「おおおっ!・・・上がりましたね!」
「まぁ・・・へへへ・・・・、もう片付けるから・・・」
50㎝近い石鯛をバッカン横たわらせた、文字通り恵比須顔の石鯛師と入れ替わるように入磯。
「じゃあ、・・・頑張ってくださいな・・・」
恵比寿様を見送って向き直ると、壮大な夕景が広がっていた。
海釣りをやっているので、海の夕景には馴染みのあるほうだが、今回は過去のベスト3に入りそうな景観だった。
しばし、見とれているうちに、生卵の卵黄のような太陽がツルリ・・・と落ちて、次第に暗闇の支配が広がっていく。
今夜は、久しぶりの単独釣行で、日曜の夕方ということもあり、声の届きそうな範囲に他の釣り人は居ない。
風は弱く、背後から、もう少し波けが欲しいくらいの凪だ。
18時過ぎに開始、最初は付け餌なしで5投ほどコマセを投入後、付けエサに青イソメを付けて流す。
回収すると、付けエサがない。
餌取り・・・・フグかな?
前回の釣行ではほとんど居なかったのに・・・
釣り座こそ違うものの同じエリアなので、一週間でこうも変わるか・・・
このままでは、持参した青イソメがもたないので、オキアミとバイオベイトを抱き合わせるように針付けしたものと交互に投入することで対応する。
ようやく、フグに奪われる前にお魚が反応し始め、25㎝程のイサキに始まり、ポツポツとアジも上がりだした。
・・・が、フグの猛襲は衰えを見せず・・・・
『手返しを早くして、本命のお魚を寄せる・・・か、サビキに変えてフグが追えない速さで、積極的に誘いを掛けるか・・・釣り座そのものを変えるか・・・・、それとも・・・』
選択肢は色々あるが、それぞれに一長一短があり悩む。
こんなときは、同行者が居るとどちらかが、状況に応じて変化を試すことが出来るので良いのだが・・・
ふと、背後に違和感を感じ振り向くと東の空が異様に明るい。
『ナイター設備のあるグランドかなんかあったかな?』
やがて、出現ししたのは満月
しかも、直視すると夜目には眩しいくらいの明るさで、雲が切れるとヘッドランプが要らないくらいだ。
『これだけ明るいと夜釣りには厳しいかな・・・そりゃフグには好都合か・・・』
そんなわけで、朝マズメ用の青イソメを意識しながら、投入を繰り返して居たとき・・・・
ヒュンンンッッ・・・バスッ!
耳元で嫌な音ベスト3の異音が!
テンションを失った竿と風になびくメインライン・・・そして主を失って漂流する仕掛け・・・
判りやすく言うと【高切れ】ってヤツですな!
喪失したのはリーダーから先だったので、カゴと天秤の間を上手く引っ掛ければ回収可能だ、しかも幸いポイントの手前で漂流している。
しかしここから、【お間抜けな一人芝居】が始まる・・・
新しい仕掛けをセット、コントロールにはいささか自信も合ったので、釣りながらタイミングをみて引っ掛けようと再開。
ところが、ここから急に左からの風が強まり、しかも緩急がある風なので上手くいいポジションに入らない。
いい感じに入ると、今度はアタリ出て仕掛けの回収動作に入れない。
漂流していた仕掛けは、根掛り(先針が)したようで、同じところに留まっていたので、時間は掛けても良いのだが、最終的に回収するまでに2時間もかけてしまった。
(>_<)
結局その間は、アタリはあっても抜き上げでバラシたりしていたので、釣果はなし、夜中の干潮を跨ぐような時間になってしまったので、1時間ほど仮眠を取り再開。
しかし、潮回りのせいなのか、コマセが効かないからなのか、フグの餌取りは衰えを見せず、仕掛けもガタガタにされて交換も頻発、出てもウリンボ・ハタンポなど我慢の時間が続く。
午前4時過ぎか?潮が流れ出し、また満月も雲に隠れると・・・・・・・・・ようやく・・・・
バシュルルルッッ・・・・
オープンベールのスプールからラインの引き出す、気持ちの良いアタリで30㎝近い良型!
ようやく、スイッチが入ったようで、 毎投アタリが出るがすっぽ抜けのバラシも頻発。
更には、コマセが底をついたので、アジパワーだけの臨時コマセを作成して対応。
それでも、スイッチの入ったお魚はお構いなく食ってきた。
仲間内で言う【モーニングサービス】だが、今朝はお一人様のせいか、一瞬で終了
時間にして1時間も無かったような・・・
(>_<)
なんとか、そこで10尾ほど追加して終了。
気がつけば月曜日の朝、慌しいハンドリングで行き交う出勤途中の車に混じり、草臥れたオジサンは現実世界へと戻っていった。
日時:10月16~17日大潮
場所:南房某所
釣果:イサキ20~28㎝3尾、アジ20~29㎝15尾、ハタンポ2尾
釣りは、準備→釣行→片付け(汚れた道具の処理・お魚の下処理)→料理→料理の片付け(特に生ゴミの処理)・・・と、良く様々なものをを洗います。
疲れます。腰に来ます。手が荒れます。
へぼなので、餌付けやお魚を外すとき釣針や、背びれで、何度も手を(軽く)刺します。
釣行後はあちこち痛いです。
(>_<)
でも、新鮮なお魚料理は何よりのご褒美です。
今回は、イサキは刺身・塩焼き、アジはカルパッチョとタタキで、ご馳走様でした。
イサキは塩焼きが美味いですよね。
カルパッチョも今度試してみよ(^_^)
イサキはウロコを落とすのが大変ですが
(^_^;)
ハタンポの塩焼きは個人的に好物です。