暗くなっていた。
シー・ブリーズ・ロッジと言うこのモテルは耳を澄ますと太平洋の波が打ち寄せる音が聞こえる。
本命のエドワード・ウェストン写真展は素晴らしかった。 美術館と言っても何となく個人の家を改造した大型ギャラリー風で、エントランスや中庭はスパニッシュ風であった。
ウェストンの作品は、多くは初めて見るものだったが見慣れた作品もあった。 どの写真も丁寧に制作されていて、その密度の濃さに驚いてしまった。 どれもノート大の大きさだが写真の向こう側に実物大の大きな世界があるように深い奥行きがある。 トーンも白と黒の間に無限のヴァリュエーションあるように見える。 そして写真の下にウェストンのサインを見ると長い時間の流れを思ってしまう。 久しぶりに良いものを見た感があった。
ここからモントレー・ミュージアム・オブ・アート(Monterey Museum of Art)の写真:
楽しかった時間の余韻を残しながらモントレーを後にした。 モントレーを出る前にガソリンを満タンにして、我が家に着いた時には半分ほどになっていて車のオドメーターは288マイル(約460キロ)になっていた。 サンタ・ローサ前でかなりの渋滞に出くわしたが、まだ明るい6時半には無事帰宅、久しぶりの我が家のQKB(休憩日)は最高でした。