一番のミッションは朝9時にちゃんと稲毛駅に到着していること・・・
今回は一週間くらい前から早寝早起きを心がけ、少しずつ起床時刻を無理なく早くするように準備しました。
今回4名の受講生はみなフルート。
1.最初は、フルートを体験したいという、「爪切り屋」のUさん。
この体験レッスンにあたって考えたのは、自分が従来教わり辿ってきた、オーソドックスではないものにしよう、ということ。
通常はやる気を失せさせないためにも、引っ張った所謂「スマイリングアンブシュア」で角度など先生が決めて、鏡の前に並んで立って真似させる、という感じ。
また、まずは頭部管での音出し。
でも、それをやらない、と決めた。
結果、45分の中で音は出ないままで、公開レッスンは失敗、となるかもしれないけれど、その方がきっと後々、本人にとっては役に立つし、良心的ではないか?と思った。
すぐに成果を上げることが求められる場では、簡単なことから「間に合わせ」で始めることが常だ。
小さな成功を間に合わせで繋いでも、それを統合させるのはより難しくなるよな、と自身の過去を振り返る・・
難しいかもしれないけれど、本質的なところからやってみたい、と思ったのでした。
なので、スタートは最新の気付きの紹介「口開けの儀式」の呼吸から。
それをもたらすのが「古武術的立ち方」。
NHKのEテレで紹介されているので、昔よりも、多くの方にとっても、話の通りは早い。
Uさんは足爪ケアのプロでもあるので、その足元と身体への信頼があったことも、今回の冒険を後押しした。
楽器を持たずに身体の動きに付随する呼吸の実践と、腹奥から横隔膜を使っての「口開け」。
そしてモイーズの「アタック」
詳細は省きますが、なんと、最後の方では素晴らしい音色で本質的な音がポーンと出た。
これはもう、一重にUさんのセンスに負うものだと思う。
この音を出す身体の感覚を覚えてそれをベースにして自分で捜していける。
2.次は吉岡さんの御弟子であり友人でもあるTさん。
介護職で、お仕事の中でも、古武術の身体の使い方を参考にし助かっているとのこと。
フルートは中断もあるものの、かなりやってきていらして、メヌエット(アルルの女)での受講。良い先生と出会えてきたようで、比較的無理のない構えで、身体の内側も繋がっているのは、おそらく介護の現場で日々、身体と心の使い方と向き合っておいでだからかなと思う。
ご本人の悩み相談と私が感じたことも一致したので、その為のご助言。
指と舌の問題に関して。
楽器のセッティングと構え方を修正していただいただけで、指回りはもちろん、音まで良くなる。
ここでも最新式の「左手火焔、右は添えて」でさらに変化。
舌に関しては「猫舌タンギング」と様々な母音(日本語だけじゃなく)を試すことなど。
タンギングの時に舌に力が入り過ぎてしまうのは、息がちゃんとしていないからなので、その稽古も。
最後にほんの少しだけ両肩と両腰骨の位置を揃えるように修正したところ、聴講の方達から声が上がるくらいにポーンと音が出て、本人も驚いていらした。
これこそ、まさに私が最初に大きく変化した「体幹をねじらない」という古武術に学んだ最初のもの。
甲野先生から抜刀術を初めて御教え頂いた折、見様見真似でゆっくりと刀を抜いた瞬間に、深く息が入り、清々しい気持ちになった時の感動を思い出しました。
今、彼女にも同じことが起きた。
3.保育園の看護師のMさん。45歳から始めて5年間の中断を経て10年目。
曲はゴセックのガヴォット。やや緊張はされていたものの、しっかりとした音が出ている。すぐに気になったのが、両腕の力み。
音を聴いていると自分の腕や肩、首が反応するので、改めてその部分に目をやって、そうかな?と確認する感じでわかる。
指摘したところ、「そうなんですよ!右手が特にしびれてきて・・」とどんぴしゃり。
肩からしか腕が使えていないのが主な原因なので、これまた今年になってからの気付き「ここしかない腕」をやっていただく。
わかりやすいように、まずは椅子に腰かけて受けを取っていただき体験してもらい、その後やり方をお教えし、今度はやってもらう。
その後、セッティングも釣り合うように変えて、この腕で持っていただいたところ、やはり劇的な変化。
次に気になっていた股関節の使い方のために、座骨歩きや胡坐、立膝でフルートを吹いていただく。
「こっちの方がいい音ですね!発表会、これでやりたいくらいです!」と嬉しそう。
「見返り美人」の構え方も最初に抜刀した後に編みだした私の最初の革命だ。
4.最後はかつてはバンカーだったというIさん。幼いころから音楽が好きで、フルート歴は半世紀のベテラン。最近は吹いていないというけれど、3本もフルートを持参してくださった。
今も特に吹いている訳ではないので、悩みというのもないけれど、せっかくなので一緒にアンサンブルしたいです、ということで、急遽、私と吉岡さんとの3人でドップラーのアンダンテとロンド。
ここではアンサンブルに関しての古武術的ご助言を。これは私の気付きではなく陽紀先生からのものなので、ここには書けないけれど、聴いている方達からも、そして私達も、びっくりするくらい演奏が変わり面白かった。
お互いによく聴き合って合わせよう、とするよりも、より他者の音が聞こえてきて、自然に協調するという体験。二人では経験していたけれど、三人では今回初めてだったので、面白かったし、よりその効果も実感できた。
「・・面白いものですね・・AIには決して出来ない、人間ならではの経験ですね・・」と〆る。
あとは、インターバルで高音を出す時、フォルテでピッチが上がらない様にする音量の変化のさせ方など上級者向けの通常のフルートのご助言。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
甲野先生と田中聡氏共著の『身体から革命を起こす』(新潮社)に記された当時の私の変化が、こうして約20年経って、皆さまのお役にも立てているということが嬉しい。
自分だけの幻想や思い込みではなかったのだな、と確認出来て。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コンサートは満員のお客様。
吉岡さんのピアノが先日のレッスン以来、急激に脱皮したというか素晴らしいものになっていて、常にフルートに寄り添い、二人の対話が出来、良い時間となりました。
奏者二人の通じ合う感覚はそのままお客様にも伝わったのではないか、と思います。
嬉しい感想を沢山いただくことができました。
今回は一週間くらい前から早寝早起きを心がけ、少しずつ起床時刻を無理なく早くするように準備しました。
今回4名の受講生はみなフルート。
1.最初は、フルートを体験したいという、「爪切り屋」のUさん。
この体験レッスンにあたって考えたのは、自分が従来教わり辿ってきた、オーソドックスではないものにしよう、ということ。
通常はやる気を失せさせないためにも、引っ張った所謂「スマイリングアンブシュア」で角度など先生が決めて、鏡の前に並んで立って真似させる、という感じ。
また、まずは頭部管での音出し。
でも、それをやらない、と決めた。
結果、45分の中で音は出ないままで、公開レッスンは失敗、となるかもしれないけれど、その方がきっと後々、本人にとっては役に立つし、良心的ではないか?と思った。
すぐに成果を上げることが求められる場では、簡単なことから「間に合わせ」で始めることが常だ。
小さな成功を間に合わせで繋いでも、それを統合させるのはより難しくなるよな、と自身の過去を振り返る・・
難しいかもしれないけれど、本質的なところからやってみたい、と思ったのでした。
なので、スタートは最新の気付きの紹介「口開けの儀式」の呼吸から。
それをもたらすのが「古武術的立ち方」。
NHKのEテレで紹介されているので、昔よりも、多くの方にとっても、話の通りは早い。
Uさんは足爪ケアのプロでもあるので、その足元と身体への信頼があったことも、今回の冒険を後押しした。
楽器を持たずに身体の動きに付随する呼吸の実践と、腹奥から横隔膜を使っての「口開け」。
そしてモイーズの「アタック」
詳細は省きますが、なんと、最後の方では素晴らしい音色で本質的な音がポーンと出た。
これはもう、一重にUさんのセンスに負うものだと思う。
この音を出す身体の感覚を覚えてそれをベースにして自分で捜していける。
2.次は吉岡さんの御弟子であり友人でもあるTさん。
介護職で、お仕事の中でも、古武術の身体の使い方を参考にし助かっているとのこと。
フルートは中断もあるものの、かなりやってきていらして、メヌエット(アルルの女)での受講。良い先生と出会えてきたようで、比較的無理のない構えで、身体の内側も繋がっているのは、おそらく介護の現場で日々、身体と心の使い方と向き合っておいでだからかなと思う。
ご本人の悩み相談と私が感じたことも一致したので、その為のご助言。
指と舌の問題に関して。
楽器のセッティングと構え方を修正していただいただけで、指回りはもちろん、音まで良くなる。
ここでも最新式の「左手火焔、右は添えて」でさらに変化。
舌に関しては「猫舌タンギング」と様々な母音(日本語だけじゃなく)を試すことなど。
タンギングの時に舌に力が入り過ぎてしまうのは、息がちゃんとしていないからなので、その稽古も。
最後にほんの少しだけ両肩と両腰骨の位置を揃えるように修正したところ、聴講の方達から声が上がるくらいにポーンと音が出て、本人も驚いていらした。
これこそ、まさに私が最初に大きく変化した「体幹をねじらない」という古武術に学んだ最初のもの。
甲野先生から抜刀術を初めて御教え頂いた折、見様見真似でゆっくりと刀を抜いた瞬間に、深く息が入り、清々しい気持ちになった時の感動を思い出しました。
今、彼女にも同じことが起きた。
3.保育園の看護師のMさん。45歳から始めて5年間の中断を経て10年目。
曲はゴセックのガヴォット。やや緊張はされていたものの、しっかりとした音が出ている。すぐに気になったのが、両腕の力み。
音を聴いていると自分の腕や肩、首が反応するので、改めてその部分に目をやって、そうかな?と確認する感じでわかる。
指摘したところ、「そうなんですよ!右手が特にしびれてきて・・」とどんぴしゃり。
肩からしか腕が使えていないのが主な原因なので、これまた今年になってからの気付き「ここしかない腕」をやっていただく。
わかりやすいように、まずは椅子に腰かけて受けを取っていただき体験してもらい、その後やり方をお教えし、今度はやってもらう。
その後、セッティングも釣り合うように変えて、この腕で持っていただいたところ、やはり劇的な変化。
次に気になっていた股関節の使い方のために、座骨歩きや胡坐、立膝でフルートを吹いていただく。
「こっちの方がいい音ですね!発表会、これでやりたいくらいです!」と嬉しそう。
「見返り美人」の構え方も最初に抜刀した後に編みだした私の最初の革命だ。
4.最後はかつてはバンカーだったというIさん。幼いころから音楽が好きで、フルート歴は半世紀のベテラン。最近は吹いていないというけれど、3本もフルートを持参してくださった。
今も特に吹いている訳ではないので、悩みというのもないけれど、せっかくなので一緒にアンサンブルしたいです、ということで、急遽、私と吉岡さんとの3人でドップラーのアンダンテとロンド。
ここではアンサンブルに関しての古武術的ご助言を。これは私の気付きではなく陽紀先生からのものなので、ここには書けないけれど、聴いている方達からも、そして私達も、びっくりするくらい演奏が変わり面白かった。
お互いによく聴き合って合わせよう、とするよりも、より他者の音が聞こえてきて、自然に協調するという体験。二人では経験していたけれど、三人では今回初めてだったので、面白かったし、よりその効果も実感できた。
「・・面白いものですね・・AIには決して出来ない、人間ならではの経験ですね・・」と〆る。
あとは、インターバルで高音を出す時、フォルテでピッチが上がらない様にする音量の変化のさせ方など上級者向けの通常のフルートのご助言。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
甲野先生と田中聡氏共著の『身体から革命を起こす』(新潮社)に記された当時の私の変化が、こうして約20年経って、皆さまのお役にも立てているということが嬉しい。
自分だけの幻想や思い込みではなかったのだな、と確認出来て。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コンサートは満員のお客様。
吉岡さんのピアノが先日のレッスン以来、急激に脱皮したというか素晴らしいものになっていて、常にフルートに寄り添い、二人の対話が出来、良い時間となりました。
奏者二人の通じ合う感覚はそのままお客様にも伝わったのではないか、と思います。
嬉しい感想を沢山いただくことができました。
会場の雰囲気には通常のドレスよりもこっちかな?と二着目のロング丈のウクライナワンピースで。昨年2月以降はウクライナ支援に寄付されている関係者や、ウクライナの方からなるべく購入しているのですが、これはウクライナの方から。
やはり100年近いもので、染みも沢山あったのですが、酸素系漂白剤などで洗い、落ちなかったところや、ほつれたところは生地と同色の糸で刺繍して自分で補修。
こうして手をかけたものの方が愛着が。足元は見えてないけれど下駄。
吉岡さんは畳表の草履で。
・・・・・・・・・・・・・・・・
会場での打ち上げが、これまた最高に楽しかった!
吉岡さんも、パートナーの方も、本当に人としての器が深く大きく、だからこそ、集ってくるお仲間もみな、清々しい気持ちの良い方ばかりなのだなあ、と感じ入りました。
私の高校のI子先輩もいらしてくださっていたのですが、吉岡さんのお仲間のTさんも高松出身で、おまけに私の小学校の先輩であることが判明。ご縁です。
聴講とコンサートを聴いてくださった、三線奏者のタケシイさんが余興演奏で三線を弾いて歌ってくださり、美味しいどぶろくと会場オーナーKさんお手製の御馳走も素晴らしく、他にも書ききれませんが、集った皆様夫々に個性的で魅力的で、、しみじみとしました。
私もピアノでイエスタデイやユアソングなど弾いていたら、イギリスからの留学生がピアノの側にきて、「あ、それ知ってる・・なんだっけ?」
そういえば、ビートルズもエルトンもイギリスだった。
でも知らないのか?
あのエルトン・ジョンを???
とジェネレーションギャップに驚いていたら、さらに驚きの一言。
「僕はジブリが好き!」
・・日本のジブリおそるべし。実際、名曲だと思う。
「千と千尋の神隠し」と「もののけ姫」を弾いたら、とても喜んでいました。
さらに、相撲やレスリングが大好き、という、この日力仕事のお手伝いをしてくれていた若者もなんと楽譜を沢山持ってきて、
「実はアニソンが大好きなんです!」と渡される。
全く知らないのだけれど音符とコードネームがあったので、初見で数曲弾いたら、とても喜んでいました。
写真はコンサート、そして、「ピアノは弾けないんだ」というイギリスの彼に、「いや、弾けるよ!」といって、両手の人差し指で「ソ」をずっと弾いてもらって、一緒にアンサンブル。とても嬉しそうな様子に気付いた吉岡さんも途中参加し、3人でのピアノ連弾となりました。
そういえば、あの曲はなんというのか知らない。
3拍子で ソソソ ソソソ ソソソ ソソラ シシシ シシシ ドード ドシラ♪と言う曲。
昔、息子が小さい時によく一緒に弾いていましたが、それ以来かも?
楽しかった!
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そして、10月8日(日)に第2回目が開催されることも決定しました。
次回も楽しみです。
それまでに、フルートもですが、もっと人間磨いておくのが私の一番の課題かな、と。
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そして、10月8日(日)に第2回目が開催されることも決定しました。
次回も楽しみです。
それまでに、フルートもですが、もっと人間磨いておくのが私の一番の課題かな、と。